技術図書館屋内の電線路は準拠先と禁止場所で見る低圧は屋内配線に準じるが除かれる工事が3つある。そのうえで置いてはいけない場所を押さえるこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
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出典:電気設備の技術基準の解釈 第132条・第145条・第156条〜第169条・第175条〜第178条・解釈の解説

屋内に施設する電線路は、建物の中を通して施設する電線路です。施設できるのは1構内等の電線路などの場合に限られます。押さえるポイントは 「施設できる場合と低圧/高圧・特別高圧/施設できない場所と住宅」 の3つです。

建物の中を通る電線路 1構内等の電線路などの場合に限ります。
低圧は、屋内配線の工事 3つの工事は除きます。
高圧は第168条、特別高圧は第169条 屋内配線の規定に準じます。
第175〜178条の場所には施設しない 粉じん・ガス・危険物・火薬庫。
ペン太ペン太
屋内に電線路を通すとき、どこでも自由に施工できるんですか?
ハリタハリタ
施設できるのは1構内等の電線路などに限られるんだ。低圧は低圧屋内配線の工事に準じる(3つの工事は除く)、高圧は高圧屋内配線に準じる。粉じんや可燃性ガス、危険物、火薬庫の場所には施設できないよ。

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ペン太ペン太
屋内の電線路って、低圧屋内配線と同じルールで全部いけるんですよね?
ハリタハリタ
準じますが例外があります。金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層の工事は除かれるんです。

この記事で押さえる3つのこと

  • 低圧は低圧屋内配線の工事に準じる。金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層の工事は除く。
  • 高圧は第168条第1項、特別高圧は第169条第1項の屋内配線の規定に準じる。
  • 第175条〜第178条の場所(粉じん・可燃性ガス等・危険物等・火薬庫)には施設しない。
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電気設備の技術基準の解釈 第132条にそって、屋内に施設する電線路のルールを4つの視点で整理します。
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① 施設できる場合と低圧

1構内等の電線路として 同じ基礎の上の建物や、一体の建物も含む。
1構内等専用の電線路の部分 その1構内等に施設する部分です。
屋外の複数の電線路から送受電 第132条第1項第三号です。
第175〜178条の場所は除く 粉じん・ガス・危険物・火薬庫。
  • 施設できるのは、1構内等に施設する電線路の全部又は一部として施設する場合、1構内等専用の電線路のその構内等の部分、屋外の複数の電線路から送受電する場合(解釈第132条第1項)
  • 1構内等には、同一基礎構造物とこれに構築された複数の建物や、構造的に一体化した1つの建物も含まれる
  • しかも、第175条から第178条までの場所(粉じんの多い場所、可燃性ガス等・危険物等の存在する場所、火薬庫)以外に限る
たとえるなら
施設できる場合の決まりは、家の中の延長コードのようなもの
延長コードは、自分の家の中で部屋から部屋へ引き回すのはふつうですよね。でも、ほこりの舞う作業場や、燃えやすいものを置く倉庫には持ち込みません。屋内に施設する電線路も、1構内等の電線路などの場合に限り、粉じん・可燃性ガス・危険物・火薬庫の場所には施設しません。
ここに注意!
「屋内なら、どこでも施設できる」ではありません。
施設できるのは、1構内等の電線路として施設する場合、1構内等専用の電線路の部分、屋外の複数の電線路から送受電する場合のいずれかです。しかも、第175条から第178条までに規定する場所以外に限られます(解釈第132条第1項)。
低圧屋内配線の工事に準じる 第156条〜第165条の工事などです。
3つの工事は、除く 金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層。
接近・交差は、第167条 弱電流電線・水管・ガス管などと。
第145条・第148条にも準じる メタルラス張り等と、低圧幹線の規定です。
  • 低圧屋内配線の工事に準じて施設する。準じるのは第145条第1項・第2項、第148条、第156条、第157条〜第160条、第162条〜第164条、第165条第1項・第2項(解釈第132条第2項第一号イ)
  • ただし金属線ぴ工事・ライティングダクト工事・平形保護層工事に係る部分は除く
  • 他の低圧電線路の電線、低圧屋内配線、弱電流電線等、水管・ガス管などと接近・交差するときは、第167条に準じる
ここに注意!
「低圧は、屋内配線の工事なら何でもよい」ではありません。
第156条のうち、金属線ぴ工事、ライティングダクト工事、平形保護層工事に係る部分は準用から除かれています(解釈第132条第2項第一号イ)。
ここまでのポイント
  • 施設できるのは1構内等の電線路など。低圧は低圧屋内配線の工事に準じる。
  • ただし金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層の工事は除く。
  • 接近・交差は第167条に準じる。施設できない場所もある。


② 高圧・特別高圧

高圧は、第168条第1項 がいし引き(乾燥・展開)かケーブル工事など。
特別高圧は、第169条第1項 100,000V以下で、ケーブルを防護装置に。
専用の耐火の場所なら別 電線路専用で、堅ろう・耐火の構造物。
接近・交差も、それぞれの条文 高圧は第168条第2項、特高は第169条第2項。
  • 高圧は、第145条と第168条第1項(高圧屋内配線)に準じて施設する。がいし引き工事(乾燥した場所であって展開した場所に限る)か、ケーブル工事など
  • 特別高圧は、第145条と第169条第1項(特別高圧屋内配線)に準じる。使用電圧100,000V以下、電線はケーブルで、堅ろうな管などの防護装置に収める
  • ケーブルを、電線路専用の堅ろうで耐火性の構造物に仕切られた場所に施設するときは、第一号〜第三号によらないことができる(第132条第2項第四号)
  • 地中電線と地中弱電流電線等を屋内に直接引き込むときは、引込口付近に限り、第125条(第1項を除く)に準じた離隔でよい
たとえるなら
準じる規定は、自転車・バイク・車で変わる交通ルールのようなもの
同じ道を走っても、自転車とバイクと車では守るルールが違いますよね。屋内の電線路も、低圧なら低圧屋内配線の工事、高圧なら第168条の高圧屋内配線、特別高圧なら第169条の特別高圧屋内配線に準じます。
ここに注意!
「接近・交差は、気にしなくてよい」ではありません。
低圧は、弱電流電線等や水管・ガス管などと接近・交差するとき、第167条に準じます。高圧は第168条第2項、特別高圧は第169条第2項に準じます(解釈第132条第2項)。
ここに注意!
「特別高圧は、屋内に施設できない」ではありません。
特別高圧の屋内電線路も、第145条と第169条第1項に準じて施設できます。特別高圧屋内配線の規定に準じるので、使用電圧100,000V以下、電線はケーブルで、堅ろうな管などの防護装置に収めます。
ペン太ペン太
施設できない場所って、どんなところですか?
ハリタハリタ
解釈では、粉じんの多い場所、可燃性ガス等や危険物等の存在する場所、火薬庫です。第175条から第178条の場所ですね。
電圧 準じる規定 接近・交差
低圧 第145条第1項・第2項、第148条、第156条(金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層を除く)、第157条〜第160条、第162条〜第164条、第165条第1項・第2項 第167条
高圧 第145条第1項・第2項、第168条第1項 第168条第2項
特別高圧 第145条第1項・第2項、第169条第1項 第169条第2項
ここまでのポイント
  • 高圧は第145条と第168条第1項に準じる。
  • 特別高圧は第145条と第169条第1項に準じる。
  • 専用の耐火の場所にケーブルを施設するなら、別の扱い。


③ 施設できない場所と住宅

対地電圧は、300V以下 住宅の屋内に施設する電線路の決まり。
工事は、3つのどれか 合成樹脂管・金属管・ケーブル工事。
人が触れない隠ぺい場所に 第132条第3項第三号です。
3つすべてを満たす 電圧・工事・場所をそろえます。
  • 施設できないのは、第175条から第178条までに規定する場所(解釈第132条第1項)
  • 粉じんの多い場所(第175条)、可燃性ガス等の存在する場所(第176条)、危険物等の存在する場所(第177条)、火薬庫(第178条)
  • 住宅の屋内に施設するときは、対地電圧300V以下、合成樹脂管工事・金属管工事・ケーブル工事のいずれか、人が触れるおそれがない隠ぺい場所(第132条第3項)
たとえるなら
住宅の決まりは、家の壁の中を通る水道管のようなもの
家の水道管は、壁や床の中に隠して通しますよね。住宅の屋内に施設する電線路も、対地電圧300V以下で、合成樹脂管・金属管・ケーブル工事のどれかを使い、人が触れるおそれがない隠ぺい場所に施設します。
ここに注意!
「施設できないのは、腐食性ガス・水気・興行場」ではありません。
解釈第132条で施設できない場所としているのは、第175条から第178条までの場所、つまり粉じんの多い場所、可燃性ガス等の存在する場所、危険物等の存在する場所、火薬庫です。
ここに注意!
「住宅でも、ふつうの屋内電線路と同じ」ではありません。
住宅の屋内に施設する電線路は、対地電圧300V以下、合成樹脂管工事・金属管工事・ケーブル工事のいずれか、人が触れるおそれがない隠ぺい場所、の3つを満たします(解釈第132条第3項)。
取り違えやすいところ 正しくは
屋内ならどこでも施設できる 1構内等の電線路などの場合で、第175条〜第178条の場所以外
施設できないのは腐食性ガス・水気・興行場 解釈では、粉じん・可燃性ガス等・危険物等・火薬庫の場所
低圧は屋内配線の工事なら何でもよい 金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層の工事は除く
接近・交差は気にしなくてよい 低圧は第167条、高圧は第168条第2項、特別高圧は第169条第2項
特別高圧は屋内に施設できない 第169条第1項に準じて施設できる(100,000V以下・ケーブル)
住宅でもふつうと同じ 対地電圧300V以下・3つの工事・隠ぺい場所
ここまでのポイント
  • 第175条〜第178条の場所には施設しない。
  • 粉じん・可燃性ガス等・危険物等・火薬庫の場所。
  • 住宅は300V以下・3つの工事・隠ぺい場所。


よくある質問(FAQ)

Q1. 低圧はどう施設する? 低圧屋内配線の工事に準じ、3つの工事は除く。
Q2. 高圧はどう施設する? 第168条第1項に準じる。特別高圧は第169条。
Q3. 施設できない場所は? 第175条〜第178条の場所です。
Q4. 住宅の屋内では? 300V以下・3つの工事・隠ぺい場所。

Q. 屋内に施設する低圧電線路はどう施設する?

A. 低圧屋内配線の工事(第156条〜第165条など)に準じて施設します。ただし、金属線ぴ工事・ライティングダクト工事・平形保護層工事に係る部分は除きます。弱電流電線等や水管・ガス管などと接近・交差するときは第167条に準じます(解釈第132条第2項第一号)。

Q. 高圧の屋内電線路はどう施設する?

A. 第145条第1項・第2項と、第168条第1項(高圧屋内配線)に準じて施設します。接近・交差するときは第168条第2項に準じます。特別高圧は第169条に準じます(解釈第132条第2項)。

Q. 屋内電線路を施設してはいけない場所は?

A. 解釈第132条では、第175条から第178条までに規定する場所、つまり粉じんの多い場所、可燃性ガス等の存在する場所、危険物等の存在する場所、火薬庫には施設できないとしています。

Q. 住宅の屋内に施設するときの決まりは?

A. 対地電圧を300V以下とし、合成樹脂管工事・金属管工事・ケーブル工事のいずれかで、人が触れるおそれがない隠ぺい場所に施設します(解釈第132条第3項)。

まとめ|施設できる場合と、電圧ごとの準用先

屋内に施設する電線路は、1構内等の電線路などに限り、第175条〜第178条の場所を避けて、低圧は低圧屋内配線、高圧・特別高圧はそれぞれの屋内配線の規定に準じることが基本です。

確認する項目 内容
施設できる場合 1構内等の電線路、1構内等専用の電線路の部分、屋外の複数の電線路から送受電(第132条第1項)
施設できない場所 第175条〜第178条の場所(粉じん・可燃性ガス等・危険物等・火薬庫)
低圧 低圧屋内配線の工事に準じる。金属線ぴ・ライティングダクト・平形保護層の工事は除く
高圧 第145条・第168条第1項に準じる
特別高圧 第145条・第169条第1項に準じる(100,000V以下・ケーブル)
接近・交差 低圧は第167条、高圧は第168条第2項、特別高圧は第169条第2項
専用の耐火の場所 ケーブルなら第一号〜第三号によらないことができる
住宅の屋内 対地電圧300V以下・合成樹脂管/金属管/ケーブル工事・隠ぺい場所

低圧で押さえること

  • 低圧屋内配線の工事に準じているか。
  • 除かれる3つの工事を使っていないか。
  • 接近・交差は第167条。

高圧で押さえること

  • 第168条第1項(高圧屋内配線)に準じているか。
  • 特別高圧は第169条第1項(100,000V以下・ケーブル)。

場所で押さえること

  • 1構内等の電線路などにあたるか。
  • 第175条〜第178条の場所でないか。
  • 住宅なら300V以下・3つの工事・隠ぺい場所。

屋内に施設する電線路は、独自の細かい数値を持たず「どの規定に準じるか」で組み立てられているのが特徴です。準用先を取り違えると全体がずれてしまうので、電圧ごとの準用先と、施設できない場所をまず確定させておくと確実です。

ペン太ペン太
高圧の屋内電線路が出てきたら、次はどこを見ればいいですか?
ハリタハリタ
高圧は第168条第1項(高圧屋内配線)に準じます。低圧との違いを条文で確認しながら進めれば大丈夫ですよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。