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プロット図の見方 第12回連載の一覧 ›

事務所や学校の廊下にある、押しボタンのようなスイッチ。多くはリモコンスイッチです。ふつうのスイッチと違い、照明に電気を送るのではなく「点けて」「消して」の合図を送るだけ。テレビのリモコンと同じで、実際に動くのは別の場所にあるリレーです。そのため、プロット図ではスイッチと照明が線でつながっていないことがあります。第12回は、しくみ、記号、プロット図での読み方、まとめて操作するしくみの順に読みます。

結論

リモコンスイッチ(●R)は合図を送るだけ。照明を入り切りするのは盤にまとめたリモコンリレー(▲)で、プロット図ではスイッチも照明も盤へ向かう線で描かれます。

  • スイッチとリレーは細い信号線(弱電)でつながる
  • ▲を並べたらリレーの集合、横の数字はリレー数
  • 丸に放射線はセレクタスイッチ。RM・RG・RP は種類
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
リモコンスイッチのしくみ、記号、プロット図での読み方、セレクタスイッチによるまとめ操作を示す動く図解
約50秒でくり返します。スイッチの合図が信号線でリレーに届き、照明が点く様子から見ます。

リモコンスイッチは「合図を送るだけ」

リモコン方式の照明は、3つの部品でできています。

部品 役目 置き場所
リモコンスイッチ 押しボタン。点灯・消灯の合図を送るだけ 部屋の出入口など
信号線 スイッチとリレーを結ぶ、低い電圧の細い線(弱電) 天井の中など
リモコンリレー 合図を受けて、照明の電源を入り切りする 分電盤の中や近くにまとめる
信号線は低い電圧で動かすので、ふつうの照明の配線とは別の線として扱います。

ふつうのスイッチは照明の電源を直接切るので、第11回で読んだように黒と帰り線がスイッチまで来ます。リモコン方式では、スイッチに来るのは信号線だけです。

ここまでのポイント
  • スイッチは合図を送るだけ
  • 入り切りするのはリモコンリレー
  • スイッチとリレーは細い信号線

記号は ●R・▲・セレクタ

記号 名前 読み方
リモコン関係の図記号 リモコンスイッチ 黒丸に R。明らかなら R を省略してもよい
リモコン関係の図記号 確認表示灯が別置 白丸が表示灯
リモコン関係の図記号 リモコンリレー 1台分
リモコン関係の図記号 リモコンリレー(集合) 集合して付けるとき。リレー数を傍記。T/U はターミナルユニット付
リモコン関係の図記号 リモコンセレクタスイッチ 点滅回路数を傍記
リモコン関係の図記号 多重伝送用 ほかに RG(グループ制御用)、RP(パターン制御用)
JIS C 0303(構内電気設備の配線用図記号)による。スイッチの傍記全体は第8回で扱っています。
ここまでのポイント
  • ●R=リモコンスイッチ
  • ▲=リモコンリレー、並べたら集合
  • 丸に放射線=セレクタスイッチ

プロット図では「スイッチも照明も盤へ」

リモコン方式のプロット図では、スイッチと照明が直接線でつながらないことがあります。照明の電源線は盤のリレーから照明へ、スイッチの信号線はスイッチから盤のリレーへ向かうからです。

線 どこからどこへ 読むところ
照明の電源線 盤のリモコンリレー → 照明 点滅区分(a・b など)で、どの照明か
スイッチの信号線 リモコンスイッチ → 盤のリモコンリレー スイッチの番号・区分で、どのリレーか
リレーの一覧 盤の中 盤表やリレー表で、スイッチと照明の対応
信号線は図面によって別の線種や凡例で描き分けます。凡例で確かめます。
読み方のコツ:スイッチと照明の線がつながっていなくても、描き忘れとは限りません。スイッチの記号に R があるか、盤に▲があるかを先に確かめます。盤の記号は第9回で扱っています。
ここまでのポイント
  • 照明の線は盤のリレーから
  • スイッチの線は信号線でリレーへ
  • 対応は区分とリレー表で読む


リモコンの強み ― 1か所から、まとめて操作

リモコン方式が事務所や学校で使われるのは、多くの照明を、いくつもの場所から、まとめて操作できるからです。

方式 できること 使われる場所の例
セレクタスイッチ 多くの回路のスイッチを1か所に集める 管理室・守衛室
RG グループ制御 決めた回路をまとめて入り切り フロア全体の一括消灯
RP パターン制御 時間帯などに合わせた点灯の組み合わせ 始業・昼休み・終業
RM 多重伝送 少ない本数の線で多くの回路を操作 大きな建物
具体的な機器やつなぎ方はメーカーの方式によって違います。設計図の特記と機器の資料で確かめます。

第二種電気工事士の技能試験では、リモコンリレーを端子台で代わりにして結線します(候補問題No.8の複線図)。

ここまでのポイント
  • セレクタで1か所に集める
  • RG・RP でまとめて操作
  • 方式はメーカーの資料で確認

読み違えやすいところ

⚠️ よくある読み違い

  1. スイッチと照明が離れているのを描き忘れと思う:リモコン方式ならどちらも盤へ向かいます。
  2. ●R をふつうのスイッチと数える:スイッチに来るのは信号線だけ。電源の配線は来ません。
  3. ▲をリモコンリレー以外と読む:盤の近くの黒い三角はリモコンリレーです。
  4. R がないのでふつうのスイッチと思う:明らかなときは R を省略できます。凡例と盤のリレーを確かめます。
  5. 信号線を照明の電源線と数える:信号線は低い電圧の別の線です。
ここまでのポイント
  • スイッチと照明は盤でつながる
  • R の省略に注意
  • 信号線と電源線を分けて読む

よくある質問

リモコンスイッチとふつうのスイッチは何が違いますか?

ふつうのスイッチは照明の電源を直接入り切りします。リモコンスイッチは合図の信号を送るだけで、照明の電源を入り切りするのは分電盤などにまとめて付けたリモコンリレーです。

リモコンスイッチの図記号は?

JIS C 0303 では、黒丸に R を傍記します。リモコンスイッチであることが明らかな場合は R を省略してもよく、確認表示灯を別に付けるときは白丸を並べます。

リモコンリレーはどこにありますか?

分電盤の中や近くにまとめて付けることが多く、図面では黒い三角で描きます。まとめて付けるときは三角を並べてリレー数を傍記し、ターミナルユニット付は T/U を傍記します。

プロット図でスイッチと照明がつながっていないのはなぜですか?

リモコン方式では、照明の電源線は盤のリレーから照明へ、スイッチの信号線はスイッチからリレーへ向かうからです。スイッチと照明の対応は、点滅区分やリレーの番号で読みます。

RM・RG・RP は何ですか?

リモコンスイッチの種類の傍記です。RM は多重伝送用、RG はグループ制御用、RP はパターン制御用です。

リモコンセレクタスイッチとは?

1か所に多くのスイッチを集めたもので、管理室などから多くの照明回路を操作するのに使います。丸に放射状の線を描き、点滅回路数(例:9)を傍記します。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。