エアコン・IHの電源とは?専用回路・200V・コンセントの形・図記号を動く図解で超基本から
エアコンを買ったら「専用コンセントが要ります」、IHにしたら「200Vの工事が要ります」。そう言われて、何のことかわからなかった経験はありませんか。この記事では、大物の家電の電源に欠かせない専用回路と200Vを、コンセントの形、図面の記号、家の中の使い分けまで、使っている場面の動く図解でほどきます。コンセントと分電盤とブレーカーをつなぐ、超基本の9本目です。
結論
エアコンやIHのような大物は、1台で1回路の専用回路にします。200Vは単相3線式の赤と黒の間から取り出し、同じ力なら電流は100Vの半分。コンセントは穴の形が違い、図面では横に20A250Vと書きます。
- 共用すると、同時に使ったときにブレーカーが落ちる
- 200Vにしても電気代は2倍にならない。電流が半分で電線が熱くなりにくい
- 200V用のコンセントは穴が横に一直線。100Vのプラグは差さらない
- IHは200V・30A、大きい部屋のエアコンは200V・20Aの専用回路が多い
この図の読み方
くり返し動きます。左から、もの・記号・用途の順です。
- もの:大物は1台で1回路の専用回路
- 記号:コンセントの横に20A250V
- 用途:エアコン・IH・給湯機・EVは200Vが多い
専用回路とは ― 大物は1台で1回路
家のコンセントは、分電盤のブレーカー1つ(ふつうは20A)から、いくつかのコンセントにまとめて電気を送っています。そこにエアコンと電子レンジのような大物を一緒につなぐと、同時に使ったときに20Aを超えてブレーカーが落ちます。怖いのは、落ちないぎりぎりの電流が流れ続けて、壁の中の電線や接続部が熱くなることです。そこで大物は、ブレーカー1つから1台だけにつなぐ専用回路にします。
専用回路の効き目
左は共用の回路、右は専用回路。同じエアコンでも結果が変わります。
- 共用だと、電子レンジを足したとたんに20Aを超える
- ブレーカーが落ちて、部屋ごと止まる
- 専用回路なら、エアコン1台分の電流で余裕がある
| 専用回路にする機器 | 理由 |
|---|---|
| エアコン・IH・電気温水器 | 大きい(電気をたくさん使う) |
| 冷蔵庫 | 止めたくない |
| 洗濯機・食器洗い機・電子レンジ | 水と熱(大きく、水回りで使う) |
| EV充電 | 大きく、長い時間使う |
エアコンの専用コンセントの見分け方と費用はエアコンに専用コンセントが必要な理由と増設費用、回路の分け方は【コンセント設備の設計マニュアル③】回路分割で解説しています。
動く図解で見る:回路分割 ― 専用回路を先に確保する大物から先に抜く順番を動く図解で(コンセント設備のページへ)
- 大物は1台で1回路の専用回路
- 共用すると同時に使ったときに落ちる
- 合言葉は「大きい・止めたくない・水と熱」
100Vと200V ― 同じ3本の線から取り出す
多くの家は、赤・白・黒の3本の線で電気を引き込む単相3線式です。白は大地につながる中性線で、赤と白、黒と白の間は100V、赤と黒の間が200Vになります。同じ家の中で、照明やふつうのコンセントは100V、エアコンやIHは200V、と使い分けられるのはこのためです。
単相3線式のしくみ
3つの取り出し方が順に光ります。
- 赤と白、黒と白の間は100V
- 赤と黒の間は200V
- 白は大地につながる中性線
同じ力(電力)の機器なら、電圧が2倍になると電流は半分で済みます。電流が小さいほど電線は熱くなりにくく、細めの電線で大きな力を送れます。大物の家電に200Vが使われるのはこのためです。
電流が半分になる
同じ2000Wでも、100Vは20A、200Vは10Aが流れます。
- 2000Wの機器で、100Vは20A
- 200Vなら10Aで半分
- 電流が小さいほど電線は熱くなりにくい
家が単相3線式かどうかの確かめ方と200Vへの切替工事は200Vコンセントへの切替工事で解説しています。赤・白・黒の電線の色の意味は電線とケーブルとはでも扱っています。
- 単相3線式なら100Vと200Vの両方が使える
- 200Vは赤と黒の間
- 同じ力なら電流は半分。電気代は2倍にならない
コンセントの形 ― 差し間違いを防ぐ
100Vの機器を200Vのコンセントに差すと壊れてしまうので、コンセントとプラグは電圧と電流ごとに穴の形が決められています。200V用は穴が横に一直線に並び、刃が縦の100V用のプラグは差さりません。
形の見分け方
100Vのプラグは差さらず、200Vのプラグだけがぴったり入ります。
- 100V用は縦の平行な穴
- 200V用は横に一直線の穴
- 形が違うので、差し間違いが起きない
| コンセント | 穴の形 | 使う機器の例 |
|---|---|---|
| 100V 15A | 縦の平行な2つの穴 | 一般の家電 |
| 100V 15A 接地極付 | 縦の2つ+下にU字 | 電子レンジ・冷蔵庫・洗濯機 |
| 100V 20A | 片側がL字 | 大きめの100Vのエアコン |
| 200V 15A・20A | 横に一直線(20Aは形が違う) | 大きい部屋のエアコン・EV充電 |
コンセントの穴の意味はコンセントとは、200V・EV・接地の特殊コンセントは【コンセント設備の設計マニュアル④】で詳しく解説しています。
動く図解で見る:接地と特殊コンセント200V・EVのコンセントを動く図解で(コンセント設備のページへ)
- 電圧と電流ごとに穴の形が違う
- 200V用は横に一直線
- 合わないプラグを変換して差さない
図面では、20A250Vと2P2Eで読む
図面では、コンセントの記号の横に20A250Vのように定格を書いて200V用を表し、接地極付ならEを足します。分電盤の回路表には回路ごとの行き先とブレーカーが並び、200Vの回路は2本とも見張る2P2E、100Vの回路は2P1Eと書かれます。
図面の読み方
コンセントの横の文字と、分電盤の回路表の行が順に光ります。
- コンセントの横の20A250Vで200V・20A
- Eが付けば接地極付
- 回路表の2P2Eが200Vの専用回路
| 書き方 | 読み方 |
|---|---|
| 20A250V | 200V・20Aのコンセント |
| 20A250V E | 200V・20Aの接地極付 |
| E | 接地極付(100V) |
| 2P2E 20A | 200Vの回路のブレーカー |
| 2P1E 20A | 100Vの回路のブレーカー |
コンセントの傍記の読み方は【プロット図の見方②】コンセント、ブレーカーの2P1E・2P2Eは分電盤とブレーカーとはで解説しています。
- 20A250Vは200V・20Aのコンセント
- Eは接地極付
- 200Vの回路のブレーカーは2P2E
用途で見る ― IHと家の中の専用回路
家庭用のIHクッキングヒーターの多くは200V・30Aの専用回路で、分電盤から太い電線(2.6mm以上など)でキッチンへ直接つなぎます。IHにするときは、家全体の契約アンペアの見直しが必要になることもあります。
IHの電源
ブレーカーを入れると、鍋の下のコイルに電気が流れて湯気が上がります。
- 分電盤の2P2E 30Aから専用回路
- 電線は30Aに合う太さ(2.6mm以上など)
- IHは200Vで大きな力を出す
家の中では、大きい部屋のエアコン、IH、エコキュートや電気温水器、EV充電が200Vの専用回路、電子レンジや洗濯機、冷蔵庫などが100Vの専用回路になるのが一般的です。
家の中の使い分け
番号のピンが順に立ち、家の中の専用回路が光ります。
- 200V:大きい部屋のエアコン・IH・給湯機・EV
- 100Vの専用:電子レンジ・洗濯機・冷蔵庫
- 水回りは接地極付(EET)にする
| 機器 | 電圧 | 回路の目安 |
|---|---|---|
| 6〜10畳のエアコン | 100V | 専用 15A〜20A |
| 14畳以上のエアコン | 200V | 専用 20A |
| IHクッキングヒーター | 200V | 専用 30A |
| エコキュート・電気温水器 | 200V | 専用(機種による) |
| EV充電 | 200V | 専用(15A〜20Aなど) |
| 電子レンジ・洗濯機・冷蔵庫 | 100V | 専用 20A(水回りは接地極付) |
EV充電用のコンセントはEVコンセントを自宅に付ける費用と補助金、水回りの接地は接地(アース)とはで解説しています。
動く図解で見る:キッチンのコンセント計画専用回路だらけになる台所を動く図解で(コンセント設備のページへ)
- IHは200V・30Aの専用回路
- 大きい部屋のエアコン・給湯機・EVは200V
- 電子レンジや洗濯機は100Vの専用回路
読み違えやすいところ
よくある読み違い
- 延長コードでエアコンをつなぐ:エアコンは専用コンセントに直接差します。
- 200Vは電気代が2倍と思う:電気代は電力量で決まり、電流が半分になるだけです。
- どの家でも200Vが使えると思う:単相3線式が前提。2線式の家は引込みから工事が要ります。
- 20A250Vを20A・100Vと読む:250Vは200V用のコンセントの定格です。
- 変換プラグで200Vのコンセントに差す:形が違うのは差し間違いを防ぐためです。変換しません。
動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、コンセントや回路の計画を動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。
よくある質問
専用回路とは何ですか?
分電盤のブレーカー1つから、その機器1台だけにつながる回路です。エアコンやIHのように電気をたくさん、長い時間使う機器をほかのコンセントと同じ回路にすると、同時に使ったときにブレーカーが落ちたり、電線が熱くなったりするため、1台で1回路にします。
エアコンはなぜ専用回路が必要なのですか?
エアコンは消費電力が大きく、しかも長い時間続けて運転するからです。ほかの機器と共用すると、同時に使ったときに回路の上限(ふつうは20Aのブレーカー)を超えて落ちたり、上限ぎりぎりの電流が流れ続けて配線や接続部が熱くなったりします。内線規程でも、定格電流の大きい機器には専用の分岐回路を設けることになっています。
家で200Vを使うにはどうすればいいですか?
多くの家は、電気を赤・白・黒の3本で引き込む単相3線式なので、赤と黒の間から200Vを取り出せます。分電盤に200V用のブレーカー(2P2E)を付け、専用回路を引いて200V用のコンセントに替える工事で使えるようになります。2本だけの単相2線式の家は、引込みから変える工事が必要です。工事は電気工事士が行います。
200Vにすると電気代は高くなりますか?
高くなりません。電気代は使った電力量(kWh)で決まり、同じ力の機器なら100Vでも200Vでも使う電力量はほぼ同じです。200Vにすると流れる電流が半分になるので、電線が熱くなりにくくなります。
IHクッキングヒーターの電源は?
家庭用のIHクッキングヒーターの多くは単相200Vで、分電盤から30Aの専用回路を引いてつなぎます。電線は30Aに合う太さ(2.6mm以上など)にします。IHにするときは、契約アンペアの見直しが必要になることもあります。
図面の「20A250V」は何を表しますか?
コンセントの図記号の横に書く文字で、定格が20A・250Vのコンセント、つまり200V用のコンセントであることを表します。Eが付けば接地極付です。分電盤の回路表では、200Vの回路のブレーカーは2P2Eと書かれます。
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