【プロット図の見方⑭】配線の拾い方 ― 区間に分けて種類と本数を読み、天井からの高さを足して区間ごとに集計する
第13回では、一般材を「長さ」と「数」で拾う全体の流れを見ました。第14回は、その中でも量が多くて間違えやすい配線(ケーブル・電線)の拾い方を細かく追います。電車の運賃を駅と駅の区間ごとに足していくように、配線も区間に分けて、1区間ずつ数えるのがコツです。
結論
配線は区間に分ける → 種類と本数を読む → 高さを足す → 表で集計の4段階で拾います。区間はボックスからボックス、心数は斜線の数で読みます。
- 本数・種類・太さが変わるところも区間の区切り
- 高さは「天井高−取付高さ」。決まりは特記と会社の基準で
- 区間ごとに1行書き、種類ごとに合計して割増
盤から回路ごとに、区間に分けて拾う
配線は、図面を広く眺めて拾うと必ず抜けます。分電盤から回路ごとに、1本ずつたどるのが基本です。たどりながら、線を区間に分けて番号を振ります。
| 区切るところ | 例 | 理由 |
|---|---|---|
| ボックスに入るところ | 盤・ジョイントボックス・器具 | ケーブルはボックスで分かれる |
| 斜線の本数が変わるところ | 2本 → 3本 | 心数が変わる |
| 種類・太さが変わるところ | 1.6 → 2.0、VVF → CV | 規格ごとに集計するため |
| 通る場所が変わるところ | 天井隠ぺい → 露出 | 線種で読み分ける(第5回) |
- 盤から回路ごとにたどる
- 区間=ボックスからボックス
- 本数・種類が変わったら区切る
区間ごとに「種類・太さ・本数」を読む
区間が決まったら、その区間を通る配線の種類・太さ・心数・本数を読みます。種類と太さは凡例と線の下の数字、心数は斜線の数です。
| 図面の書き方 | 読み方 | 拾い方 |
|---|---|---|
| 斜線2本(VVF 1.6) | VVF1.6-2C | 区間の長さ |
| 斜線3本(VVF 1.6) | VVF1.6-3C | 区間の長さ |
| 線の下に 2.0 | 太さ 2.0mm | 2.0 の行で集計 |
| 同じルートに2回路 | ケーブル2本 | 区間の長さ×2 |
| 管の中の電線(IV など) | 電線の本数 | 管の長さ×本数(第13回) |
スイッチを2個並べた区間は、黒1本と帰り線2本で3心になります。3路スイッチの区間も3心が基本です。なぜ3本になるかは第11回の複線図で確かめられます。
- 心数は斜線の数
- 太さは線の下の数字
- 同じルートの2本は×2
高さを足す ― 天井高から取付高さを引く
プロット図は上から見た図なので、天井から壁を下りる長さは描かれていません。高さは「天井高−取付高さ」で求めて、区間の長さに足します。
| 行き先 | 足す高さ | 天井高2.6mの例 |
|---|---|---|
| 分電盤 | 天井から盤の上端まで | 2.6−1.9=0.7m |
| スイッチ | 天井からスイッチまで | 2.6−1.2=1.4m |
| 壁のコンセント | 天井からコンセントまで | 2.6−0.3=2.3m |
| 天井の照明 | ほぼなし(天井の中) | 0m |
| 床から配線するとき | 床から器具まで(立上り) | 取付高さ |
- 高さは天井高−取付高さ
- 壁を上り下りする区間だけ足す
- 取付高さは特記で確かめる
拾い出し表 ― 区間ごとに1行、種類ごとに合計
図解の例を、拾い出し表にするとこうなります。区間ごとに平面・高さ・長さ・種類を書いておけば、あとから誰が見ても根拠がわかります。
| 区間 | 平面 | 高さ | 長さ | 種類 |
|---|---|---|---|---|
| ① 盤 → ジョイントボックス | 5.0m | 0.7m | 5.7m | VVF1.6-2C |
| ② ジョイントボックス → 照明A | 2.0m | ― | 2.0m | VVF1.6-2C |
| ③ ジョイントボックス → スイッチ2個 | 1.0m | 1.4m | 2.4m | VVF1.6-3C |
| ④ ジョイントボックス → 照明B | 2.5m | ― | 2.5m | VVF1.6-2C |
✏️ 集計のしかた
- 種類・太さ・心数ごとにまとめる:2C と 3C、1.6 と 2.0 は別の行です。
- 階や系統ごとに小計を出す:見直しや工程の区切りに使えます。
- 余長を決まりどおりに扱う:盤の中やボックスでの接続分を、割増に含めるか別に足すかは基準に従います。
- 割増を足す:率は積算基準や会社の基準で決まっています。
- 区間ごとに1行で根拠を残す
- 種類・太さ・心数ごとに合計
- 余長と割増は基準に従う
読み違えやすいところ
⚠️ よくある読み違い
- 3心の区間を2心で拾う:スイッチ2個や3路の区間は斜線を数え直します。
- 重なった2本を1本と数える:同じルートの別回路は長さ×2です。
- 天井の中の区間に高さを足す:足すのは壁を上り下りする区間だけ。
- 縮尺を取り違える:1/100 と 1/50 が混ざる図面集では、図面ごとに確かめます。
- 既設・撤去の線まで拾う:細線・点線や×印の線は、新しく拾う対象か凡例で確認します。
拾いミスの事例は積算編③でも紹介しています。
- 心数は斜線を数え直す
- 重なった線は本数を確かめる
- 縮尺と既設・撤去に注意
よくある質問
配線はどこから拾いはじめますか?
分電盤から、回路ごとに1本ずつたどるのが基本です。盤から近い順に区間へ番号を振っていくと、抜けと二重拾いを防げます。
区間はどこで区切りますか?
ボックスからボックス(盤・ジョイントボックス・器具)で区切ります。途中で斜線の本数やケーブルの種類、太さが変わるところも区切りにします。
VVFの心数はどう決めますか?
斜線の数が心数です。斜線2本なら2心(2C)、3本なら3心(3C)。スイッチを2個並べた区間や3路スイッチの区間は3心になることが多いです。
立下りの長さは何mにしますか?
天井高から器具の取付高さを引いて求めます。天井高2.6m、スイッチの高さ1.2mなら1.4mです。取付高さや拾い方は、特記仕様や会社の決まりに合わせます。
同じ区間にケーブルが2本あるときは?
区間の長さ×2本で拾います。回路が違うケーブルが同じルートを通る区間は、図面で線が重なって見えるので特に注意します。
余長は見込みますか?
盤の中の配線や、ボックス・器具での接続に使う長さをどう見込むかは、積算基準や会社の決まりによります。割増に含める場合も、別に足す場合もあります。
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