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「電灯」と聞くと、天井の明かりを思い浮かべます。でも電気設備で言う電灯設備は、照明だけではありません。壁のコンセントも、ルームエアコンも、換気扇も、人がスイッチで使う単相の電気はまとめて電灯です。この記事では、電灯設備の範囲、動力との分け方、盤から部屋までの流れ、図面の読み方、容量と契約を、使っている場面の動く図解でほどきます。超基本の15本目です。

結論

電灯設備は照明だけではなく、コンセントや小型機器まで含む単相で人が使う電気のことです。動力とは名前ではなく電源で分け、盤はL-1のように呼びます。容量は照明+コンセント+小型機器で積み上げます。

  • ルームエアコンは電灯、パッケージ空調は動力
  • 電灯幹線 → 電灯分電盤 → 分岐回路 → 照明・コンセント
  • ビルでは変圧器から電灯と動力に分かれる
  • 住宅はほぼ全部が電灯。動力の契約はいらない
この記事で押さえる5つのこと
項目を押すと、その章へ飛びます。図はすべて使っている場面の動く図解で、押すと大きく見られます。

この図の読み方

くり返し動きます。左から、もの・記号・用途の順です。

  1. もの:照明・コンセント・小型機器
  2. 記号:電灯分電盤はL-1
  3. 用途:人が使う単相100V・200V

動く図解で学ぶ電気設備電気のきほんの動く図解11本を、まとめて見られます見る →

用語集で調べる:電灯動力分電盤幹線

電灯設備とは ― 照明だけではない

電灯設備は、単相の電気で、人がスイッチを入れて使うものの総称です。天井の照明はもちろん、壁のコンセント、そこにつなぐ冷蔵庫やテレビ、ルームエアコン、換気扇などの小型機器も電灯に入ります。住宅なら、ほとんどすべての電気が電灯です。

部屋の中の電灯

部屋の中の照明・コンセント・エアコン・換気扇・家電が順に光ります。

  1. 照明だけでなくコンセントも電灯
  2. ルームエアコン・換気扇も電灯
  3. ぜんぶ単相で人が使うもの
たとえるなら
「電灯」は、明かりの時代の呼び名が残ったもの
電気が使われ始めたころ、電気の主な使い道は明かり(電灯)でした。その後コンセントや家電が増えても、人が使う単相の電気をまとめて「電灯」と呼ぶ習慣が残りました。電気料金のメニューの「従量電灯」も同じ名残です。
電灯に入るもの 例
照明 天井の照明・ダウンライト・非常用照明
コンセント 一般のコンセント・専用コンセント
小型機器 ルームエアコン・換気扇・電気温水器・IH
住宅の電気 単相3線式100/200Vのほぼすべて
単相で人が使う電気は、照明以外も電灯です。

照明そのものは照明器具とは、コンセントはコンセントとはで解説しています。

ここまでのポイント
  • 電灯は照明だけではない
  • コンセント・小型機器も電灯
  • 単相で人が使う電気がぜんぶ電灯

電灯と動力 ― 名前ではなく電源で分ける

建物の電気は、電灯(L)と動力(P)の2つに分かれます。電灯は単相で人がスイッチで使うもの、動力は三相で空調・ポンプ・エレベーターのように機械が回し続けるものです。分けるときは機器の名前ではなく、銘板や仕様書の電源の欄を見ます。

電灯と動力の仕分け

機器が1つずつ、電源を見て電灯か動力かに仕分けられます。

  1. 単相で人が使う → 電灯
  2. 三相で機械が回す → 動力
  3. 迷ったら銘板の電源欄を見る
ひっかけ注意
「エアコンは動力」ではありません。
家庭用のルームエアコンは単相100Vや200Vなので電灯です。ビルのパッケージ空調は三相200Vなので動力です。同じエアコンでも、電源で分かれます。
くらべる点 電灯(L) 動力(P)
電源 単相100V・200V 三相200Vが中心
使われ方 人がスイッチで使う 機械が回し続ける
代表 照明・コンセント・小型機器 空調・ポンプ・エレベーター
盤の名前 L-1・L-2 P-1・P-2
使われ方が違うので、変圧器・幹線・盤・契約も別になります。

電灯と動力の考え方は【新人講座 第10回】電灯と動力のちがいと【動力設備の設計マニュアル①】動力とは何か、単相と三相は単相回路とはと三相回路とはで解説しています。

動く図解で見る:電灯と動力 ― 単相と三相の2つの家系盤と変圧器の分かれ方を動く図解で(電気のきほんのページへ)

ここまでのポイント
  • 電灯は単相で人が使う
  • 動力は三相で機械が回す
  • 名前ではなく電源の欄で分ける


盤から部屋まで ― 電灯設備の流れ

電灯設備の電気は、電灯幹線で電灯分電盤まで運ばれ、そこで20Aずつなどの分岐回路に分かれて、部屋の照明やコンセントへ届きます。照明とコンセントは、ふつう回路を分けます。

電灯の流れ

幹線から盤、回路、部屋へと順に光り、照明が点きます。

  1. 電灯幹線で電灯分電盤へ
  2. 分岐回路に分けて部屋へ
  3. 照明とコンセントは回路を分ける

高圧で受電するビルでは、キュービクルの中で電灯用トランスと動力用トランスに分かれ、そこから先は幹線も盤もずっと別になります。

分電盤とブレーカーは分電盤とブレーカーとは、回路の分け方は【コンセント設備の設計マニュアル③】回路分割で解説しています。

ここまでのポイント
  • 電灯幹線 → 電灯分電盤 → 分岐回路
  • ビルは変圧器から電灯と動力に分かれる
  • そこから先は幹線も盤も別

図面では、3つで1組で読む

電灯設備の図面は、平面図(どこに照明やコンセントが付くか)、分電盤結線図(回路ごとの行き先と容量)、幹線系統図(盤どうしのつながり)の3つで1組です。盤の名前のLは電灯(Light)、動力盤はP(Power)です。

電灯設備の図面

平面図・分電盤結線図・幹線系統図が順に光ります。

  1. 平面図でどこに何が付くか
  2. 分電盤結線図で回路ごとの行き先
  3. 幹線系統図で盤のつながり
図面 読むところ
電灯設備平面図 照明・コンセント・スイッチの位置と回路番号
分電盤結線図 回路番号・行き先・ブレーカーの容量
電灯幹線系統図 L-1・L-2などの盤と幹線のつながり
照明とコンセントを別の平面図に分けることもあります。図面の凡例で確かめます。
ここまでのポイント
  • 図面は平面図・分電盤結線図・幹線系統図
  • Lは電灯、Pは動力
  • 回路番号で3つの図面をつなげて読む


用途で見る ― 容量の積み上げと契約

電灯の容量は、照明+コンセント+小型機器を足して決めます。照明だけで見積もると大きく足りません。事務所ビルの例では、照明15kW・コンセント20kW・小型機器5kWで電灯の合計40kW、これをもとに電灯用トランスを選びます。動力は別に集計します。

電灯の容量

照明・コンセント・小型機器の棒が順にのびて、合計が出ます。

  1. 照明+コンセント+小型機器で積み上げる
  2. 照明だけで決めると足りない
  3. 動力は別に集計する

住宅は照明・コンセント・200Vのエアコンや IHまで、ほぼ全部が電灯で、電気の契約も電灯だけです。店舗や事務所は、電灯と動力の両方を使い、契約も分かれます。

住宅とビル

住宅と、店舗・事務所の電気の使い分けが光ります。

  1. 住宅は電灯だけ
  2. 店舗・事務所は電灯と動力
  3. 契約も電灯と動力で別

電気料金のメニューの選び方は電気料金プランの選び方、200Vのエアコンや IHの電源はエアコン・IHの電源とはで解説しています。

ここまでのポイント
  • 容量は照明+コンセント+小型機器
  • 住宅はほぼ全部が電灯
  • ビルは電灯と動力で契約も別

読み違えやすいところ

よくある読み違い

  1. 電灯=照明だけと思う:コンセントや小型機器も電灯です。
  2. エアコンは全部動力と思う:ルームエアコンは単相なので電灯です。
  3. 200Vなら動力と思う:住宅の200Vは単相の電灯です。
  4. 照明だけで電灯の容量を決める:コンセントと小型機器を足します。
  5. L-1とP-1を同じ盤の番号と思う:Lは電灯、Pは動力の別の盤です。

動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、電灯と動力のきほんを動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。

動く図解のジャンル一覧を見る →

よくある質問

電灯設備とは何ですか?

照明だけでなく、コンセントやルームエアコン、換気扇などの小型機器まで含めた、単相の電気で人が使う設備のことです。電灯分電盤から分岐回路を通って、部屋の照明やコンセントへ電気を送ります。

なぜ照明以外も「電灯」と呼ぶのですか?

電気が使われ始めたころ、電気の主な使い道が明かり(電灯)だったことの名残です。いまも、人が使う単相の電気をまとめて電灯と呼び、電気料金のメニューにも「従量電灯」のような名前が残っています。

電灯と動力の違いは?

電灯は単相で、人がスイッチを入れて使う照明・コンセント・小型機器です。動力は三相で、空調・ポンプ・エレベーターのように機械が回し続けるものです。変圧器・幹線・盤・契約も別になります。

エアコンは電灯ですか、動力ですか?

電源で決まります。家庭用のルームエアコンは単相100Vや200Vなので電灯、ビルのパッケージ空調は三相200Vなので動力です。名前ではなく、銘板や仕様書の電源の欄で判断します。

電灯分電盤の「L-1」とは?

LはLight(電灯)の頭文字で、電灯分電盤の名前です。動力盤はPower(動力)のPを付けてP-1のように呼びます。

住宅に動力はありますか?

ふつうの住宅は、照明・コンセント・200Vのエアコンや IHまで、ほぼ全部が単相3線式の電灯です。三相の動力の契約は、店舗や事務所、工場などで使います。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。