戸建ての屋根にモジュールを載せ、パワコン・蓄電池をつないで系統連系するまで。直流側は電圧が高く感電に注意が要ること、架台は垂木に固定すること、連系には電力会社の手続きがいることを追います。 下の3Dで、工程を進めながら部材を1つずつ確かめてください。太陽光 3.2kW(モジュール 8枚・2ストリング) 架台(垂木固定) PV ケーブル 3.5sq・MC4 コネクタ 屋外形パワーコンディショナ 4.0kW 蓄電池 7kWh(屋外・基礎) 系統連系ブレーカー(逆接続可能型)

この場面で追う施工手順

工程 1 / 6架台の取付(垂木固定・防水)
  1. 屋根材(瓦・スレート・金属)に合う支持金具を選ぶ。金具は野地板ではなく垂木にビスを効かせる
  2. 金具の防水(シール・水切り板)を確実にする。雨漏りの原因のほとんどはここ
  3. レールを水平に通し、モジュールの割付に合わせて固定する。軒先・けらばから離隔を取る
使う道具・材料:屋根材に合う支持金具/ラックレール(アルミ)/垂木探知・ビス/防水シール材
確かめること 支持金具のビスが垂木に効いているか(野地板だけでは強風で飛ぶ)。
工程 2 / 6モジュールの設置・直流配線
  1. モジュールをレールに載せ、クランプで固定する。下段から順に。ケーブルは裏面で結束し、屋根材に触れさせない
  2. ストリング(直列)を組む。4枚直列 × 2ストリング。コネクタの極性(+・−)を間違えない
  3. 日が当たれば発電している。開放電圧は 1ストリングで DC 150〜200V 程度。直流は遮断しにくく、感電・アークに注意
使う道具・材料:太陽電池モジュール 400W × 8/PV ケーブル 3.5sq・MC4 コネクタ/固定金具(ミドル・エンドクランプ)/テスター(直流電圧)
確かめること ストリングの開放電圧が設計値と合っているか(枚数・極性の確認)。
工程 3 / 6パワーコンディショナの設置
  1. パワコンは直射日光・雨がかりを避け、放熱の空きを取って外壁に固定する(屋外形の場合)。屋内形なら点検しやすい所
  2. 直流側:ストリングごとに接続箱(または内蔵の開閉器)を通して入力端子へ。+・−を確認
  3. 交流側:分電盤の連系ブレーカーまで CV で配線。パワコンの接地(D種・直流 300V 超なら C種)
使う道具・材料:屋外形パワコン 4.0kW/取付金具・アンカー/直流開閉器(接続箱)/CV ケーブル(交流側)
確かめること パワコンの放熱スペース(上下左右の離隔)が取れているか。
工程 4 / 6蓄電池の設置
  1. 基礎(既製または現場打ち)を水平に据え、重量(100〜200kg)に耐えるようにする。塩害・浸水・直射日光を避ける
  2. 蓄電池をアンカーで固定し、パワコン(ハイブリッド)または蓄電池用パワコンと配線する
  3. 接地と、自立運転用の回路(停電時に使うコンセント・分電盤の特定負荷)の区分を確かめる
使う道具・材料:蓄電池ユニット 7kWh/コンクリート基礎(またはアンカー)/搬入機材/接地線
確かめること メーカーの設置条件(離隔・温度・浸水高さ)を満たしているか。
工程 5 / 6系統連系(分電盤・申込み)
  1. 分電盤に連系用のブレーカーを設ける。パワコンからの電気が流れ込むので「逆接続可能型」を使い、主幹の容量も確かめる
  2. 電力会社に系統連系の申込みをし、承諾を得る。売電する場合は計量器(双方向)の手配
  3. 経済産業省の事業計画認定(FIT/FIP)など、売電の制度手続きは別に進める
使う道具・材料:連系ブレーカー(逆接続可能型)/分電盤/電力会社への連系申込み(系統連系協議)/売電メーター(スマートメーター)
確かめること 連系ブレーカーが逆接続可能型か。主幹の容量に太陽光の出力分の余裕があるか。
工程 6 / 6試運転・計測
  1. 直流側:各ストリングの開放電圧と絶縁抵抗を測り、極性を確かめる。交流側:絶縁抵抗と接地
  2. 連系運転を開始し、パワコンの表示で発電電力を確かめる。停電時の自立運転も試す
  3. 施主に、停電時の操作(自立運転への切替え)と、点検・清掃の注意を説明する
使う道具・材料:絶縁抵抗計/直流クランプメーター/テスター/試運転チェックシート
確かめること ストリングごとの電圧・電流が揃っているか(1枚でも不良があると差が出る)。

部材と寸法の目安

1
架台(ラックレール)
アルミ 支持金具に固定 水平に通す
モジュールを載せるレールです。屋根の勾配に沿って水平に通し、支持金具にボルトで固定します。
現場で確かめること レールの熱伸びを逃がす継ぎ目があるか。
2
支持金具(垂木固定・防水)
屋根材ごとの専用金具 ビスは垂木へ
屋根に穴を開けて垂木にビスで固定する金具です。雨漏りを防ぐ防水処理が最も大事な所で、屋根材ごとに専用の金具があります。
現場で確かめること 野地板だけにビスが効いていないか(強風で飛ぶ)。
3
太陽電池モジュール 400W × 8(2ストリング)
4枚直列 × 2 開放電圧 1ストリング DC 150〜200V
日が当たると発電します。直列につなぐと電圧が足し合わさり、1ストリングで DC 150〜200V 程度になります。直流は切れにくく、感電とアークに注意します。
現場で確かめること ストリングの枚数・極性が設計どおりか(開放電圧で確かめる)。
4
PV ケーブル(直流)3.5sq・MC4
+・− 紫外線に強い専用線 屋根材に触れさせない
モジュールからパワコンまでの直流配線です。屋外用の専用ケーブルとコネクタ(MC4)を使い、極性を間違えないようにします。
現場で確かめること コネクタがカチッと嵌合しているか(半差しは発熱・火災)。
5
直流開閉器(接続箱)
ストリングごとに切れる 点検時に開放
ストリングごとに直流を切る開閉器です。パワコンに内蔵のものもあります。点検や故障時に、まずここで直流を切ります。
現場で確かめること 開放しても、モジュール側のケーブルには電圧が残ることを理解しているか。
6
パワーコンディショナ(屋外形 4.0kW)
直流 → 交流 100/200V 放熱の離隔
モジュールの直流を家庭用の交流に変える装置です。発熱するので、直射日光と雨がかりを避け、放熱の空きを取って付けます。
現場で確かめること 表示で発電電力が見え、エラーが出ていないか。
7
接地(架台・パワコン)
300V 以下 D種 直流 300V 超は C種
架台・モジュールの枠・パワコンの金属部分を接地します。直流側の電圧が 300V を超えるシステムは C種接地です。
現場で確かめること 架台どうしの電気的な連続(ボンディング)が取れているか。
8
蓄電池の基礎
水平 浸水しない高さ 重量に耐える
蓄電池は重い(100〜200kg)ので、水平で頑丈な基礎に据えます。浸水や塩害、直射日光を避けます。
現場で確かめること アンカーで固定したか(地震で転倒しない)。
9
蓄電池ユニット 7kWh
パワコンと接続 停電時は自立運転
昼の余った電気を貯めて夜や停電時に使います。パワコンと専用の配線でつなぎ、停電時に使える回路(特定負荷)を分電盤で分けます。
現場で確かめること 停電時にどの回路が使えるか、施主に説明したか。
10
交流側の配線(パワコン → 分電盤)
CV 連系ブレーカーへ
パワコンの交流出力を分電盤へつなぐ配線です。ここから家の負荷に流れ、余りは電力会社へ逆に流れます(逆潮流)。
現場で確かめること 電圧降下が規定内か(長いと売電時にパワコンが出力を抑える)。
11
系統連系ブレーカー(逆接続可能型)
電源側と負荷側の両方から電気が来る
パワコンからの電気が流れ込むブレーカーです。通常のブレーカーは電源側が決まっていますが、連系用は逆方向からの接続ができる型を使います。
現場で確かめること 主幹の容量が、家の負荷+太陽光の出力に足りるか。
12
売電・買電のメーター(双方向)
電力会社が取付け 連系申込みのあと
買った電力と売った電力を両方測る計器です。電力会社に系統連系の申込みをして、承諾を得てから取り付けられます。
現場で確かめること 連系の承諾(接続契約)が下りてから運転を始めたか。
13
試運転(発電表示・自立運転)
発電電力 停電時の切替え
連系運転で発電電力を確かめ、停電を想定して自立運転への切替えも試します。
現場で確かめること ストリングごとの電流が揃っているか。

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回路をたどる(1回路を端から端まで)
個別ケース(施工方法をくわしく)
寸法・数値・工法は学習用の目安です。実際の工事では、設計図書・公共建築工事標準仕様書・内線規程・メーカー資料・所轄の指導を確認してください。