技術図書館判断の軸は電圧でなく、だれが触れるか原則は囲い・絶縁・隔離で露出させない。例外は管理された場所と特定の機器に限られ、安全管理が前提この資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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分電盤の扉を開けると、ずらりと並んだ端子やブレーカーの金具が見えます。あの金属部分に電気が来ていたら、うっかり触れただけで感電します。だから内線規程は、電気が来ている充電部分を露出させないことを原則にしています。この記事では、充電部分とはどこか、どう守るか、そして出しておいてよい例外はどんな場合かを、図で順に確かめます。

①充電部分は電気が来ていて触ると感電する所、②囲う・絶縁する・離すの3つで守る、③例外は取扱者しか入れない場所など。決め手は「だれが触れるか」です。
この記事でわかること
気になるものを選べば、その項目へ飛べます。全部を読まなくても、必要なところだけで解決します。

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充電部分とは ― 触ると感電する金属部分

コンセントの刃受け、端子台の金具、裸の電線、開閉器の刃など、電気が来ている金属部分が充電部分です。

充電部分とは、電気が来ていて、人の体や工具が触れると感電するおそれのある部分です。ふだんはカバーや被覆に隠れていて、外から見えません。

たとえるなら
充電部分は、動物園のライオンのようなものです。
ライオンがいること自体は問題ではありません。危ないのは、柵がなくて人がすぐそばまで行けてしまうことです。充電部分も、電気が来ていること自体ではなく、人が触れられる状態になっていることが危険なのです。
ここまでのポイント
  • 充電部分=電気が来ていて、触ると感電する部分
  • 端子台・ブレーカー端子・コンセントの刃受け・裸の電線・開閉器の刃など
  • 原則は、見えない・触れない状態にする

守り方の3つ ― 囲う・絶縁する・離す

カバーで囲う、電気を通さない材料で包む、手の届かない所に離す。どれも、指や工具が充電部分に届かないようにするための方法です。
守り方 やること 例
囲う カバー・箱・扉で覆う 盤の扉、端子カバー、コンセントのプレート
絶縁する 電気を通さない材料で包む 電線の被覆、絶縁テープ、絶縁キャップ
離す 手の届かない所に置く 高い位置、柵の向こう
電気機械器具も配線器具(コンセント・スイッチなど)も、充電部分が露出しないように施設するのが原則です。
ひっかけ注意
「低い電圧だから、少しくらい出ていても平気」ではありません。
100Vでも、濡れた手や体の状態しだいで重い感電事故になります。判断の決め手は電圧の高さではなく、だれかが触れるおそれがあるかです。
ここまでのポイント
  • 囲う・絶縁する・離すの3つで守る
  • 目的は、指や工具を充電部分に届かせないこと
  • 電圧が低くても、触れるおそれがあれば守る


露出してよい例外 ― 決め手は「だれが触れるか」

取扱者以外が出入りできないよう管理された場所で、ほかの人が触れるおそれもなければ、例外として露出できる場合があります。

原則には例外があります。代表的なのは、取扱者(電気の知識をもつ人)以外が出入りできないように措置した場所に施設する場合です。電気室や変電室のように、施錠などで人の出入りを管理している場所が当たります。

また、電気炉や電解槽のように、構造上どうしても充電部分が露出してしまう機器は、それぞれの規定で安全の確保のしかたが決められています。

ひっかけ注意
「鍵のかかる部屋だから、何でも出しておいてよい」ではありません。
管理された場所でも、清掃の人や点検の協力会社など、電気の取扱者でない人が入ることがあります。実際にだれが近づくのかまで考え、触れるおそれがあれば囲いや絶縁で守ります。
ひとことで言うと:「充電部分は原則、見せない・触らせない。例外かどうかは、電圧でなく“だれが触れるか”で決める」。
ここまでのポイント
  • 例外は、取扱者以外が出入りできないよう管理された場所など
  • 構造上露出する機器は、個別の規定で安全を確保する
  • 管理された場所でも、触れるおそれがあれば守る

よくある質問

「充電部分」とは具体的にどこのこと?

電気が来ていて触れると感電するおそれのある部分です。コンセントの刃受け、端子台やブレーカーの端子、裸の電線、開閉器の刃などが当たります。

充電部分はどうやって守るの?

囲う(カバー・箱・扉)、絶縁する(被覆・絶縁テープ・キャップ)、離す(手の届かない所に置く)の3つです。

露出させてよい例外はある?

取扱者以外が出入りできないよう措置した場所に施設する場合などです。電気炉など構造上露出する機器は、個別の規定で安全を確保します。

例外の場所なら何でも露出してよいの?

いいえ。管理された場所でも、取扱者でない人が近づくおそれがあれば、囲いや絶縁で守ります。決め手は「だれが触れるか」です。


まとめ ― 取り違えやすいところ

取り違えやすいところ 正しくは
充電部分は裸の電線だけ 端子台・端子・刃受けなども含む
電圧が低ければ出してよい 決め手は「だれが触れるか」
施錠すれば何でも出してよい 触れるおそれがあれば守る
例外に当たれば保護は不要 実際に近づく人まで考える
「触れる人を想像する」。これで判断を誤りません。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

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ハリタ

この記事を書いた人:ハリタ

電気設備設計の実務者。引込・高圧受変電・幹線・接地を「設計者の視点」で解説しています。プロフィール詳細

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。