【プロット図の見方⑳】矢印の先のルート ― 盤まで省略された配線は、通れる道でルートを想定し、回路ごとに盤まで長さを測る
プロット図の配線は、部屋の中では器具どうしを線でつないでいても、最後は矢印と「1-3」のような番号で終わっていることがほとんどです。矢印の先にあるはずの分電盤まで、線は描かれていません。手紙の宛先だけ書いてあって、郵便屋さんが通る道は書いていないようなものです。拾い出しでは、この描かれていない道(ルート)を自分で想定して、長さを足します。第20回は、その想定の仕方を見ていきます。
結論
矢印は「ここから先は盤へ」。ルートは廊下や天井の中の通れる道で想定して図面に描き、重なっていても回路ごとに盤まで長さを測って拾います。
- 直線で測ると壁を突き抜けて短くなる
- ラックや幹線ルートがあれば経由する
- 重なっても回路ごとに1本ずつ測る
- 盤への立下りも忘れずに足す
矢印は「ここから先は盤へ」
盤までの線を全部描くと、廊下が線で埋まって読めなくなります。そこでプロット図では、配線の先に矢印と回路番号を書いて、盤までの線を省略するのが一般的です。
| 図面の書き方 | 意味 | 拾うときにすること |
|---|---|---|
| 配線の先の矢印 | ここから先は分電盤へ向かう | 盤までのルートを想定する |
| 矢印の横の番号(例:1-3) | どの盤のどの回路か | 盤の位置と回路を盤表で確かめる |
| 部屋の中の線 | 器具どうしのつなぎ | 描かれた部分として拾う(第14回) |
- 矢印は盤へ向かう印
- 番号で盤と回路を知る
- 途中の線は省略されている
ルートは「通れる道」で想定する
矢印から盤まで、定規でまっすぐ測ってはいけません。壁や部屋を突き抜けてしまい、長さが足りなくなります。
| 想定のしかた | 理由 |
|---|---|
| 廊下や天井の中を通る | 配線は部屋の中を斜めに横切れない |
| 直角に曲がる道で測る | 実際の配線は壁や梁に沿って曲がる |
| ケーブルラック・幹線ルートがあれば経由する | 多くの配線はまとめて通る(第15回) |
| 想定したルートを図面に描き込む | 色鉛筆で描けば、あとから根拠を確かめられる |
- 直線で測らない
- 廊下・天井の中を直角に
- 想定ルートを図面に描く
重なっても、回路ごとに盤まで測る
いくつもの部屋から出た矢印は、廊下で合流して同じ道を盤へ向かいます。線が重なって見えても、回路ごとに1本ずつ、矢印から盤まで長さを測ります。
| 回路 | 矢印から盤までの想定ルート | 長さ |
|---|---|---|
| 1-1(室A) | 室A → 廊下 → 盤 | 12.0m |
| 1-2(室B) | 室B → 廊下 → 盤 | 8.0m |
| 1-3(室C) | 室C → 廊下 → 盤 | 4.0m |
- 重なっても1本ずつ
- 矢印から盤まで回路ごとに測る
- 回路ごとに色を変えて塗る
回路ごとに「室→廊下+廊下+盤の立下り」
回路ごとに「部屋から廊下まで」「廊下」「盤への立下り」を足すと、こうなります。
| 回路 | 室→廊下 | 廊下 | 盤の立下り | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1-1(室A) | 2.0m | 10.0m | 0.7m | 12.7m |
| 1-2(室B) | 2.0m | 6.0m | 0.7m | 8.7m |
| 1-3(室C) | 2.0m | 2.0m | 0.7m | 4.7m |
| 合計 | 6.0m | 18.0m | 2.1m | 26.1m |
- 回路ごとに3つを足す
- 盤の立下りを忘れない
- 室内の配線は別に拾う
間違えやすいところ
⚠️ よくある拾いミス
- 矢印で配線が終わると思う:矢印の先から盤までが丸ごと抜けます。
- 直線で測る:壁を突き抜けて、長さが足りなくなります。
- 重なった線を1回路分しか測らない:同じ廊下を通る回路も、1本ずつ盤まで測ります。
- 盤を取り違える:番号の頭(盤の番号)で行き先の盤を確かめます。
- 盤への立下りを忘れる:天井から盤の上端までを足します。
- 矢印の先を必ず足す
- 通れる道で想定
- 回路ごとに盤まで測る
よくある質問
配線の先の矢印は何を表しますか?
「ここから先は分電盤へ向かう」という意味です。盤までの線を描くと図面が線だらけになるので、途中を省略して矢印と回路番号だけを書きます。
矢印の横の「1-3」などは何ですか?
回路番号です。どの盤のどの回路かを表します(例:盤1の3番の回路)。書き方は図面ごとに違うので、凡例と盤の図面(盤表)で確かめます。
省略されたルートの長さはどう出しますか?
矢印の位置から盤まで、廊下や天井の中を通る道を想定して図面に描き込み、その長さを測ります。直線で測ると壁や部屋を突き抜けてしまうので、直角に曲がる実際の道で測ります。
ケーブルラックがあるときは?
ラックがあれば、ラックを通るルートで想定するのが基本です。ケーブルの長さは、ラックを通る道で回路ごとに盤まで測ります。
いくつもの回路が同じ廊下を通るときは?
重なっていても、回路ごとに1本ずつ、矢印から盤まで長さを測ります。区間に分けて条数で計算するより、回路ごとの長さがそのまま拾え、測り漏れも見つけやすくなります。
ルートの想定は人によって変わりませんか?
変わりやすいので、会社の基準(ルートの取り方、盤への立下り、余長)を先にそろえます。会社によっては、直線距離に決まった係数を掛ける方法をとることもあります。
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