新人の学習ルート
読む順番に迷ったら、マイページのルートに沿って進められます
進み方を見る →

部屋に入ってスイッチを押せば、天井が明るくなる。毎日使う照明ですが、「シーリングとダウンライトの違いは?」「何畳用ってどう選ぶ?」「図面の丸や黒丸は?」と聞かれると、意外と答えに詰まります。この記事では、ものとしての照明器具、明るさと光の色、図面の記号、用途を、使っている場面の動く図解でほどきます。コンセント、スイッチ、電線とケーブル、分電盤とブレーカーに続く、超基本の5本目です。

結論

照明器具は光源+器具+取付けでできていて、いまはLEDが主流です。選ぶときは取付け方・明るさ(lm)・光の色(K)の3つを見ます。図面では丸と長円で描き、黒丸は非常用照明です。

  • 取付け方で5種類:シーリング、ダウンライト、ペンダント、スポット、ブラケット
  • 家のシーリングライトは、天井の引掛シーリングに差して回すだけ
  • 明るさはlm(6畳で2,700〜3,700lm)、色はK(電球色・昼白色・昼光色)
  • 停電すると非常用照明(建築基準法)が点き、誘導灯(消防法)が出口を示す
この記事で押さえる5つのこと
項目を押すと、その章へ飛びます。図はすべて使っている場面の動く図解で、押すと大きく見られます。

この図の読み方

くり返し動きます。左から、もの・記号・用途の順です。

  1. もの:光源+器具+取付け。いまはLEDが主流
  2. 記号:丸と長円が基本、黒丸は非常用照明
  3. 用途:広さでlm、過ごし方でKを選ぶ

動く図解で学ぶ電気設備照明設備の動く図解7本を、まとめて見られます見る →

用語集で調べる:照度光束色温度非常用照明

照明器具とは ― 光源+器具+取付けの3つ

照明器具は、光を出す光源、光の広がり方を決める器具(灯具)、天井や壁に留める取付けの3つでできています。壁のスイッチを押すと、天井裏の配線を通って電気が器具に届き、光源が光ります。

図の見どころ

スイッチを押すと電気が器具に届き、机の上が明るくなります。

  1. 光源はLEDが主流。蛍光灯・白熱灯は置き換えが進む
  2. 器具のカバーや反射板で、光が広がる範囲が変わる
  3. 取付けは引掛シーリング・ねじ止め・埋込み
光源 寿命の目安 いまの位置づけ
LED 約40,000時間 主流。少ない電力で明るい
蛍光灯 約6,000〜12,000時間 2027年末までに製造・輸出入が禁止される
白熱電球 約1,000〜2,000時間 省エネのためLEDへの置き換えが進む
寿命は一般的な目安で、製品によって違います。

動く図解で見る:器具の選定 ― 光源・配光・取付けで選ぶ照明器具を選ぶ順番を動く図解で(照明設備のページへ)

ここまでのポイント
  • 照明器具は光源+器具+取付け
  • 光源はLEDが主流
  • スイッチで電気の通り道を開け閉めして点け消しする

ものとしての照明器具 ― 取付け方で5種類

照明器具は、どこに、どう付けるかで呼び方が変わります。天井に直付けするシーリングライト、天井に埋め込むダウンライト、コードで吊るペンダント、レールで向きを変えるスポットライト、壁に付けるブラケットの5つが基本です。事務所では、直管形のベースライトが天井に並びます。

種類の見分け方

番号の順に、器具が点いていきます。

  1. 天井に付ける・埋める・吊るで、光の広がりが変わる
  2. ダウンライトは光が下に集まり、天井がすっきり
  3. スポットは絵や壁を照らし、ブラケットは壁ぎわを明るく

家のシーリングライトは「差して、回す」

住宅の天井には、引掛シーリングという受け口が付いていることが多く、シーリングライトはここに差し込んで右に回すだけで取り付けられます。器具の付け外しは資格なしでできますが、受け口そのものの取付けや交換、電線に直接つなぐ器具の取付けは電気工事士の工事です。

付け方の手順

差し込んで右に回すとカチッと留まり、本体をはめて点灯します。

  1. 受け口の穴にアダプタを合わせて押し上げる
  2. 右に回してカチッ。外すときは左に回す
  3. 受け口そのものの交換は電気工事士の工事
ひっかけ注意
「蛍光灯の器具にLEDランプを挿せば済む」とは限りません。
蛍光灯の器具は点灯方式(グロー式・ラピッド式・インバーター式)が違い、そのまま使えるLEDランプと、器具の中の配線を変える工事が要るものがあります。合わないランプを挿すと、ちらつきや故障の原因になります。迷ったら器具ごとLEDに替えるのが確実です。
ここまでのポイント
  • シーリング・ダウンライト・ペンダント・スポット・ブラケット
  • 引掛シーリングなら差して回すだけ
  • 受け口の交換や直結は電気工事士の工事


明るさはlm、光の色はK

照明の明るさは、器具から出る光の量=光束(lm:ルーメン)で比べます。LEDは少ない電力で明るいので、W(ワット)では比べません。家のシーリングライトは「〜6畳」「〜8畳」のように適用畳数で表示され、日本照明工業会の表示基準で明るさの範囲が決まっています。

適用畳数 明るさ(定格光束)の目安
〜4.5畳 2,200〜3,200lm
〜6畳 2,700〜3,700lm
〜8畳 3,300〜4,300lm
〜10畳 3,900〜4,900lm
〜12畳 4,500〜5,500lm
〜14畳 5,100〜6,100lm
住宅用LEDシーリングライトの目安(日本照明工業会の適用畳数表示基準)。

もう1つが光の色(色温度)で、単位はK(ケルビン)です。数字が小さいほど赤っぽく温かい色、大きいほど青白くすっきりした色になります。同じ部屋でも、色でくつろげるか、作業しやすいかが変わります。

色の選び方

同じ食卓が、電球色 → 昼白色 → 昼光色 と変わります。

  1. 電球色(約2,700K)は、くつろぐ食卓や寝室に
  2. 昼白色(約5,000K)は、自然な色で居間に
  3. 昼光色(約6,500K)は、勉強や細かい作業に
光の色 色温度の範囲 向いている場所
電球色 約2,600〜3,250K 寝室・食卓・玄関
温白色 約3,250〜3,800K 居間・和室
白色 約3,800〜4,500K 洗面・キッチン
昼白色 約4,600〜5,500K 居間・事務所
昼光色 約5,700〜7,100K 勉強部屋・作業場
色温度の範囲は JIS Z 9112 による。色を切り替えられる調色タイプの器具もあります。
たとえるなら
明るさ(lm)はシャワーの水の量、光の色(K)はお湯の温度
水の量を増やしても、お湯の温度は変わりません。照明も同じで、lmを上げると明るくなり、Kを変えると色合いが変わります。2つは別々に選べます。

事務所や工場の明るさ(照度 lx)の決め方は照度基準の早見表、住まいの照明の選び方は照明計画の完全ガイドで解説しています。

動く図解で見る:照明設計の全体フローと必要照度「どこを、何ルクスに」から始める(照明設備のページへ)

ここまでのポイント
  • 明るさはlmで比べる(Wではない)
  • 6畳なら2,700〜3,700lmが目安
  • 色はK。電球色は温かく、昼光色は青白い


図面ではこう描く ― 丸と長円、黒丸は非常用

図面(JIS C 0303)では、照明器具を丸で描くのが基本です。直管形のベースライトは長円、壁付は壁側を塗った丸で描き、中の文字で種類を表します(CL=シーリングライト、DL=ダウンライト)。黒丸は停電のときに点く非常用照明、丸に×を入れて上下を塗った記号は誘導灯です。

記号の見どころ

記号が1つずつ光ります。

  1. 丸が基本。CL・DLの文字で種類がわかる
  2. 壁付は壁側だけ塗る。全部塗ると非常用照明
  3. 誘導灯は丸に×、上下を塗る(消防法の設備)
記号 意味
丸 一般の照明(白熱灯形)
丸にCL シーリングライト(天井直付)
丸にDL ダウンライト(埋込)
丸に横線 ペンダント
壁側を塗った丸 壁付(ブラケット)
長円 直管形(蛍光灯形・ベースライト)
黒丸 非常用照明
丸に×・上下を塗る 誘導灯
出典:JIS C 0303:2000。LEDの器具も一般にこの記号で描き、種類は傍記や凡例で示します。

プロット図では、記号の横に器具表の符号(A・B)と点滅区分(イ・ロ)が付きます。Aは器具表の行(品名・明るさ・台数)、イ・ロは同じ文字のスイッチで点け消しするグループです。

プロット図の読み方

「イ」を押すと窓側、「ロ」を押すと内側の列が点きます。

  1. Aは器具表の行。品名・明るさ・台数を引く
  2. イ・ロは同じ文字のスイッチで点け消し
  3. 昼間は窓側(イ)だけ消せるように分ける
ひっかけ注意
「半分塗り」と「全部塗り」は別の器具です。
壁側だけ塗った丸は壁付(ブラケット)、全体を塗った黒丸は非常用照明です。塗り方ひとつで、根拠の法律も回路も変わります。

記号の一覧は照明器具の図記号一覧、プロット図での読み方は【プロット図の見方③】照明器具と【プロット図の見方⑩】誘導灯、器具表と照度計算書は照明図・器具表・照度計算書の読み方で詳しく解説しています。

動く図解で見る:照明器具の図記号丸・長円・塗り方を動く図解で(図面の読み方・描き方のページへ)

ここまでのポイント
  • 丸が基本、直管形は長円、壁付は壁側を塗る
  • 黒丸は非常用照明、丸に×と上下塗りは誘導灯
  • 横のAは器具表、イ・ロは点け消しのグループ


用途で選ぶ ― 部屋ごとの照明と、停電のとき

照明は、部屋でどう過ごすかで選びます。居間は部屋全体を照らすシーリングライト、食卓は手元を照らすペンダント、廊下やトイレは人感センサー付のダウンライト、玄関の外は防雨形のブラケットがよく使われます。事務所では直管形のベースライトを並べ、明るさは照度(lx)で決めます。

場所 よく使う器具 光の色の目安
居間 シーリングライト・ダウンライト 昼白色〜電球色(調色が便利)
食卓 ペンダント 電球色
寝室 シーリングライト(調光) 電球色
廊下・トイレ ダウンライト(人感センサー付) 電球色
玄関の外 ブラケット(防雨形・センサー付) 電球色
事務所 ベースライト(直管形) 昼白色
倉庫・工場 高天井用のLED器具 昼白色
色は一例。調光(明るさを変える)・調色(色を変える)ができる器具もあります。

ビルや店舗には、ふだんの照明とは別に、停電や火災のときのための照明があります。非常用照明は建築基準法の設備で、停電すると電池などで自動的に点き、避難する床を照らします。誘導灯は消防法の設備で、ふだんから点いていて、避難口や避難の方向を示します。

停電のとき

停電すると一般の照明が消え、非常用照明が点き、人は誘導灯の出口へ向かいます。

  1. 非常用照明は停電で点く。30分以上、床を1lx以上(LED・蛍光灯は2lx)
  2. 誘導灯はふだんから点灯。停電時は電池で20分以上
  3. 大規模な建物の誘導灯は60分以上

非常用照明の品番の選び方は非常用照明器具の仕様別 品番星取表、照明設計の進め方は【照明設備の設計マニュアル①】全体フローと必要照度で解説しています。

動く図解で見る:非常照明・誘導灯停電のときに点く2つの設備(照明設備のページへ)

ここまでのポイント
  • 居間はシーリング、食卓はペンダント、廊下はセンサー付ダウンライト
  • 事務所は直管形のベースライト
  • 停電で非常用照明が点き、誘導灯が出口を示す


読み違えやすいところ

よくある読み違い

  1. W(ワット)で明るさを比べる:LEDの明るさはlm(ルーメン)で比べます。
  2. Kが大きいほど明るいと思う:Kは光の色。大きいほど青白くなるだけです。
  3. 受け口の交換も自分でできると思う:器具の付け外しは資格不要、受け口の交換は電気工事士の工事です。
  4. 黒丸を壁付と読む:全部塗った黒丸は非常用照明。壁付は壁側だけ塗ります。
  5. 蛍光灯は使うのも禁止と思う:禁止されるのは製造と輸出入。使い続けることは禁止されていません。

動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、照明の選び方や図面の読み方を動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。

動く図解のジャンル一覧を見る →

よくある質問

照明器具とは何ですか?

光を出す光源(いまはLEDが主流)と、光の広がりを決めるカバーや反射板などの器具(灯具)、天井や壁に付けるための取付け部分をまとめたものです。取付け方によって、シーリングライト、ダウンライト、ペンダント、ブラケット、スポットライト、ベースライトなどに分かれます。

シーリングライトは自分で付けられますか?

天井に引掛シーリング(受け口)があれば、器具のアダプタを差し込んで回すだけなので、資格なしで付け外しできます。受け口がない、電線に直接つなぐ器具を付けたい、受け口そのものを交換したいといった場合は、電気工事士の工事になります。

何畳用の照明を選べばいいですか?

日本照明工業会の表示基準では、LEDシーリングライトの明るさ(定格光束)の目安を、6畳で2,700〜3,700lm、8畳で3,300〜4,300lm、10畳で3,900〜4,900lm、12畳で4,500〜5,500lmとしています。部屋の広さに合う畳数表示の器具を選び、勉強や作業をする部屋は一段上を選ぶと安心です。

電球色・昼白色・昼光色の違いは何ですか?

光の色(色温度)の違いで、単位はK(ケルビン)です。JIS Z 9112では、電球色はおよそ2,600〜3,250K、昼白色は4,600〜5,500K、昼光色は5,700〜7,100Kです。数字が小さいほど赤っぽく温かい色、大きいほど青白い色になり、電球色は食卓や寝室、昼白色は居間、昼光色は勉強や細かい作業に向きます。

蛍光灯は使えなくなるのですか?

水銀に関する水俣条約を受けて、一般照明用の蛍光ランプは種類ごとに順次、2027年末までに製造と輸出入が禁止されます。いま付いている蛍光灯を使い続けることや、在庫品を買うことは禁止されていません。ただし交換用のランプが手に入りにくくなるので、器具ごとLEDに替える計画を立てておくと安心です。

非常用照明と誘導灯はどう違いますか?

非常用照明は建築基準法の設備で、停電すると電池などで自動的に点き、避難する床を照らします(30分以上)。誘導灯は消防法の設備で、ふだんから点いていて、避難口や避難の方向を示します(停電時は電池で20分以上、大規模な建物は60分以上)。図面では非常用照明は黒丸、誘導灯は丸に×を入れて上下を塗った記号で描きます。

30秒アンケートこの記事は役に立ちましたか?

タップするだけで完了します。あなたの声でこのサイトは育ちます。

この記事に関連する無料ツール

次に読むならこれ電線管(配管)とは?種類・太さ・図面の描き方・用途を動く図解で超基本から新人教育
次はこれ
新人マイページで進捗とノートを残す →読んだ記事は自動で記録されます。ノートは端末に保存され、書き出せます。
ABOUT ME
HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。