電線管(配管)とは?種類・太さ・図面の描き方・用途を動く図解で超基本から
壁の中や天井の上、コンクリートの床の中。電線はむき出しで通っているのではなく、多くは電線管という管の中を通っています。現場では「配管」と呼ぶこの管、「PFとCDは何が違う?」「図面の(E19)は?」と聞かれると、意外と答えに詰まります。この記事では、ものとしての電線管、太さの決め方、図面の描き方、用途を、使っている場面の動く図解でほどきます。電線とケーブル、分電盤とブレーカー、照明器具に続く、超基本の6本目です。
結論
電線管は電線を守り、あとから入れ替えられる通り道です。金属管・合成樹脂管・可とう電線管の3つの仲間を場所で選び、太さは中の電線で決めます。図面では線の横のカッコ(E19)で書きます。
この図の読み方
くり返し動きます。左から、もの・記号・用途の順です。
- もの:電線を守り、あとで入れ替えられる通り道
- 記号:線の横のカッコで管の種類と太さ
- 用途:埋込み・隠ぺい・露出・屋外で選ぶ
電線管とは ― 電線を守り、あとから入れ替える通り道
電線管は、電線を中に通して守るための管です。建物を建てるときに、先に壁や天井、コンクリートの中へ管を敷いておき、仕上げのあとで呼び線(細い鋼の線)を通して、電線を引き込みます。管の中の電線は、傷や熱から守られるうえ、あとから入れ替えることもできます。
通線の手順
呼び線を通してから、電線を結んで引き込みます。
- 管は先に敷く。電線はあとから通す
- 呼び線を押し込み、先に電線を結んで引く
- 同じ道を通るので、あとで入れ替えもできる
IVのような絶縁電線は、管などに入れて使うのが決まりです。VVFのようなケーブルは管なしでも配線できますが、傷みやすい場所では守るために管に入れます(電線とケーブルの違いは電線とケーブルとはで)。
動く図解で見る:電線管の種類と使い分け管の仲間を場所で選ぶ動く図解(施工・現場のページへ)
- 電線管は電線を守る通り道
- 管を先に敷き、呼び線で電線を引き込む
- 絶縁電線(IV)は管に入れて使う
ものとしての電線管 ― 3つの仲間と、つなぐ部品
電線管は、金属管、合成樹脂管、曲がる金属製可とう電線管の3つの仲間に分けると覚えやすくなります。金属管は丈夫で、合成樹脂管は軽くさびません。PF管とCD管は手で曲げられる可とう管で、CD管はオレンジ色のコンクリート埋込み専用です。
仲間の見分け方
7つの管が順に光ります。
- 金属管は G(厚鋼)・C(薄鋼)・E(ねじなし)
- 合成樹脂管は VE(硬い)・PF と CD(たわむ)
- プリカは金属のらせんで、機器のそばで曲げる
| 管 | 記号 | 太さの呼び(例) |
|---|---|---|
| 厚鋼電線管 | G | 16・22・28・36・42(偶数) |
| 薄鋼電線管 | C | 19・25・31・39・51(奇数) |
| ねじなし電線管 | E | 19・25・31・39・51(奇数) |
| 硬質ビニル電線管 | VE | 14・16・22・28・36・42 |
| PF管・CD管 | PF・CD | 14・16・22・28・36・42 |
| 2種金属製可とう電線管 | F2 | 10・12・15・17・24・30 |
つなぐ部品 ― 電線をつなぐのはボックスの中
管は、コネクタでボックスに、カップリングで管どうしをつなぎ、サドルで壁や天井に留めます。電線をつなぐのはボックスの中だけで、管の途中ではつなぎません。
部品の役目
管がボックスに差さり、管どうしがつながり、サドルで留まります。
- コネクタで管とボックス
- カップリングで管と管
- サドルで壁に留める。電線の接続はボックスの中
工事のルールは金属管工事、合成樹脂管工事、金属可とう電線管工事で詳しく解説しています。
動く図解で見る:金属管の接続材料コネクタ・カップリング・サドルを動く図解で(施工・現場のページへ)
- 金属管・合成樹脂管・可とう電線管の3つの仲間
- CD管はオレンジ色、コンクリート埋込み専用
- 電線をつなぐのはボックスの中だけ
太さは、中の電線で決める
管の太さは、中に入れる電線の種類・太さ・本数で決めます。ふだんは電線管サイズの早見表で引きます。表で引けないとき(太さの違う電線をまとめて入れるときなど)は、電線の断面積(被覆を含む)の合計が、管の内側の断面積の32%以下になる太さを選ぶのが目安です。
太さの決め方
電線を1本ずつ入れていき、32%を超えたら1つ太い管に替えます。
- 電線を入れるほど、管の中が埋まっていく
- 32%を超えたら1つ太い管へ
- 余裕がないと、電線を引くときに傷つく
電線の種類ごとの太さは電線管サイズ選定の早見表とIV配管サイズ早見表で引けます。
- 太さは中の電線の種類・太さ・本数で決める
- ふだんは早見表で引く
- 目安は電線の断面積の合計が32%以下
図面では、線とカッコで描く
図面(JIS C 0303)では、配線の線の種類で通る場所を、線を横切る斜線の数で電線の本数を、線の横のカッコで管の種類と太さを表します。(E19)なら「呼び19のねじなし電線管」です。
図面の読み方
線が引かれ、斜線とカッコが順に現れます。
- 実線は天井の中、破線は床の中、細かい破線は露出
- 斜線3本と1.6で、直径1.6mmの電線が3本
- (E19)は呼び19のねじなし電線管
| カッコの記号 | 管の種類 | 例 |
|---|---|---|
| E | ねじなし電線管 | (E19) |
| PF | 合成樹脂製可とう電線管(PF管) | (PF16) |
| CD | 合成樹脂製可とう電線管(CD管) | (CD22) |
| VE | 硬質ビニル電線管 | (VE16) |
| F2 | 2種金属製可とう電線管 | (F217) |
線の種類と斜線の読み方は【プロット図の見方⑤】配線の線種で詳しく解説しています。
動く図解で見る:プロット図の見方⑤ 配線の線種線の種類・斜線・カッコを動く図解で(図面の読み方・描き方のページへ)
- 線の種類で通る場所
- 斜線の数で電線の本数
- カッコで管の種類と太さ(E19)
用途で選ぶ ― 場所ごとの管と、曲がりのルール
電線管は、どこを通すかで選びます。コンクリートの床や壁の中はCD管、天井や壁の中はPF管、機械室や駐車場の露出はねじなし電線管、屋外の露出はさびない硬質ビニル管、振動するモーターなどの機器へはプリカでつなぎます。
場所ごとの使い分け
番号のピンが順に立ち、場所ごとの管が光ります。
- コンクリートの中はCD管、天井の中はPF管
- 露出は、屋内ならE、屋外ならVE
- モーターへはプリカで振動を逃がす
| 場所 | よく使う管 |
|---|---|
| コンクリートの中 | CD管・PF管 |
| 天井や壁の中(隠ぺい) | PF管・VE管 |
| 屋内の露出(機械室・駐車場) | ねじなし電線管(E)・VE管 |
| 屋外の露出 | VE管・厚鋼電線管(G) |
| 地中 | 波付硬質合成樹脂管(FEP) |
| モーター・機器のそば | 2種金属製可とう電線管(プリカ) |
管のルートにも決まりがあります。管の曲がりが多いと電線が通らなくなるので、直角の曲がりは1区間で3か所(合計270°)までとし、それを超えるときや、管の長さが30mを超えるときは、途中にプルボックスを入れて区切ります。
曲がりのルール
3か所曲がったら、次の曲がりの位置にプルボックスを入れて数え直します。
- 直角の曲がりは1区間3か所(270°)まで
- 超えるならプルボックスで区切って数え直す
- 30mを超えるときもプルボックス
プルボックスの大きさの決め方はプルボックスのサイズ選定・計算方法で解説しています。
- 埋込みはCD、隠ぺいはPF、露出はEやVE
- 機器のそばはプリカ、地中はFEP
- 曲がり3か所・30mを超えたらプルボックス
読み違えやすいところ
よくある読み違い
- CD管を露出や天井の中に使う:CD管はコンクリート埋込み専用。露出や隠ぺいはPF管です。
- 管の途中で電線をつなぐ:電線の接続はボックスの中だけです。
- 厚鋼と薄鋼の呼びを取り違える:厚鋼は偶数、薄鋼とねじなしは奇数です。
- (E19)を電線の太さと読む:カッコの中は管の種類と太さ。電線の太さは線の下の数字です。
- 曲がりをいくつでも入れる:直角の曲がりは3か所まで。超えたらプルボックスです。
動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、配管やボックスの施工を動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。
よくある質問
電線管とは何ですか?
電線を中に通して守るための管です。先に壁や天井、コンクリートの中に管を敷いておき、あとから呼び線を使って電線を引き込みます。電線を傷や火から守るだけでなく、管の中の電線はあとから入れ替えることもできます。
PF管とCD管の違いは何ですか?
どちらも曲げられる合成樹脂製可とう電線管ですが、PF管は燃えにくい(自己消火性がある)ので露出・隠ぺい・コンクリート埋込みのどこでも使えます。CD管は燃えにくくないので、コンクリートに埋め込む専用です。見分けやすいように、CD管はオレンジ色です。
厚鋼電線管と薄鋼電線管の違いは何ですか?
厚鋼電線管は肉厚が厚く頑丈で、屋外や工場など丈夫さが必要な場所に使います。太さの呼びは偶数(16・22・28…)です。薄鋼電線管は肉厚が薄めで主に屋内に使い、呼びは奇数(19・25・31…)です。ねじを切らずに専用の部品でつなぐねじなし電線管(E)も、呼びは奇数です。
電線管の太さはどう決めますか?
中に入れる電線の種類・太さ・本数から、電線管サイズの早見表で引きます。表で引けないとき(太さの違う電線をまとめて入れるときなど)は、電線の断面積(被覆を含む)の合計が、管の内側の断面積の32%以下になる太さを選ぶのが目安です。
図面の(E19)は何を意味しますか?
配線の線の横にあるカッコは、電線を通す管の種類と太さです。Eはねじなし電線管、19は太さの呼びで、(E19)は「呼び19のねじなし電線管」です。同じように(PF16)はPF管の16、(VE22)は硬質ビニル電線管の22を表します。
管の中で電線をつないでもいいですか?
いいえ。電線の接続は、ボックスの中で行います。管の途中に接続点を作ると、点検できず、発熱や故障の原因になるからです。管と管はカップリング、管とボックスはコネクタでつなぎ、電線はボックスの中でつなぎます。
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