電気室からEPSを立ち上がる幹線をバスダクトで通す工事です。支持金物、ジョイントの締付けと相の確認、床の防火区画貫通、各階のプラグインボックス、受電前後の試験まで。ケーブル幹線と違う段取りを追います。 下の3Dで、工程を進めながら部材を1つずつ確かめてください。バスダクト 三相4線 600A(アルミ導体) EPS 2.0m × 1.6m 立て系(縦配線) 支持間隔 3m 以内(製品基準) スプリングハンガー プラグインボックス(各階分岐・ブレーカー付) 防火区画貫通(床)

この場面で追う施工手順

工程 1 / 6ルートと支持の計画
  1. メーカーの製作図で、各節の長さ・ジョイント位置・プラグインの位置を確かめる。現場寸法を測ってから製作に入る
  2. スラブの開口(床貫通)の位置と大きさを建築と合わせる。立て系は各階で支持し、熱伸縮を逃がす伸縮継手の位置を決める
  3. 搬入経路と揚重(1節 3m・数十kg〜100kg 超)を計画する
使う道具・材料:バスダクト製作図(メーカー)/建築図(EPS・スラブ開口)/レーザー墨出し器/スケール
確かめること スラブ開口が製作図の位置と合っているか(ずれると建たない)。
工程 2 / 6ハンガー・支持金物
  1. 各階の床または壁に支持金物を付ける。立て系はダクトの自重を各階のスプリングハンガーで分担して受ける
  2. 支持間隔は製品基準(3m 以内が多い)。ジョイントの近くに支持を入れる
  3. 下げ振りで通りを出し、全階の支持が一直線になるようにする
使う道具・材料:壁付けブラケット・形鋼/スプリングハンガー(立て系用)/アンカーボルト/水平器・下げ振り
確かめること スプリングハンガーの調整(荷重の分担)をしたか。
工程 3 / 6バスダクトの接続(ジョイント)
  1. 節を吊り上げて下から順に接続する。ジョイントの貫通ボルトを規定トルクで締める(締付け確認ヘッドがねじ切れる方式が多い)
  2. 相の並び(R・S・T・N)と接地導体(ハウジングまたは接地バー)の連続を確かめる
  3. 1節つなぐごとに絶縁抵抗を測る。あとから不良箇所を探すのは大変
使う道具・材料:トルクレンチ(締付け確認ヘッド)/ジョイントキット/絶縁抵抗計 1000V/相札
確かめること ボルトの確認ヘッドがすべて切れているか。相の並びが節ごとに合っているか。
工程 4 / 6防火区画貫通(床)
  1. 床スラブの貫通部は、バスダクト用の認定工法で耐火材を充填する。ダクトの内部にも防火仕切り(ファイヤーストップ節)が入る製品がある
  2. 床の開口まわりに立ち上がり(水返し)を作り、上階の水がダクトに伝わらないようにする
  3. 両面に表示ラベルを貼り、写真を記録する
使う道具・材料:区画貫通部材(認定工法)/耐火パテ・耐火ブロック/ダクト用の防火仕切り(内部)/立ち上がり(水返し)
確かめること ダクト内部の防火仕切りの位置が、スラブの位置と合っているか。
工程 5 / 6プラグインボックス(各階の分岐)
  1. 各階のプラグイン口(タップオフ口)にプラグインボックスを差し込み、確実にロックする。取付方向(上下)を間違えない
  2. プラグインボックスのブレーカー二次側から、各階の分電盤へ CV で配線する
  3. 使わないプラグイン口はカバーで閉じる
使う道具・材料:プラグインボックス(ブレーカー付)/接続ケーブル CV/端子・圧着工具/絶縁抵抗計
確かめること プラグインの差込みが奥まで入り、ロックがかかっているか(接触不良は発熱)。
工程 6 / 6試験・受電・温度確認
  1. 全線で絶縁抵抗を測る(相間・対地)。接地導体の連続も確かめる
  2. 受電後、相回転を確かめ、負荷をかけた状態でジョイントとプラグインの温度を赤外線で見る(異常発熱=接触不良)
  3. ジョイントのトルクマーク・確認ヘッドの状態を記録する。製品によっては増し締め不要
使う道具・材料:絶縁抵抗計 1000V/検相器/赤外線温度計(サーモカメラ)/試験成績書
確かめること 負荷運転後の温度にばらつき(特定のジョイントだけ熱い)がないか。

部材と寸法の目安

1
スラブ開口(床貫通)
製作図の位置に 区画貫通になる
バスダクトが床を貫通する穴です。建築の躯体工事で開けてもらうか、あと施工でコア抜きします。防火区画の貫通になるので処理が必要です。
現場で確かめること 開口の位置と大きさが製作図と合っているか。
2
支持金物(各階)
3m 以内 ジョイントの近くに
バスダクトの重さを受ける金物です。立て系では各階で受け、全体を一直線に通します。
現場で確かめること アンカーの耐力が製品の重さに合っているか。
3
スプリングハンガー(立て系)
荷重を各階で分担 熱伸縮を逃がす
ばねで荷重を受ける支持です。通電で温度が上がるとダクトが伸びるので、ばねで動きを吸収しながら各階で荷重を分担します。
現場で確かめること ばねの調整(荷重の分担)を製品基準どおりにしたか。
4
壁付けブラケット(振れ止め)
横方向の動きを止める
ダクトが横に振れないよう壁に留める金物です。縦の荷重はハンガーで、横の振れはブラケットで受けます。
現場で確かめること 地震時の振れに耐える固定か。
5
バスダクト本体(三相4線 600A)
1節 3m アルミ導体 ハウジングが接地導体
金属のケースに導体(アルミまたは銅)を収めた幹線です。ケーブルより大電流を小さい断面で流せ、各階で分岐できます。
現場で確かめること 節の向き(上下・相の並び)が製作図どおりか。
6
ジョイント(締付け確認ヘッド)
貫通ボルト 規定トルクでヘッドがねじ切れる
節と節の接続部です。1本の貫通ボルトで全相を一度に締める形式が多く、規定トルクに達すると確認ヘッドが切れて締付け完了が分かります。
現場で確かめること 確認ヘッドが切れているか。切れていない=締め不足。
7
相の確認(R・S・T・N)
節ごとに並びを確認
ダクトの中の導体の並びです。節をつなぐとき、相の並びが合っていないと短絡します。相札で確かめます。
現場で確かめること 接地導体(ハウジング・接地バー)の連続が取れているか。
8
防火区画貫通の充填(床)
認定工法 耐火材 内部の防火仕切り
床を貫通する部分の防火処理です。ダクトの外側を耐火材で埋め、ダクトの内部にも火と煙を止める仕切りが入った節を使います。
現場で確かめること 内部の防火仕切りの位置がスラブと合っているか。
9
立ち上がり(水返し)
開口まわり 100mm 程度
上の階で水をこぼしたとき、開口からダクトに水が入らないようにする縁です。
現場で確かめること 立ち上がりがあるか(なければ水がダクトの中へ)。
10
プラグインボックス(ブレーカー付)
各階の分岐 差込みとロック 向きに注意
ダクトの口に差し込んで電気を取り出す箱です。ブレーカーが付いていて、各階の分電盤へ送ります。差込みが甘いと発熱します。
現場で確かめること ロックがかかっているか。取付方向(上下)が合っているか。
11
分岐ケーブル CV(分電盤へ)
プラグインボックスのブレーカー二次側から
各階の分電盤への幹線です。プラグインボックスのブレーカーで保護されます。
現場で確かめること ブレーカーの定格とケーブルの太さが合っているか。
12
各階の分電盤
バスダクトから給電
各階の負荷に分ける盤です。幹線はバスダクトのプラグインボックスから来ます。
現場で確かめること 盤の主幹とプラグインのブレーカーの協調が取れているか。
13
空きプラグイン口のカバー
将来の分岐用 閉じておく
使っていない差込口です。カバーで閉じ、将来の増設に使えるようにしておきます。
現場で確かめること カバーが外れていないか(充電部が露出する)。
14
温度確認(赤外線)・絶縁・相回転
負荷運転後にジョイント・プラグインの温度
受電して負荷をかけたあと、接続部の温度を赤外線で見ます。1か所だけ熱ければ接触不良です。
現場で確かめること 測定結果と写真を記録したか。

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寸法・数値・工法は学習用の目安です。実際の工事では、設計図書・公共建築工事標準仕様書・内線規程・メーカー資料・所轄の指導を確認してください。