引込みの高圧ケーブルを、キュービクルの負荷開閉器(LBS)につなぐ端末処理です。外装・遮へい層・絶縁体を決められた寸法で剥き、ストレスコーンで電界をゆるめ、遮へい層を接地して、耐圧試験で確かめるまで。 下の3Dで、工程を進めながら部材を1つずつ確かめてください。6.6kV CVT 38sq 屋内終端接続部(ゴムとう管形・ストレスコーン) 遮へい銅テープの接地(A種) キュービクル内 LBS 一次側 作業は高圧ケーブル工事技能認定者

この場面で追う施工手順

工程 1 / 6準備・寸法出し
  1. 端末キット(屋内用、ケーブルサイズ適合)の施工要領書で、各層の剥き寸法を確かめる。寸法はキットごとに違う
  2. ケーブルを取付位置まで引き、LBS の端子の高さに合わせて切断する。CVT はより戻して3心を広げ、必要な長さを確保する
  3. 相(R・S・T)を確かめて相札を付ける。引込み側と受電側で相順をそろえる
使う道具・材料:端末処理キット(屋内用・38sq 適合)/施工要領書/スケール/マーカー・相札
確かめること キットの適合(38sq・6.6kV・屋内用)が合っているか。
工程 2 / 6外装・遮へい層の処理
  1. シース(外装)を規定寸法で剥く。押えテープを取り、遮へい銅テープを規定の位置で切る(下の層に傷を付けない)
  2. 遮へい銅テープの端に接地線を接続する(はんだ付けまたは定圧ばね)
  3. 外部半導電層を規定寸法で剥ぎ、切り口の段差をなめらかにする(電界が集中する所)
使う道具・材料:ケーブルナイフ/半導電層はく離工具/接地線 IV 緑・はんだ(または定圧ばね)/絶縁テープ
確かめること 半導電層の切り口が絶縁体に食い込んでいないか(絶縁破壊の原因)。
工程 3 / 6絶縁体の処理・端子圧縮
  1. 絶縁体(架橋ポリエチレン)表面に残った半導電層のかすを完全に取り、清掃材で拭く
  2. 導体を規定寸法出し、圧縮端子を油圧工具で圧縮する(ダイスのサイズを合わせる)
  3. 絶縁体表面に傷・汚れがないか確かめ、シリコーングリスを薄く塗る
使う道具・材料:清掃材(溶剤・ウエス)/圧縮端子(38sq)/油圧圧縮工具/シリコーングリス
確かめること 絶縁体に半導電層の黒い粉や手の脂が残っていないか。
工程 4 / 6ストレスコーン・とう管
  1. ストレスコーンを規定位置(半導電層の端にかぶる位置)まで押し込む。ここで電界の集中をゆるめる
  2. ゴムとう管を上から通し、端子の根元まで覆う。屋内用はとう管が短い(屋外用は碍管・雨覆い付き)
  3. 端部を自己融着テープで仕上げ、相の色別テープを巻く
使う道具・材料:ストレスコーン(ゴム)/ゴムとう管(絶縁筒)/自己融着テープ/施工要領書
確かめること ストレスコーンの位置が規定寸法どおりか(ずれると沿面放電)。
工程 5 / 6LBS への接続・接地
  1. 端子を LBS 一次側の端子にボルトで接続する。相順(R・S・T)を合わせ、規定トルクで締める
  2. 遮へい層の接地線をキュービクルの接地端子(A種)へ接続する
  3. ケーブルを支持金物で固定し、3心の広がりを規定の離隔で保つ。端末に無理な力がかからないように
使う道具・材料:トルクレンチ/接地線 IV 5.5sq 緑/ケーブル支持金物/相札
確かめること 相順が引込み側と受電側で一致しているか(相回転)。
工程 6 / 6耐圧試験・受電
  1. 端末処理後、ケーブルと機器を含めて絶縁抵抗(1000V メガー)を測る
  2. 絶縁耐力試験:交流なら最大使用電圧の 1.5倍(6.6kV なら 10,350V)を 10分間かけ、漏れ電流を記録する
  3. 試験前後の接地の外し・復旧を手順どおりに行い、受電前に検相して電力会社立会いで受電する
使う道具・材料:絶縁抵抗計 1000V/絶縁耐力試験装置/検相器/試験成績書
確かめること 耐圧試験の成績書(印加電圧・時間・漏れ電流・天候)を残したか。

部材と寸法の目安

1
6.6kV CVT 38sq(引込みケーブル)
3心を より合わせたトリプレックス ピットから立ち上げ
高圧の引込みケーブルです。3本の単心ケーブルをより合わせた形で、端末ではより戻して3本に分けます。曲げ半径は外径の8倍以上です。
現場で確かめること ピットでの曲げ半径と支持が規定どおりか。
2
相札(R・S・T)
引込み側と受電側で同じ相に
3本の相を区別する札です。両端で相を合わせないと相回転が逆になり、三相の電動機が逆回転します。
現場で確かめること 電力会社側の相と受電側の相が一致しているか。
3
遮へい銅テープ
規定位置で切る 端に接地線
絶縁体の外側を包む銅のテープで、電界を内側に閉じ込め、接地されています。切る位置と、下の層を傷つけないことが大事です。
現場で確かめること 銅テープの切り口がささくれて絶縁体を傷めていないか。
4
外部半導電層の端(電界が集中する所)
規定寸法で剥ぐ 段差をなめらかに
半導電層が終わる所に電界が集中します。ここの処理が悪いと、長い時間をかけて絶縁が傷み、事故になります。
現場で確かめること 半導電層のかすが絶縁体に残っていないか。
5
絶縁体(架橋ポリエチレン)
清掃 傷・汚れ厳禁 グリスを薄く
6.6kV を支える絶縁体です。表面の汚れ・傷・手の脂は沿面放電や絶縁破壊につながります。素手で触らず清掃材で拭きます。
現場で確かめること ナイフの傷が絶縁体に入っていないか。
6
遮へい層の接地線(A種)
IV 5.5sq 緑 → キュービクルの接地端子
遮へい銅テープは必ず接地します。接地していないと遮へい層に高い電圧が現れ、危険です。
現場で確かめること 耐圧試験の前後で、接地の外し・復旧を手順どおりにしたか。
7
導体と圧縮端子
38sq 用の圧縮端子 油圧工具で圧縮
導体に端子を圧縮して、LBS の端子にボルトで接続できるようにします。ダイスのサイズが合わないと接触不良で発熱します。
現場で確かめること 圧縮のダイス刻印が端子に付いているか。
8
ストレスコーン
半導電層の端にかぶる位置 電界をゆるめる
半導電層の端に集中する電界を、ゴムの形で広げてゆるめる部品です。位置が規定寸法からずれると効きません。
現場で確かめること 施工要領書の寸法どおりの位置か。
9
ゴムとう管(絶縁筒)・相色テープ
屋内用 端子の根元まで覆う
絶縁体の外側を覆い、沿面距離を確保します。屋外用はさらに碍管と雨覆いが付き、長くなります。
現場で確かめること とう管の中に空気や水が入っていないか。
10
LBS(負荷開閉器)一次側端子
相順 R・S・T 規定トルクで締付け
受電の最初の開閉器です。ケーブルの端子をここにボルトで接続します。ここから先がキュービクルの主回路です。
現場で確かめること トルクレンチで締め、マーキングしたか。
11
ケーブル支持金物
端末に力をかけない 3心の離隔
ケーブルの重さや動きが端末にかからないよう、端末の下で固定します。3本の間隔も保ちます。
現場で確かめること 金物のエッジがシースを傷めていないか。
12
絶縁耐力試験(交流 10,350V・10分)
最大使用電圧 6,900V × 1.5 漏れ電流を記録
新設・改修した高圧ケーブルは、受電前に絶縁耐力試験を行います。直流で行う方法(交流の2倍)もあります。
現場で確かめること 試験中は立入禁止の区画と監視人を置いたか。

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寸法・数値・工法は学習用の目安です。実際の工事では、設計図書・公共建築工事標準仕様書・内線規程・メーカー資料・所轄の指導を確認してください。