戸建てのテレビ配線です。アンテナの向きと取付け、混合器とブースター、分配器から各部屋のテレビ端子まで。同軸ケーブルの扱い(曲げ・接栓)と、最後にレベルを測って確かめるところまで追います。 下の3Dで、工程を進めながら部材を1つずつ確かめてください。UHF アンテナ(地デジ)+ BS/110°CS アンテナ 混合器 ブースター(電源部は屋内) 2分配器 同軸 S-5C-FB F形接栓 テレビ端子(直列ユニット) 端子レベル 地デジ 47〜81dBμV の目安

この場面で追う施工手順

工程 1 / 6アンテナの位置と方向
  1. 地デジは送信所の方向、BS/CS は南西(仰角 約 40°)に障害物(建物・樹木)がない位置を探す
  2. 屋根の上で仮に設置し、レベルチェッカーで最も受信レベルが高い向きを探す
  3. 風で向きが変わらないよう、マストの固定方法(屋根馬・支線、または壁面金具)を決める
使う道具・材料:電界強度計(レベルチェッカー)/方位磁針・スマホの方位アプリ/送信所・衛星の方向資料/双眼鏡
確かめること BS の方向に、将来伸びる木や建つ建物がないか。
工程 2 / 6アンテナ・マストの取付
  1. 屋根馬をマストに付け、4本の支線で屋根に固定する(支線は屋根の構造材に留める)。壁面金具なら外壁の下地に
  2. UHF アンテナは水平偏波か垂直偏波かを送信所に合わせる。BS は仰角・方位を微調整して固定
  3. 接続部は防水(自己融着テープ+ビニルテープ)。ケーブルは水切りを付けて下ろす
使う道具・材料:UHF アンテナ・BS アンテナ/マスト・屋根馬・支線(ステンレス)/壁面取付金具/自己融着テープ
確かめること 支線の張りが均等で、マストが垂直か。
工程 3 / 6混合器・ブースター
  1. UHF と BS/CS の信号を混合器で1本にまとめる(ブースターに混合機能がある機種も多い)
  2. ブースターの増幅部はアンテナの近く(屋外)に付け、電源部は屋内(天井裏・情報分電盤)に。電源はケーブルを通して送る(電源重畳)
  3. 利得は端子で必要なレベルになるように調整する。上げすぎると歪む
使う道具・材料:UHF/BS・CS 混合器/ブースター(増幅部:屋外 電源部:屋内)/S-5C-FB/F形接栓・防水キャップ
確かめること 電源部→増幅部の間に、電流を通さない分配器・分波器を入れていないか。
工程 4 / 6分配器・屋内配線
  1. 天井裏(または情報分電盤)で分配器を使い、各部屋のテレビ端子へ配線する。分配数が増えるほどレベルは下がる(2分配で約 4dB)
  2. 同軸ケーブルは S-5C-FB。曲げ半径は外径の 5倍以上(約 40mm)。つぶさない・結束を強く締めない
  3. 接栓は F形。芯線の長さと編組の折り返しを規定どおりにし、圧着または締付けで確実に
使う道具・材料:2分配器(全端子電流通過型)/S-5C-FB/ケーブル支持/F形接栓・圧着工具
確かめること F形接栓で、編組の細線が芯線に触れていないか(短絡で映らない)。
工程 5 / 6テレビ端子の取付
  1. 各部屋の壁にテレビ端子を付ける。FL+300 程度、テレビの近く
  2. 直列ユニットには「中継型」と「端末型」がある。配線の最後は端末型(終端抵抗内蔵)か、中継型に 75Ω の終端抵抗を付ける
  3. 端子の裏で同軸を接続(F形接栓または直付け)。芯線を折らない
使う道具・材料:テレビ端子(直列ユニット・端末用)/プレート/ストリッパー(同軸用)/75Ω 終端抵抗(中継型を端末に使うとき)
確かめること 配線の末端が終端されているか(開放のままだと反射でゴーストや不安定)。
工程 6 / 6レベル測定・調整
  1. 各テレビ端子でレベルを測る。地デジは 47〜81dBμV、BS/CS は 50〜81dBμV が目安。BER・MER(品質)も見る
  2. ブースターの利得で全端子が範囲に入るように調整する。最も遠い端子で足りているか
  3. テレビをつないで全チャンネルの受信を確かめ、測定値を記録して施主に渡す
使う道具・材料:レベルチェッカー(地デジ・BS/CS)/ブースターの利得調整/測定記録
確かめること いちばん条件の悪い端子(分配の末端)で足りているか。

部材と寸法の目安

1
マストと屋根馬
支線 4本で固定 垂直
アンテナを立てる支柱です。屋根馬にマストを通し、4方向の支線で引いて固定します。壁面に金具で付ける方法もあります。
現場で確かめること 支線が屋根の構造材に留まっているか(瓦に打つと割れる・緩む)。
2
支線(ステンレス)
4方向 張りを均等に
マストを風から守るワイヤーです。張りが偏るとマストが傾き、BS の向きがずれます。
現場で確かめること ターンバックルの緩み止めをしたか。
3
UHF アンテナ(地デジ)
送信所の方向 偏波面を合わせる
地上デジタル放送を受けるアンテナです。素子の多いものほど利得が高く、弱電界地域で使います。水平・垂直の偏波面を送信所に合わせます。
現場で確かめること レベルチェッカーで最大の向きに固定したか。
4
BS/110°CS アンテナ
南西 仰角 約 40° 障害物なし
衛星放送のアンテナです。方位と仰角を合わせ、前方に障害物がない位置に付けます。少しのずれでレベルが大きく落ちます。
現場で確かめること 雪や強風で向きが変わらない固定か。
5
混合器(UHF + BS/CS)
2系統を1本の同軸に
地デジと衛星の信号を1本のケーブルにまとめます。ブースターに混合機能が入っている製品も多く、その場合は不要です。
現場で確かめること BS 側に電流を通す設定(BS アンテナの電源)が合っているか。
6
ブースター増幅部(屋外)
利得を調整 電源はケーブルで送る
信号を増幅する装置の本体です。アンテナの近くに付け、電源部からケーブルを通して電気を送ります。利得の上げすぎは歪みのもとです。
現場で確かめること 増幅部と電源部の間に、電流を止める機器を入れていないか。
7
同軸ケーブル S-5C-FB(引込み)
曲げ半径 外径の5倍 つぶさない
アンテナからの信号を運ぶケーブルです。屋外部分は紫外線と水に注意し、接続部は防水します。
現場で確かめること 屋外の接続部が自己融着テープで防水されているか。
8
ブースター電源部(屋内)
天井裏・情報分電盤 コンセント電源
増幅部に電源を送る部分です。屋内のコンセントから電気を取り、同軸ケーブルに重ねて送ります。
現場で確かめること 電源部のランプが点いているか。
9
2分配器(全端子電流通過型)
2分配で約 4dB 下がる
信号を各部屋へ分ける部品です。分けるたびにレベルが下がるので、分配数を見てブースターの利得を決めます。
現場で確かめること 空き端子に 75Ω のダミー(終端)を付けたか。
10
屋内配線 S-5C-FB
各部屋のテレビ端子へ 支持して転がさない
分配器から各部屋への配線です。電源線と長く並走させず、きつく曲げないようにします。
現場で確かめること 曲げ半径(約 40mm 以上)を守っているか。
11
テレビ端子(直列ユニット)
FL+300 中継型/端末型
壁の端子です。配線の途中なら中継型、最後なら端末型(終端抵抗入り)を使います。
現場で確かめること 端末型と中継型を取り違えていないか。
12
終端抵抗 75Ω
配線の末端・空き端子に
信号の反射を止めるための抵抗です。末端を開放にすると反射が起きて画質が不安定になります。
現場で確かめること 中継型を末端に使ったときに付け忘れていないか。
13
レベルチェッカー
地デジ 47〜81dBμV BS/CS 50〜81dBμV BER・MER
端子でのレベルと品質を測る測定器です。レベルが範囲内でも、品質(BER・MER)が悪いと映りません。
現場で確かめること いちばん遠い端子で測ったか。
14
受信確認
全チャンネル 地デジ・BS・CS
テレビをつなぎ、全チャンネルが映ることを確かめます。測定値は記録して施主に渡します。
現場で確かめること 雨天時の BS の余裕(晴天で高めに)があるか。

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全体の流れ(部屋・天井裏・電気室・建物)
回路をたどる(1回路を端から端まで)
個別ケース(施工方法をくわしく)
寸法・数値・工法は学習用の目安です。実際の工事では、設計図書・公共建築工事標準仕様書・内線規程・メーカー資料・所轄の指導を確認してください。