電柱からの引込線、メーター、分電盤を通って、エアコン・コンセント・照明の各回路へ。住宅ならではの、木造の配線と接地まで追います。 下の3Dで、工程を進めながら部材を1つずつ確かめてください。単相3線式 100/200V 主幹 ELB 3P 60A 分岐 VVF 1.6〜2.0mm 木造

この場面で追う施工手順

工程 1 / 6引込口・メーター
  1. 外壁に引込線の取付点を付ける(地表から 2.5m 以上。道路を横断するなら 5m 以上)
  2. 引込線の端にたるみ(ドリップループ)を作り、雨水が壁の中へ伝わらないようにする
  3. メーターを外壁に取り付け、引込口配線をつなぐ
  4. 配線は防水の引込口キャップを通して壁を貫通させる
使う道具・材料:引込線(電力会社)/引込線取付点の金物/メーターボックス/引込口配線 CV 14sq-3C
確かめること 引込線取付点から建物へ、雨水が伝わるルートになっていないか。
工程 2 / 6分電盤の取付
  1. 盤の下端 FL+1,700 程度に墨出しする(手が届き、子どもが触れにくい高さ)
  2. 間柱に木ねじで固定する
  3. 幹線と分岐回路の数だけノックアウトを抜く
使う道具・材料:住宅用分電盤/木ねじ/レベル
確かめること 盤の前に物を置かれない場所か(洗面所・廊下など)。
工程 3 / 6幹線の結線
  1. メーターからの引込口配線を壁の中を通して盤へ引き込む
  2. 赤(L1)・白(N)・黒(L2)を主幹の一次側につなぐ
  3. 主幹は中性線欠相保護付きの漏電遮断器を使う
  4. 契約電流の制限(リミッター)は、スマートメーターが代わりをする地域が増えている
使う道具・材料:CV 14sq-3C/圧着端子/主幹 漏電遮断器 3P 60A
確かめること 白(中性線)を間違えて相側の端子につないでいないか。
工程 4 / 6分岐回路の配線
  1. 盤の上から天井裏へ、回路ごとにVVFを出す
  2. 木造では、VVFを柱・梁に直接ステップルで留められる(2m以下ごと)
  3. エアコン(200V)は専用回路で VVF 2.0mm、コンセントは 2.0mm、照明は 1.6mm(例)
  4. 柱や梁を貫通する穴は、被覆を傷めないよう保護する
使う道具・材料:VVF 1.6mm / 2.0mm/ステップル/ジョイントボックス/貫通部の保護材
確かめること ステップルを強く打ちすぎて被覆をつぶしていないか。
工程 5 / 6接地
  1. 屋外の地中に接地棒を打ち込み、接地線を盤の接地端子台へ引き込む
  2. 洗濯機・エアコン・IH・洗面所のコンセントは接地極付にする
  3. 各回路の緑線を接地端子台につなぐ
  4. 接地抵抗を測る(D種 100Ω以下)
使う道具・材料:接地棒/接地線 IV 2.0(緑)/接地極付コンセント
確かめること 水まわりのコンセントが接地極付になっているか。
工程 6 / 6試験・受電
  1. 各回路の絶縁抵抗を測る
  2. 電力会社に使用開始を申し込み、受電する
  3. L1-N・L2-N が約100V、L1-L2 が約200V を確かめる
  4. 主幹のテストボタンで漏電遮断器の動作を確かめる
使う道具・材料:絶縁抵抗計/テスター/竣工検査書類
確かめること 200Vの回路を100Vの機器につないでいないか(コンセントの形で区別)。

部材と寸法の目安

1
引込線と取付点
地表から 2.5m 以上 ドリップループ
電柱からの引込線は電力会社の工事です。建物側は取付点の金物と、引込口配線を用意します。線の端にたるみを作り、雨水を落とします。
現場で確かめること 取付点の高さと、建物の構造(金物が効く下地)を確認したか。
2
スマートメーター
電力会社が取り付け 契約電流の制限も内蔵
使った電力量を測る計器です。以前の「アンペアブレーカー(リミッター)」の役目を、メーターの中で行う地域が増えています。
現場で確かめること メーターの取付高さが、検針しやすい範囲か。
3
引込口配線 CV 14sq-3C
赤=L1 白=N 黒=L2
メーターから分電盤までの幹線です。60A契約なら 14sq が目安です。壁の中を通して盤の主幹へつなぎます。
現場で確かめること 壁の貫通部に防水の引込口キャップを使ったか。
4
住宅用分電盤
主幹 ELB 3P 60A(中性線欠相保護付) 分岐 10回路(例)
左が主幹の漏電遮断器、右に並ぶのが分岐ブレーカーです。中性線が切れると100Vの機器に200Vがかかるため、欠相保護付きの主幹を使います。
現場で確かめること 分岐回路の数に将来の余裕(空きスペース)があるか。
5
分岐回路の VVF
エアコン 2.0mm(200V専用) コンセント 2.0mm 照明 1.6mm
回路ごとに盤の上から天井裏へ出し、各部屋へ配ります。エアコン・IH・電子レンジなどは専用回路にします。
現場で確かめること 専用回路にする機器を図面で決めてあるか。
6
ステップル(木造の支持)
2m以下ごと 強く打ちすぎない
木造では、VVFを柱や梁に直接ステップルで留められます。打ちすぎると被覆がつぶれて絶縁不良のもとになります。
現場で確かめること 貫通部で被覆が木のささくれに当たっていないか。
7
エアコン用コンセント(200V)
FL+2,000 2P2E 20A の専用回路
200V用は差込口の形が違い、100Vの機器は差せません。エアコンの設置位置に合わせて高い位置に付けます。
現場で確かめること 室内機の位置と干渉しないか。
8
接地極付コンセント(洗面所)
FL+1,000 黒・白・緑
水まわりや、金属の外箱を持つ機器用のコンセントです。緑の接地線を接地端子へつなぎ、盤の接地端子台から接地棒へつながります。
現場で確かめること 洗濯機・冷蔵庫・電子レンジの位置も接地極付か。
9
照明(引掛シーリング)
VVF 1.6mm スイッチ経由
天井に引掛シーリングを付け、器具を差し込んで使います。スイッチは部屋の入口の壁に付けます。
現場で確かめること 引掛シーリングが下地(野縁)に固定されているか。
10
接地棒と接地線(D種)
接地線 IV 2.0(緑) 100Ω以下
屋外の地中に接地棒を打ち込み、盤の接地端子台までつなぎます。各回路の緑線はすべてここに集まります。
現場で確かめること 接地抵抗を測って記録したか。

ほかの場面を見る

全体の流れ(部屋・天井裏・電気室・建物)
回路をたどる(1回路を端から端まで)
個別ケース(施工方法をくわしく)
寸法・数値・工法は学習用の目安です。実際の工事では、設計図書・公共建築工事標準仕様書・内線規程・メーカー資料・所轄の指導を確認してください。