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プロット図の見方 第20回連載の一覧 ›

プロット図の配線は、部屋の中では器具どうしを線でつないでいても、最後は矢印と「1-3」のような番号で終わっていることがほとんどです。矢印の先にあるはずの分電盤まで、線は描かれていません。手紙の宛先だけ書いてあって、郵便屋さんが通る道は書いていないようなものです。拾い出しでは、この描かれていない道(ルート)を自分で想定して、長さを足します。第20回は、その想定の仕方を見ていきます。

結論

矢印は「ここから先は盤へ」。ルートは廊下や天井の中の通れる道で想定して図面に描き、重なっていても回路ごとに盤まで長さを測って拾います。

  • 直線で測ると壁を突き抜けて短くなる
  • ラックや幹線ルートがあれば経由する
  • 重なっても回路ごとに1本ずつ測る
  • 盤への立下りも忘れずに足す
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。
プロット図で矢印と回路番号で省略された盤までの配線を、廊下や天井の中の通れる道で想定し、回路ごとに盤まで長さを測って集計する手順を示す動く図解
約50秒でくり返します。矢印の意味から、ルートの想定、回路ごとに盤まで測る方法、集計の順に見ます。

矢印は「ここから先は盤へ」

盤までの線を全部描くと、廊下が線で埋まって読めなくなります。そこでプロット図では、配線の先に矢印と回路番号を書いて、盤までの線を省略するのが一般的です。

図面の書き方 意味 拾うときにすること
配線の先の矢印 ここから先は分電盤へ向かう 盤までのルートを想定する
矢印の横の番号(例:1-3) どの盤のどの回路か 盤の位置と回路を盤表で確かめる
部屋の中の線 器具どうしのつなぎ 描かれた部分として拾う(第14回)
回路番号の書き方は図面ごとに違います。凡例と盤の図面で確かめます。盤の記号は第9回で扱っています。
ここまでのポイント
  • 矢印は盤へ向かう印
  • 番号で盤と回路を知る
  • 途中の線は省略されている

ルートは「通れる道」で想定する

矢印から盤まで、定規でまっすぐ測ってはいけません。壁や部屋を突き抜けてしまい、長さが足りなくなります。

想定のしかた 理由
廊下や天井の中を通る 配線は部屋の中を斜めに横切れない
直角に曲がる道で測る 実際の配線は壁や梁に沿って曲がる
ケーブルラック・幹線ルートがあれば経由する 多くの配線はまとめて通る(第15回)
想定したルートを図面に描き込む 色鉛筆で描けば、あとから根拠を確かめられる
図解の例では、直線12mに対して想定ルートは16mです。
読み方のコツ:ルートの取り方は人によって変わりやすいところです。会社によっては、直線距離に決まった係数を掛ける方法をとることもあります。拾いはじめる前に、ルートの取り方と盤への立下り、余長の見込み方を基準でそろえます。
ここまでのポイント
  • 直線で測らない
  • 廊下・天井の中を直角に
  • 想定ルートを図面に描く

重なっても、回路ごとに盤まで測る

いくつもの部屋から出た矢印は、廊下で合流して同じ道を盤へ向かいます。線が重なって見えても、回路ごとに1本ずつ、矢印から盤まで長さを測ります。

回路 矢印から盤までの想定ルート 長さ
1-1(室A) 室A → 廊下 → 盤 12.0m
1-2(室B) 室B → 廊下 → 盤 8.0m
1-3(室C) 室C → 廊下 → 盤 4.0m
重なった区間を「区間×条数」で束ねて計算する必要はありません。回路ごとの長さがそのまま拾え、1回路ずつ色を変えて塗れば、測り漏れも見つけやすくなります。
読み方のコツ:1本の管やラックに何条入るかは、管の太さやラックの幅を決めるときに確かめます(第16回)。ケーブルの長さは、あくまで回路ごとに盤まで測った長さで拾います。
ここまでのポイント
  • 重なっても1本ずつ
  • 矢印から盤まで回路ごとに測る
  • 回路ごとに色を変えて塗る


回路ごとに「室→廊下+廊下+盤の立下り」

回路ごとに「部屋から廊下まで」「廊下」「盤への立下り」を足すと、こうなります。

回路 室→廊下 廊下 盤の立下り 合計
1-1(室A) 2.0m 10.0m 0.7m 12.7m
1-2(室B) 2.0m 6.0m 0.7m 8.7m
1-3(室C) 2.0m 2.0m 0.7m 4.7m
合計 6.0m 18.0m 2.1m 26.1m
長さはすべて架空の例です。室内の器具どうしの配線は、描かれた部分として別に拾います。
ここまでのポイント
  • 回路ごとに3つを足す
  • 盤の立下りを忘れない
  • 室内の配線は別に拾う

間違えやすいところ

⚠️ よくある拾いミス

  1. 矢印で配線が終わると思う:矢印の先から盤までが丸ごと抜けます。
  2. 直線で測る:壁を突き抜けて、長さが足りなくなります。
  3. 重なった線を1回路分しか測らない:同じ廊下を通る回路も、1本ずつ盤まで測ります。
  4. 盤を取り違える:番号の頭(盤の番号)で行き先の盤を確かめます。
  5. 盤への立下りを忘れる:天井から盤の上端までを足します。

露出配管のプルボックスの拾い方は第19回で扱っています。

ここまでのポイント
  • 矢印の先を必ず足す
  • 通れる道で想定
  • 回路ごとに盤まで測る

よくある質問

配線の先の矢印は何を表しますか?

「ここから先は分電盤へ向かう」という意味です。盤までの線を描くと図面が線だらけになるので、途中を省略して矢印と回路番号だけを書きます。

矢印の横の「1-3」などは何ですか?

回路番号です。どの盤のどの回路かを表します(例:盤1の3番の回路)。書き方は図面ごとに違うので、凡例と盤の図面(盤表)で確かめます。

省略されたルートの長さはどう出しますか?

矢印の位置から盤まで、廊下や天井の中を通る道を想定して図面に描き込み、その長さを測ります。直線で測ると壁や部屋を突き抜けてしまうので、直角に曲がる実際の道で測ります。

ケーブルラックがあるときは?

ラックがあれば、ラックを通るルートで想定するのが基本です。ケーブルの長さは、ラックを通る道で回路ごとに盤まで測ります。

いくつもの回路が同じ廊下を通るときは?

重なっていても、回路ごとに1本ずつ、矢印から盤まで長さを測ります。区間に分けて条数で計算するより、回路ごとの長さがそのまま拾え、測り漏れも見つけやすくなります。

ルートの想定は人によって変わりませんか?

変わりやすいので、会社の基準(ルートの取り方、盤への立下り、余長)を先にそろえます。会社によっては、直線距離に決まった係数を掛ける方法をとることもあります。

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ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。