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プロット図の見方 第16回連載の一覧 ›

配線の拾い出しで、いちばん起きやすい間違いの1つが「管の長さ=ケーブルの長さ」という思い込みです。1本の管に複数のケーブルを収める区間では、管は1本でも、ケーブルは複数。トンネル(管)は1本でも、中を走る電車(ケーブル)が2本なら、線路は2本分いるのと同じです。第16回は、この区間の拾い方を第15回から切り出して、細かく見ていきます。

結論

管は長さ×1本、ケーブルは長さ×条数。条数は傍記の「×2」などで読み、分岐で条数が変わったら区間を分けて掛け直します。

  • 心数(1本の中の線)と条数(ケーブルの本数)は別
  • コネクタなどの付属品は管1本分
  • 管の合計でケーブルの長さを済ませない
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
1本の管に複数のケーブルを収めるとき、管は長さ×1本、ケーブルは長さ×条数で拾い、分岐で条数が減る区間を分けて集計する手順を示す動く図解
約50秒でくり返します。管の断面から、8mの管に2条の計算、分岐で条数が減る区間、拾い出し表の順に見ます。

管・条数・心数 ― 3つの「本数」を分ける

管の中には、数え方の違う「本数」が3つ重なっています。ここを混ぜると、拾い出しの数字がずれます。

数えるもの 意味 VVF1.6-2C×2 を PF22 に入れた例
管 ケーブルを通す管そのもの 1本
条数 管に入っているケーブルの本数 2条
心数 ケーブル1条の中の心線の数 1条に2心(2C)
ケーブルの長さを出すときに掛けるのは条数です。心数は規格(2C・3C)として分けるのに使います。
ここまでのポイント
  • 管は1本
  • ケーブルは条数で数える
  • 心数は規格として分ける

図面では「×2」や並べ書きで表す

プロット図では、1本の線(管)に複数のケーブルの傍記が付きます。書き方は図面によって違うので、凡例と特記を先に確かめます。

傍記の例 読み方 拾うケーブル
VVF1.6-2C×2 (PF22) 2心のケーブルが2条 VVF1.6-2C を長さ×2
VVF1.6-2C+VVF1.6-3C (PF22) 種類の違うケーブルが1条ずつ 2C を長さ×1、3C を長さ×1
VVF2.0-2C×3 (PF28) 2.0mm・2心が3条 VVF2.0-2C を長さ×3
傍記の書き方と管のサイズは架空の例です。実際の書き方は図面の凡例に従います。
読み方のコツ:線に(PF22)のような管の傍記があり、その前にケーブルが2つ以上書かれていたら「1本の管に複数」の区間です。線の形の読み方は第14回・第15回で扱っています。
ここまでのポイント
  • ×2 は条数
  • 並べ書きは種類ごとに1条ずつ
  • 書き方は凡例で確かめる

計算 ― 管は×1、ケーブルは×条数

8mの管(PF22)に VVF1.6-2C が2条入る区間で計算します。

品名 計算 数量
管 PF22 8m × 1本 8m
ケーブル VVF1.6-2C 8m × 2条 16m
コネクタ 管の両端 2個
ケーブルは16m。心数を掛けて32mにしないこと、管を2本分の16mにしないことの両方に注意します。

立下りの区間でも同じです。1本の管で2条のケーブルが壁を下りるなら、立下りの長さも管は1回、ケーブルは2条分足します(高さの足し方は第14回)。

ここまでのポイント
  • 管は長さ×1本
  • ケーブルは長さ×条数
  • 付属品は管の端の数


分岐で条数が減る ― 区間を分けて掛け直す

分電盤から出た3条のケーブルが、ジョイントボックスごとに1条ずつ分かれていくと、先へ行くほど条数が減り、管も細くなります。条数が変わるボックスで区間を分けて、区間ごとに掛けます。

区間 管 長さ 条数 ケーブル
盤 → ボックス1 PF28 6m 3条 18m
ボックス1 → ボックス2 PF22 4m 2条 8m
ボックス2 → 照明 PF16 3m 1条 3m
合計 管は13m 29m
管の太さは架空の例です。実際は入れるケーブルの種類と本数で決まります(電線管サイズの早見表)。分かれた先のケーブルは、その先の区間で続けて拾います。

この例では、管の合計は13mなのに、ケーブルは29mです。管の合計でケーブルを済ませると、16m足りなくなります。

ここまでのポイント
  • 条数が変わるボックスで区切る
  • 区間ごとに長さ×条数
  • 管は太さごとに集計

間違えやすいところ

⚠️ よくある拾いミス

  1. 管の長さ=ケーブルの長さにする:複数条の区間ではケーブルが足りなくなります。
  2. 管を条数分拾う:管は1本。条数を掛けるのはケーブルだけです。
  3. 心数を掛ける:2C×2 は2条。×4ではありません。
  4. 分岐のあとも同じ条数で掛ける:ボックスごとに条数を数え直します。
  5. 管の太さを1種類で集計する:本数が変われば太さも変わります。
  6. コネクタを条数分拾う:コネクタは管の端の数です。

拾いミスのほかの事例は積算編③で紹介しています。

ここまでのポイント
  • 管は×1、ケーブルは×条数
  • 心数は掛けない
  • 分岐で条数と太さを見直す

よくある質問

1本の管に2条のケーブルを入れたら、どう拾いますか?

管は管の長さで1回だけ、ケーブルは管の長さ×2条で拾います。8mの管なら、管8m・ケーブル16mです。

心数と条数はどう違いますか?

心数は1本のケーブルの中に入っている心線の数、条数はケーブルそのものの本数です。VVF1.6-2C×2 は「2心のケーブルが2条」なので、ケーブルの長さは管の長さ×2です。×4ではありません。

図面で1本の管に何条入るかはどこで読みますか?

線に添えた傍記で読みます。VVF1.6-2C×2 のように×で条数を書く場合や、ケーブルの種類を並べて書く場合があります。凡例と特記の書き方を先に確かめます。

途中でケーブルが分かれると、どう拾いますか?

分岐のボックスで条数が変わるので、そこで区間を分けます。区間ごとに管の長さ×その区間の条数を計算して足します。

管の太さはどう決まりますか?

入れるケーブルの種類と本数で決まります。本数が多い区間ほど太くなるので、拾い出しでは太さごとに分けて集計します。太さの目安は早見表や設計の基準で確かめます。

コネクタは条数分いりますか?

いりません。コネクタは管がボックスに入るところに付けるので、管の端の数だけ拾います。ケーブルが何条入っていても、管1本の両端なら2個です。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。