饋電盤って字が難しいですよね。
高圧分岐に必要機器って何があるの?
- 将来計画の高圧分岐について検討されている方
- 改修工事で高圧分岐を検討されている方
- 高圧饋電盤の必要な中身について知りたい方
- 高圧饋電盤とは何か調べている方
- 高圧饋電盤の検討方法
- 必要な開閉器・継電器の選定方法
高圧き電盤の選定方法
高圧饋電盤には次の二つの検討事項について考慮する必要があります
- 開閉器の選定
- 継電器の選定
開閉器の種類
対応可能な機能について
開閉器を選定する場合、求める機能によって各々の選定が決まります
次の表を見たときに必要な機能・項目によって可否は異なるため
件名・規模によって必要な機能を判断し選定する必要がありますが
主な判断要素として下記項目が挙げられます。
設置条件(が必要な場合) | VCB | LBS+PF |
過電流保護 | 〇 | × |
短絡保護 | 〇 | 〇 |
時限協調・投入時限 | 〇 | × |
インターロック | 〇 | × |
コスト | 高い | 低い |
通常の選定を考慮し下記の場合にて比較しています
- VCB(固定型)
- LBS+PF(引き外し機能なし)
過電流保護の目的について
過電流保護機能を持たせる。とは
高圧受変電設備の負荷側で過電流が発生した場合、
故障部分・範囲のみを切り離すことで
他の機器や系統への波及事故を防ぐことができます。
短絡電流又は過電流が発生した場合、
計器用変流器(CT)を経由し過電流継電器(OCR)にて検出することができます。
その信号を遮断器(CB)に送り動作させることで系統から切り離すことができます。
この機能を過電流保護機能といいます。
そのため過電流保護機能が必要な場合
CB +(OCR+CT)が必要となります
下記のようなLBSを接続した結線では過電流が発生した際、過電流継電器の検出信号を送っても動作させることはできません。つまり過電流保護ができないため、過電流保護が必要な場合は、必然的にCBにて選定する必要があります。
過電流保護に必要な機器
OCR|過電流継電器(Over Current Relay)
電路の短絡や過電流による短絡電流・過電流を変流器により検出し、設定した電流値の大きさによって動作する継電器です。
地絡保護の目的について
地絡保護機能を持たせる。とは
地絡事故が発生した場合、故障部分・範囲のみを切り離すことで
他の機器や系統への波及事故を防ぐことができます。
地絡事故が発生した場合、地絡継電器(GR)にて検出することができます。
その信号を遮断器(CB)に送り動作させることで系統から切り離すことができます。
この機能を地絡保護機能といいます。
そのため地絡保護機能が必要な場合
CB+(GR or DGR+ZCT)が必要となります
地絡保護に必要な機器
機器の組み合わせ選定方法
保護継電器選定のパターン
必要な機能 | 必要な機器 | |
地絡保護 | DR | |
地絡保護(もらい事故防止) | ZCT | DGR |
短絡・過電流保護 | CT | OCR |
設置条件(が必要な場合) | VCB | LBS+PF |
過電流保護 | 〇 | × |
短絡保護 | 〇 | 〇 |
時限協調・投入時限 | 〇 | × |
インターロック | 〇 | × |
コスト | 高い | 低い |
地絡保護機能の選定基準
- 高圧ケーブルとクレーン等の接触事故
- 小動物がケーブルをかじるなど
配線経路で地絡事故が懸念される場合
地絡継電器を設置します
地絡方向継電器の選定基準
- 高圧ケーブルの距離が長い場合
- もらい事故が懸念される場合
地絡方向継電器を設置します
過電流継電器の選定基準
- 短絡・過電流保護が必要な場合
過電流継電器を設置します
継電器が不要・省略したい場合
地絡保護と過電流保護は電気系統の保護に用いるため設置するのが通常です。
しかし設置義務はないため下記条件を十分考慮し外す検討をすることは可能です。
- 同じ電気室の場合
同じ電気室内なのでケーブル事故の発生率が比較的低いものと想定する
- 高圧ケーブルが金属管で保護されている場合(ひっかけ事故の可能性が低い)
受変電が屋上などでケーブルが金属管で保護されておりケーブル事故の発生率が比較的低いものと想定する
などのケーブル事故発生の可能性が低い場合や保護機能が満たされている場合は継電器の省略を検討可能です。
制御が必要な場合
インターロックや時限投入が必要な場合、制御が可能なVCBが必要となります。
- 時限投入
大型現場などサブ変電所が複数ある場合、停電後の復電などで一斉投入した場合、励磁突入電流が発生し主VCBの不要動作が発生する可能性があります。
励磁突入電流の発生を防ぐため、順次投入を行う場合があります。
関連記事
まとめ
検討すべき項目と機能
設置条件(が必要な場合) | VCB | LBS+PF |
過電流保護 | 〇 | × |
短絡保護 | 〇 | 〇 |
時限協調・投入時限 | 〇 | × |
インターロック | 〇 | × |
コスト | 高い | 低い |
機能に必要な機器
必要な機能 | 必要な機器 | |
地絡保護 | DR | |
地絡保護(もらい事故防止) | ZCT | DGR |
短絡・過電流保護 | CT | OCR |
地絡保護機能の選定基準
- 高圧ケーブルとクレーン等の接触事故
- 小動物がケーブルをかじるなど
地絡方向継電器の選定基準
- 高圧ケーブルの距離が長い場合
- もらい事故が懸念される場合
過電流継電器の選定基準
- 短絡・過電流保護が必要な場合
継電器が不要・省略したい場合
- 同じ電気室の場合
- 同じ電気室内なのでケーブル事故の発生率が比較的低いものと想定する
- 高圧ケーブルが金属管で保護されている場合(ひっかけ事故の可能性が低い)
制御が必要な場合(VCBが必要)
- インターロック
- 時限投入