◀ 防火対象物別 非常電源まとめ 消防法施行令別表第一 (16の2)項(地下街)に必要な消防用設備等について、非常電源として使用できる種類を早見表で解説します。まず下の早見表で「どの消防用設備に、どの非常電源が使えるか」をご確認ください。

地下街に必要な非常電源の早見表

消防用設備等 自家発電設備 蓄電池設備 非常電源専用受電設備
屋内消火栓設備
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備
屋外消火栓設備
排煙設備
連結送水管
非常コンセント設備
不活性ガス消火設備
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
自動火災報知設備
非常警報設備
ガス漏れ火災警報設備
誘導灯設備
火災通報装置
非常電話
無線通信補助設備

=適用できる / 延べ面積1,000㎡未満に限り適用できる(1,000㎡以上は不可) / —=該当しない

※ 動力を要する消火設備・排煙設備などは自家発電設備・蓄電池設備を非常電源とし、延べ面積1,000㎡未満に限り非常電源専用受電設備も使用できます。自動火災報知設備・誘導灯・非常警報設備などは機器内蔵の蓄電池(内部予備電源)を非常電源とします。詳細は建築消防advice等でご確認ください。

地下街に必要な消防用設備等の設置基準

地下街の通路部
🚪💡
避難口・通路誘導灯/非常警報設備
地下街の店舗部
🧯🚨
消火器具・屋内消火栓設備・自動火災報知設備
駐車場・変電設備部
💧⚡
水噴霧消火設備等・不活性ガス消火設備等
防災センター
🖥️📢
総合操作盤・消防用設備等の集中管理
① 建物用途区分の確認 → 消防法施行令 別表第一 (十六の二)項「地下街」に該当(イ・ロの区分なし)
延べ面積1,000㎡以上
→ スプリンクラー設備・ガス漏れ火災警報設備等の設置義務が発生
延べ面積1,000㎡未満
→ 一部設備は緩和・対象外
② 駐車の用に供する部分の有無を確認 → 水噴霧消火設備等・自動火災報知設備の対象範囲に影響
③ 主要構造部(耐火構造か等)及び内装制限の有無を確認 → 屋内消火栓設備の設置基準面積(450㎡)に影響
④ 下記の設備別セクションの早見表で個別にご確認ください
🧯消火設備等
🚨警報設備等
🚪避難設備・誘導灯
🧯

消火設備等

火を消す・抑える設備。地下街は原則として消火器具等の設置対象となり、床面積や部分の用途で追加設備の要否が変わります。

POINT屋内消火栓設備は延べ面積450㎡以上、スプリンクラー設備は1,000㎡以上で設置義務が生じます。
🏛️用途区分(十六の二)項
📐床面積・部分の用途で判定
🧯消火設備の要否が決定
消火器具地下街は用途・規模を問わず全部の部分に設置義務があります。
屋内消火栓設備延べ面積450㎡以上で、主要構造部を耐火構造とし内装を制限した建築物が対象。スプリンクラー設備等を基準通り設置した有効範囲部分は設置を省略できます。
スプリンクラー設備地下街の部分の床面積が1,000㎡以上で設置義務。水噴霧消火設備等を基準通り設置した有効範囲部分は省略できます。
水噴霧消火設備等駐車の用に供する部分(床面積200㎡以上)、発電機・変圧器等の設置部分(床面積200㎡以上)、通信機器室(床面積500㎡以上)などに設置。
不活性ガス消火設備等特別高圧の受変電設備がある場所、全出力1,000kW以上の発電・変電設備がある場所などに設置。
大型消火器指定可燃物を危険物規制政令別表第四で定める数量の500倍以上貯蔵・取り扱う部分に設置。
POINT自動火災報知設備は延べ面積300㎡以上、ガス漏れ火災警報設備は1,000㎡以上が主な分岐ラインです。
🏛️用途区分(十六の二)項
📐床面積等で判定
🚨警報設備の要否が決定
自動火災報知設備延べ面積300㎡以上で設置義務。駐車の用に供する部分がある階は、床面積200㎡以上の階も対象になります。
ガス漏れ火災警報設備延べ面積1,000㎡以上で設置義務。温泉採取設備等がある部分やLPガス使用場所は面積によらず設置対象になる場合があります。
漏電火災警報器延べ面積300㎡以上で、鉄網入りの床・壁・天井のいずれかがある場合に設置義務。壁・床・天井を準不燃材料とした場合は設置を省略できます。
非常警報設備地下街は全部の部分に設置義務。非常放送設備とし、起動装置は非常電話とします。
消防機関へ通報する火災報知設備原則全ての地下街に設置義務がありますが、消防機関から著しく近い場所(歩行距離500m以内)にある場合や、常時通報できる電話が設けられている場合は設置を省略できます。
🚪

避難設備・誘導灯

逃げ道を確保・案内する設備。地下街は地上への出口が限られるため、階ごとに幅広く誘導灯の設置が求められます。

POINT避難口・通路誘導灯は全部の階が対象。延べ面積50,000㎡以上では長時間定格型誘導灯が必要です。
🏛️用途区分(十六の二)項
🚪避難口・通路の区分を確認
💡誘導灯の種類・等級が決定
避難口誘導灯・通路誘導灯地下街は全部の階が設置対象。避難口・通路の区分に応じてA級・B級・C級を選定します。
誘導標識地下街は全部の階が設置対象。避難口誘導灯・通路誘導灯の有効範囲内の部分は設置を省略できます。
客席誘導灯(一)項(劇場等)の用途部分に設置義務があります。
長時間定格型誘導灯延べ面積50,000㎡以上の地下街で、主要な避難経路に設置します。

よくある質問(FAQ)

Q.(16の2)項とは、どのような防火対象物ですか? A.地下街が該当し、特定防火対象物に区分されます。 Q.非常電源専用受電設備はどこまで適用できますか? A.延べ面積1,000㎡未満では適用可能ですが、1,000㎡以上では適用できません。地下街では規模が大きくなると専用受電設備が使えない点に注意が必要です。 Q.自家発電設備や蓄電池設備は適用できますか? A.自家発電設備又は燃料電池設備は1,000㎡未満/以上を問わず適用可能です。蓄電池設備は自動火災報知設備や誘導灯などに内部予備電源として適用されます。 Q.蓄電池設備の「内部予備電源(バッテリー)」とは何ですか? A.自動火災報知設備などに内蔵されるバッテリーを指し、機器に内蔵されたバッテリーも蓄電池設備に含まれます。 📋 全用途の一覧(防火対象物別の早見表)を見る

根拠:消防法施行令 別表第一および消防法施行令・施行規則の規定をもとに作成。実際の適用は所轄消防本部の指導により異なる場合があります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。