工事中に使う電気の仕組みです。仮設柱で受電し、受電盤から各所の仮設分電盤へキャブタイヤケーブルで送り、投光器や電動工具を使うまで。感電事故を防ぐ漏電遮断器・接地・ケーブルの保護を追います。 下の3Dで、工程を進めながら部材を1つずつ確かめてください。仮設引込柱(電力会社から低圧引込み) 仮設受電盤(主幹 ELB) 仮設分電盤(ELB 高感度高速形 15mA・0.1秒) キャブタイヤケーブル 2PNCT 架空 2.5m 以上・通路は保護管 LED 投光器 D種接地

この場面で追う施工手順

工程 1 / 6申込みと仮設引込柱
  1. 工事に必要な容量(溶接機・揚重機・照明・電動工具)を見積もり、電力会社に仮設電力を申し込む
  2. 仮設引込柱を建てる。根入れと支線で倒れないようにし、取付点は地表上 2.5m 以上(道路横断は 5m)
  3. 電力会社が引込線と計器を取り付ける。柱に受電盤を付けるか、近くに架台を置く
使う道具・材料:仮設電力の申込み(電力会社)/仮設引込柱(鋼管柱・支線)/引込線取付金物/接地棒
確かめること 仮設柱が工事車両の動線にかからず、倒れない固定か。
工程 2 / 6仮設受電盤(メイン盤)
  1. 受電盤を雨よけのある所に据え、扉に施錠できるようにする。前面に操作スペース
  2. 主幹は漏電遮断器。分岐ごとにブレーカーを設け、回路名(北側・2階・クレーン など)を表示
  3. 盤の接地端子から接地棒へ。接地抵抗を測って記録する
使う道具・材料:仮設受電盤(主幹 ELB・分岐ブレーカー)/架台・アンカー/施錠(南京錠)/接地線 IV 緑
確かめること 盤の扉が閉まり、施錠できるか。雨水が入らないか。
工程 3 / 6仮設分電盤の配置
  1. 作業場所の近く(延長コードが長くならない位置)に仮設分電盤を置く。各階・各工区に1台が目安
  2. 分電盤の漏電遮断器は高感度高速形(感度 15mA・0.1秒)。法令では 30mA・0.1秒以内が必要で、建設現場では 15mA が一般的
  3. コンセントは接地極付。200V は形を変えて誤差しを防ぐ。盤の接地端子を受電盤からの接地線につなぐ
使う道具・材料:仮設分電盤(ELB 15mA・0.1秒)/スタンド・架台/コンセント(100V・200V・接地極付)/表示札
確かめること 漏電遮断器のテストボタンを押して動作を確かめたか。
工程 4 / 6仮設配線(キャブタイヤケーブル)
  1. 受電盤から分電盤へキャブタイヤケーブルで配線する。地面を這わせず、仮設支柱で架空(2.5m 以上、車両通路は 5m 以上)にするか、保護管に入れる
  2. 通路を横切る所はケーブルプロテクター(踏まれても壊れない保護)を使う
  3. ケーブルの接続は防水コネクタで。被覆の傷・ねじれ・重量物の下敷きを点検
使う道具・材料:キャブタイヤケーブル 2PNCT(または VCT)/仮設支柱・がいし・ケーブルハンガー/保護管・ケーブルプロテクター/結束
確かめること ケーブルが重機や車両に踏まれる所がないか。
工程 5 / 6投光器・仮設照明
  1. 作業場所と通路に投光器を付ける。落下しないようクランプと落下防止を取り、保護ガード付きのものを使う
  2. 電源は分電盤の漏電遮断器の二次側から。延長コードは定格内で、巻いたまま使わない(発熱)
  3. 階段・通路・開口部まわりは常時点灯の通路灯を付ける
使う道具・材料:LED 投光器(保護ガード付)/スタンド・クランプ/防水型コンセント・延長コード/通路灯
確かめること 投光器が作業者の目に直接入る向きになっていないか。
工程 6 / 6日常点検・月例点検
  1. 毎日:漏電遮断器のテストボタン、ケーブルの傷・接続部、分電盤の扉と表示を確認する
  2. 月例:接地抵抗・絶縁抵抗を測り、記録する。損傷したケーブルは交換(テープ補修で済ませない)
  3. 工事の進みに合わせて分電盤・ケーブルを移設し、使わない回路は切っておく
使う道具・材料:点検表/漏電遮断器のテストボタン/接地抵抗計・絶縁抵抗計/電気主任者・職長
確かめること 点検表に日付と点検者の記録が残っているか。

部材と寸法の目安

1
仮設引込柱
根入れ・支線 取付点 地表上 2.5m 以上
工事中だけ使う受電用の柱です。電力会社の引込線を受け、計器と受電盤を付けます。倒れないよう根入れと支線で固定します。
現場で確かめること 車両の動線にかかっていないか。
2
引込線(電力会社)
仮設電力の申込みのあと
電力会社が取り付ける引込線です。容量を見積もって申込みをします。工事の進みで容量が足りなくなると変更が必要です。
現場で確かめること 溶接機・揚重機など大きな負荷を見込んでいるか。
3
計器(電力量計)
電力会社が取付け
仮設電力の電力量を測る計器です。
現場で確かめること 検針できる位置か。
4
仮設受電盤(主幹 ELB)
施錠 雨よけ 分岐ごとに表示
現場全体の電気の元です。主幹は漏電遮断器で、分岐ごとにブレーカーがあります。扉は施錠し、関係者以外が触れないようにします。
現場で確かめること 扉の施錠と「仮設電気・関係者以外触るな」の表示があるか。
5
接地(D種・接地棒)
受電盤・分電盤・金属の架台を接地
漏電したとき電気を地面に逃がし、漏電遮断器を働かせるための接地です。盤と架台をつなぎ、接地抵抗を測ります。
現場で確かめること 接地線が外れたり切れたりしていないか(毎日の点検)。
6
仮設分電盤(ELB 15mA・0.1秒)
作業場所の近く 接地極付コンセント 200V は別形状
作業者が使う電源の口です。感電を防ぐため、高感度高速形の漏電遮断器(15mA・0.1秒)を使うのが建設現場の一般的なやり方です。
現場で確かめること テストボタンで漏電遮断器が動作するか。
7
仮設支柱(架空配線)
2.5m 以上 車両通路は 5m 以上
ケーブルを地面に這わせず、空中に張るための柱です。人や車両の通る高さを確保します。
現場で確かめること 支柱が倒れないか。ケーブルに張力がかかりすぎていないか。
8
キャブタイヤケーブル 2PNCT
曲げ・引っ張りに強い 接続は防水コネクタ
仮設配線に使うゴムの丈夫なケーブルです。重量物の下敷きや、角での擦れで傷みます。傷んだものはテープで直さず交換します。
現場で確かめること 被覆に傷・ひび割れがないか。
9
ケーブルプロテクター(通路横断)
踏まれる所を守る
通路や車両が通る所でケーブルを守るカバーです。地面を横切る配線は必ず保護します。
現場で確かめること 重機の通行に耐える種類か。
10
地面の配線(保護管・プロテクター内)
這わせるときは必ず保護
どうしても地面を通す所は、保護管やプロテクターに入れます。水たまりの中を通さないようにします。
現場で確かめること 水たまりに浸かっていないか。
11
LED 投光器(保護ガード・落下防止)
目に入らない向き 防水
作業場所を照らす照明です。落下防止と保護ガードを付け、作業者の目に直接光が入らない向きにします。
現場で確かめること 落下防止のワイヤーがあるか。
12
延長コード(防水型)
定格内 巻いたまま使わない
投光器や電動工具への電源です。ドラムに巻いたまま大きな電流を流すと発熱して危険です。
現場で確かめること コードが通路をふさいでいないか。
13
点検表(日常・月例)
ELB テスト・ケーブル・接地・絶縁
毎日の始業前点検と月例の測定を記録します。異常があればその場で使用を止め、直してから使います。
現場で確かめること 点検者と日付が記入されているか。

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寸法・数値・工法は学習用の目安です。実際の工事では、設計図書・公共建築工事標準仕様書・内線規程・メーカー資料・所轄の指導を確認してください。