0.052
接地工事のケーブル選定方法について教えてほしい!
接地線のサイズはA=0.052×In
In:過電流遮断器の定格電流すなわち、接地線の太さは過電流遮断器の定格電流に“0.052”をかけた値で求めることができます。
- 接地線の選定サイズの決定に悩まれている方
- 接地線の基準について知りたい方など
A種接地工事の接地線サイズの求め方
B種接地工事の接地線サイズの求め方
C種接地工事の接地線サイズの求め方
D種接地工事の接地線サイズの求め方
クイックトピックス
θ=0.008×(I/A)2×t
- θ:銅線の温度上昇[°C]
- I:電流[A]
- A:導体の断面積[㎟]
- t:通電時間[秒]
機器の仕様書がある場合 | 仕様書に準ずる |
---|---|
仕様書がない場合 | 5.5~14sq ※記載文献により最小サイズが異なるため。 |
変圧器一相あたりの容量 | 接地線 | ||||||
100V | 200V | 400V | |||||
5 | kVA以下 | 10 | kVA以下 | 20 | kVA以下 | 5.5 | ㎜ |
10 | kVA以下 | 20 | kVA以下 | 40 | kVA以下 | 8 | ㎜ |
20 | kVA以下 | 30 | kVA以下 | 75 | kVA以下 | 14 | ㎟ |
40 | kVA以下 | 75 | kVA以下 | 150 | kVA以下 | 22 | ㎟ |
60 | kVA以下 | 125 | kVA以下 | 250 | kVA以下 | 38 | ㎟ |
75 | kVA以下 | 150 | kVA以下 | 300 | kVA以下 | 60 | ㎟ |
100 | kVA以下 | 200 | kVA以下 | 400 | kVA以下 | 60 | ㎟ |
175 | kVA以下 | 300 | kVA以下 | 700 | kVA以下 | 100 | ㎟ |
過電流遮断器の定格電流 | 接地線の太さ | ||
30 | A以下 | 1.6 | ㎜以上 |
50 | A以下 | 2.0 | ㎜以上 |
100 | A以下 | 5.5 | ㎟以上 |
150 | A以下 | 8 | ㎟以上 |
200 | A以下 | 14 | ㎟以上 |
400 | A以下 | 22 | ㎟以上 |
600 | A以下 | 38 | ㎟以上 |
800 | A以下 | 60 | ㎟以上 |
1000 | A以下 | 60 | ㎟以上 |
1200 | A以下 | 100 | ㎟以上 |
過電流遮断器の定格電流 | 接地線の太さ | ||
30 | A以下 | 1.6 | ㎜以上 |
50 | A以下 | 2.0 | ㎜以上 |
100 | A以下 | 5.5 | ㎟以上 |
150 | A以下 | 8 | ㎟以上 |
200 | A以下 | 14 | ㎟以上 |
400 | A以下 | 22 | ㎟以上 |
600 | A以下 | 38 | ㎟以上 |
800 | A以下 | 60 | ㎟以上 |
1000 | A以下 | 60 | ㎟以上 |
1200 | A以下 | 100 | ㎟以上 |
接地工事別の接地線サイズ
C・D種接地工事の接地線サイズ一覧
過電流遮断器の定格電流 | 接地線の太さ | ||
30 | A以下 | 1.6 | ㎜以上 |
50 | A以下 | 2.0 | ㎜以上 |
100 | A以下 | 5.5 | ㎟以上 |
150 | A以下 | 8 | ㎟以上 |
200 | A以下 | 14 | ㎟以上 |
400 | A以下 | 22 | ㎟以上 |
600 | A以下 | 38 | ㎟以上 |
800 | A以下 | 60 | ㎟以上 |
1000 | A以下 | 60 | ㎟以上 |
1200 | A以下 | 100 | ㎟以上 |
B種接地工事の接地線サイズ一覧
変圧器一相あたりの容量 | 接地線 | ||||||
100V | 200V | 400V | |||||
5 | kVA以下 | 10 | kVA以下 | 20 | kVA以下 | 5.5 | ㎜ |
10 | kVA以下 | 20 | kVA以下 | 40 | kVA以下 | 8 | ㎜ |
20 | kVA以下 | 30 | kVA以下 | 75 | kVA以下 | 14 | ㎟ |
40 | kVA以下 | 75 | kVA以下 | 150 | kVA以下 | 22 | ㎟ |
60 | kVA以下 | 125 | kVA以下 | 250 | kVA以下 | 38 | ㎟ |
75 | kVA以下 | 150 | kVA以下 | 300 | kVA以下 | 60 | ㎟ |
100 | kVA以下 | 200 | kVA以下 | 400 | kVA以下 | 60 | ㎟ |
175 | kVA以下 | 300 | kVA以下 | 700 | kVA以下 | 100 | ㎟ |
A種接地工事の接地線サイズ
機器の仕様書がある場合 | 仕様書に準ずる |
---|---|
仕様書がない場合 | 5.5~14sq ※記載文献により最小サイズが異なるため。 |
接地線サイズの選定根拠
(1)接地線の温度上昇について
銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇は、一般に次の式で与えられます。
θ=0.008×(I/A)2×t
- θ:銅線の温度上昇[°C]
- I:電流[A]
- A:導体の断面積[㎟]
- t:通電時間[秒]
(2)計算条件
接地線の太さを決定するための計算条件は次のとおりとする。
- 接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の20倍とする。
- 過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、0.1秒以下で切れるものとする。
- 故陣電流が流れる前の接地線の温度は30°Cとする。故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、150°Cとする。(従って許容温度上昇は、120°Cとなる。)
(3)接地線サイズの計算式
120=0.008(20×In/A)2×0.1
A=0.052×In
ここにIn:過電流遮断器の定格電流すなわち、
接地線の太さは過電流遮断器の定格電流に“0.052”をかけた数値となります。
- 過電流遮断器のトリップサイズを確認する
- トリップサイズ×0.052を行う
- 計算結果を接地線サイズとする
配線用遮断器トリップ値が175Aの場合・・・
175×0.052=9.1
9.1≒14となり接地線サイズ14㎟となります。
接地工事の要点
接地工事が必要な場所
A種接地工事 | 避雷針、避雷器、高圧、特別高圧機器 |
---|---|
B種接地工事 | 変圧器(一次二次の混触事故時の危険防止)
|
C種接地工事 | 300Vを超える機器
|
D種接地工事 | 300V以下の機器
|
接地線の太さ
機械的強度 | |
耐食性 | |
電流容量 |
- の三つの要素から考えますが、主として③に重点を置いて定めています。
接地工事の種類
接地工事とは電気設備と大地間を電気的に接続することを差します。漏電による感電防止や異常電圧の抑制などを目的としており、機器の種類や電圧などにより接地工事の種類が分かれています。
- 電技解釈第17条第1項
A種接地工事は、特別高圧計器用変成器の2次側電路、高圧または、特別高圧用機器の金属製外箱等の接地等、高圧電路の侵入の恐れがあり、かつ、危険度の高い場合に要求されるものにおいて施すものである。接地抵抗値は10Ω以下。
- 電技解釈第17条第2項
B種接地工事は、高圧又は特別高圧が低圧と混触する恐れがある場合に、低圧電路の保護のために施設されるものである。混触の際に、接地線に高圧または特別高圧電路の短絡電流がながれた場合の電位上昇による低圧機器の絶縁破壊を防止するため、設置店の電位が150V(一次側が高圧または35kV以下の特別高圧電路であって、150Vを超えたときに1秒を超え2秒以内に自動的に遮断する場合は300V、一秒以内に遮断する場合は600V)を超えないようにしたもの。
- 電技解釈第17条第3項
C種接地工事は、300Vを超える低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電による感電の危険度の大きい場合に施設されるものであり、接地抵抗値は10Ω以下。
- 電技解釈第17条第4項
D種接地工事は、300V以下の低圧用機器の金属製外箱等の接地など、漏電の際に、簡単なものでも接地工事を施してあれば、これによって感電等の危険を減少させることがでいる場合に施すものであり、接地抵抗値は100Ω以下。
A種接地工事 |
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---|---|
B種接地工事 |
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C種接地工事 |
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D種接地工事 |
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接地線は,容易に腐食しない金属線である必要があり、自然腐食、電食、海水腐食などの要因を考慮しなければならない。
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まとめ
- 接地工事の要点
接地工事の種類
- A種接地工事
引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線
- B種接地工事
引張り強さ2.46kN以上の金属線または直径4.0mm以上の軟銅線
(高圧電路または使用電圧が15000V以下の特別高圧架空電線路の電路と低圧電路とを変圧器により結合する場合は引張り強さ1.04kN以上の金属線または直径2.6mm以上の軟銅線)
- C種接地工事
引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線
- D種接地工事
引張り強さ0.39kN以上の金属線または直径1.6mm以上の軟銅線
- 接地工事が必要な場所
A種接地工事:避雷針、避雷器、高圧、特別高圧機器
B種接地工事:変圧器(一次二次の混触事故時の危険防止)
C種接地工事:300Vを超える機器
D種接地工事:300V以下の機器
- 銅線に短時間電流が流れた場合の温度上昇
θ=0.008×(I/A)2×t
θ :銅線の温度上昇[°C]
I:電流[A]
A:導体の断面積[㎟]
t:通電時間[秒]
(2)計算条件
- 接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の20倍とする。
- 過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、0.1秒以下で切れるものとする。
- 故陣電流が流れる前の接地線の温度は30°Cとする。故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、150°Cとする。(従って許容温度上昇は、120°Cとなる。)
- (1)の計算式に計算条件を当てはめた場合
120=0.008(20×In/A)2×0.1
A=0.052×In
- 接地線サイズ計算の手順
- 過電流遮断器のトリップサイズを確認する
- トリップサイズ×0.052を行う
- 計算結果を接地線サイズとする
配線用遮断器トリップ値が175Aの場合・・・
175×0.052=9.1
9.1≒14となり接地線サイズ14㎟となります。