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「200V」と一口に言っても、その200Vはどことどこの間の電圧でしょうか。テスターを当てる2本を変えると、同じ電線でも100Vになったり200Vになったりします。この記事では、電線と電線の間の線間電圧を中心に、相電圧や対地電圧との違い、三相で出てくる√3、図面や銘板の読み方、実際の電圧の幅までを、使っている場面の動く図解でほどきます。単相回路と三相回路の続きになる、超基本の13本目です。

結論

線間電圧は電線と電線の間の電圧で、機器を動かす電圧です。図面や銘板の200V・415Vはふつう線間電圧。三相Y結線では線間 = 相 × √3。感電の危なさは線間ではなく対地電圧で見ます。

  • 単相3線式は線間200V、線と中性線の間100V、対地100V
  • 3φ4W 415/240Vは、線間415V・相240V
  • 住宅の屋内は対地電圧150V以下が原則
  • 100Vは95〜107V、200Vは182〜222Vなら正常
この記事で押さえる5つのこと
項目を押すと、その章へ飛びます。図はすべて使っている場面の動く図解で、押すと大きく見られます。

この図の読み方

くり返し動きます。左から、もの・記号・用途の順です。

  1. もの:電線と電線の間の電圧
  2. 記号:3φ3W 200Vの200Vは線間電圧
  3. 用途:機器の銘板の電圧と合わせる

動く図解で学ぶ電気設備電気のきほんの動く図解11本を、まとめて見られます見る →

線間電圧とは ― 電線と電線の間の電圧

電圧はいつも2点の間で測ります。テスターの2本の棒を、電線と電線に当てて測るのが線間電圧、電線と中性線(中性点)に当てるのが相電圧、電線と大地に当てるのが対地電圧です。同じ赤い電線でも、もう1本をどこに当てるかで、呼び名も値も変わります。

測る2点で変わる

テスターの当て先が3か所に移り、表示と呼び名が変わります。

  1. 赤と黒の間は線間電圧200V
  2. 赤と白(中性線)の間は100V
  3. 赤と大地の間は対地電圧100V
たとえるなら
電圧は「高さの差」、線間電圧は「2つの屋上の高さの差」
電圧は水の高さの差のようなものです。地面からの高さ(対地電圧)と、隣のビルの屋上との高さの差(線間電圧)は、同じ屋上から測っても別の数字になります。どこを基準にしたかを言わないと、話がかみ合いません。
呼び名 測る2点 何に使うか
線間電圧 電線と電線 機器を動かす電圧。図面・銘板の電圧
相電圧 電線と中性線(中性点) 三相4線式の照明など
対地電圧 電線と大地 感電の危なさ。住宅は150V以下が原則
「電圧」とだけ言うときは、ふつう線間電圧を指します。
ここまでのポイント
  • 電圧は2点の間で測る
  • 線間電圧は電線と電線の間
  • 当てる2本で呼び名も値も変わる

単相3線式で見る ― 線間200V、線と中性線の間100V

住宅の単相3線式では、真ん中の白(中性線)が大地と同じ高さの0です。赤と黒は、白をはさんでいつも反対向きに上下します。赤が+100Vのとき黒は−100V。だから赤と白、黒と白の間は100V、赤と黒の線間は差が2倍の200Vになります。

高さの差で見る

赤と黒が、白をはさんで反対向きに上下します。

  1. 白(中性線)は大地と同じ0
  2. 赤と黒はいつも反対向き
  3. だから線間は2倍の200V
ひっかけ注意
「100Vの線を2本使うから200V」ではありません。
赤と黒が同じ向きに100Vなら、差は0Vです。200Vになるのは、赤と黒がいつも反対向きに動いているからです。単相3線式の変圧器は、そうなるように真ん中を中性線にしています。

単相3線式のしくみと中性線は単相回路とは、中性線が切れたときの電圧は第2種電気工事士|配電理論で解説しています。

ここまでのポイント
  • 白(中性線)は大地と同じ0
  • 赤と黒は反対向きに動く
  • 線間200V、線と中性線の間100V


三相で見る ― Y結線は線間が相の√3倍

三相4線式のようなY(スター)結線では、中性点から出た3つの相電圧が120度ずつずれています。2つの相の先どうしの差が線間電圧で、その大きさは相電圧の√3倍(約1.73倍)です。相電圧240Vなら、線間電圧は240×1.73で約415Vになります。一方、Δ(デルタ)結線の三相3線式200Vでは、線間電圧と相電圧は同じ200Vです。

√3の正体

3本の矢印(相電圧)が回り、2本の先を結ぶ点線が線間電圧です。

  1. 矢印1本が相電圧240V
  2. 2本の先の間が線間電圧415V
  3. Δ結線は線間=相で200V
方式 線間電圧 相電圧(線と中性点)
単相3線式 200V 100V(2倍の関係)
三相3線式(Δ) 200V 200V(同じ)
三相4線式(Y) 415V 240V(√3倍の関係)
三相の電流の計算にも√3が出てきます。三相の電力 = √3 × 線間電圧 × 電流 × 力率。

三相の方式は三相回路とは、√3を使った計算は第2種電気工事士|電気理論で例題つきで解説しています。

動く図解で見る:直流・交流と三相三相の波を動く図解で(電気のきほんのページへ)

ここまでのポイント
  • Y結線は線間 = 相 × √3
  • 相240Vなら線間約415V
  • Δ結線は線間 = 相

対地電圧とのちがい ― 感電の危なさはこちら

地面に立った人が電線に触れると、体には電線と大地の間の電圧=対地電圧がかかります。だから安全のルールは線間電圧ではなく対地電圧で決まっていて、住宅の屋内の電路は対地電圧150V以下が原則です。単相3線式は中性線を接地しているので、200Vの機器でも対地電圧は100V。三相3線式200VでS相を接地すると、RとTの対地電圧は200Vになります。

対地電圧

左の単相3線式、右の三相3線式で、大地との電圧が順に光ります。

  1. 単相3線式は、200Vの機器でも対地100V
  2. 三相200Vは、対地電圧が200Vの線がある
  3. 住宅の屋内は対地電圧150V以下が原則
ひっかけ注意
「200Vの機器は住宅の150V以下の決まりに合わない」ではありません。
決まりが見ているのは対地電圧です。単相3線式の200Vは線間電圧で、対地電圧は100Vなので、住宅でも使えます。三相200Vのように対地電圧が150Vを超える場合は、2kW以上の機器などの条件つきで300V以下まで認められます。

対地電圧のしくみは対地電圧とは、制限と例外の条件は内線規程の解釈と解説【001】対地電圧の制限と住宅の屋内電路の対地電圧制限、接地の役割は接地(アース)とはで解説しています。

ここまでのポイント
  • 対地電圧は電線と大地の間
  • 感電の危なさは対地電圧で見る
  • 住宅の屋内は150V以下が原則


用途で見る ― 図面・銘板の読み方と、実際の電圧

図面や銘板に書かれた電圧は、ふつう線間電圧です。「100/200V」「415/240V」のように2つ並んでいれば、大きい方が線間、小さい方が線と中性線の間です。モーターの銘板の「三相 200V」は、線間に200Vをかけて使うという意味です。

図面と銘板の電圧

方式ごとの書き方と、どちらが線間かが順に光ります。

  1. 1φ3W 100/200Vは線間200V
  2. 3φ4W 415/240Vは線間415V
  3. 銘板の三相200Vも線間電圧

実際の電圧は、いつもぴったり100Vや200Vではありません。電力会社は、標準電圧100Vなら101Vの上下6V(95〜107V)、200Vなら202Vの上下20V(182〜222V)に保つよう決められています。

実際の電圧の幅

針がゆれても、緑の範囲なら正常です。

  1. 100Vは95〜107V
  2. 200Vは182〜222V
  3. この範囲なら測った値が少しずれても正常

目的ごとの見方

目的ごとに、見る電圧が順に光ります。

  1. 機器を選ぶときは線間電圧
  2. 感電を防ぐときは対地電圧
  3. 三相の計算は√3と線間電圧

電圧が範囲を外れたときの連絡先は電力会社と電気工事店、どっちに連絡する?で解説しています。

ここまでのポイント
  • 図面・銘板の電圧はふつう線間電圧
  • 2つ並べば大きい方が線間
  • 100Vは95〜107V、200Vは182〜222V

読み違えやすいところ

よくある読み違い

  1. 415/240Vの240Vを線間と読む:大きい方の415Vが線間です。
  2. 200Vの機器は対地電圧も200Vと思う:単相3線式なら対地は100Vです。
  3. 三相でも線間=相×2と思う:Y結線は√3倍、Δ結線は同じです。
  4. 98Vは電圧不足と思う:100Vなら95〜107Vが正常の範囲です。
  5. 中性線と大地の間も100Vと思う:中性線は接地されていて、大地との間はほぼ0Vです。

動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、電気のきほんを動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。

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よくある質問

線間電圧とは何ですか?

電線と電線の間の電圧です。機器を動かすのに使う電圧で、図面や銘板に書かれる「200V」「415V」などは、ふつう線間電圧を表します。

相電圧との違いは?

相電圧は、電線と中性点(中性線)の間の電圧です。三相Y結線では、線間電圧は相電圧の√3倍(約1.73倍)になり、相電圧240Vなら線間電圧は約415Vです。Δ結線では、線間電圧と相電圧は同じです。

対地電圧とは何ですか?

電線と大地(地面)の間の電圧です。地面に立った人が電線に触れたとき体にかかるのがこの電圧なので、感電の危なさを決めます。住宅の屋内の電路は、対地電圧150V以下が原則です。

家の200Vのエアコンは、対地電圧150V以下の決まりに合っていますか?

合っています。単相3線式の200Vは赤と黒の間の線間電圧で、中性線を接地しているので、赤と大地、黒と大地の間はどちらも100Vです。対地電圧は100Vなので、150V以下に収まります。

テスターで測ったら98Vでした。故障ですか?

故障ではありません。電力会社は、標準電圧100Vなら101Vの上下6V(95〜107V)、200Vなら202Vの上下20V(182〜222V)に保つよう決められています。この範囲なら正常です。

図面の「100/200V」や「415/240V」はどう読みますか?

2つ並んでいれば、大きい方が線間電圧、小さい方が線と中性線の間の電圧です。1φ3W 100/200Vなら線間200V、3φ4W 415/240Vなら線間415Vです。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。