この記事は、連載「引込・受電設備の設計マニュアル」第1回 全体フローと受電方式の判断 の補足解説です。計画全体の流れは 設計・施工マニュアル(目次) からご覧いただけます。
全体像:電圧区分(低圧・高圧・特別高圧)の境界と根拠
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電気の世界で必ず出てくる「低圧・高圧・特別高圧」という3区分。低圧は600V?750V?特別高圧の境目は7000V?——交流と直流で数字が違うこともあって、いざ問われると混乱しがちです。まずは図で全体像をつかみましょう。

低圧・高圧・特別高圧の境界電圧を交流・直流で整理した図解

⚡ 先に結論だけ言うと
低圧=交流600V以下/直流750V以下高圧=低圧を超え7000V以下(代表は6600V)特別高圧=7000V超。ポイントは低圧の上限だけ交直で違う(600V/750V)こと。高圧の上限はどちらも7000Vでそろっています。
🌱 たとえ話
たとえるなら、電圧区分は「道路の制限速度」のようなもの。理論で決まる絶対値ではなく、危険の程度と実用上の必要性の両面から、実態に合わせて区切りが決められています。だからキリのいい数字とは限りません。
見習いペン太
見習いペン太
低圧って600Vでしたっけ750Vでしたっけ…いつも迷います。
はりた
はりた
交流が600V、直流が750Vだよ。直流のほうが少し高い、と覚えるといい。高圧の上限はどっちも7000Vでそろってるんだ。
見習いペン太
見習いペン太
低圧だけ交直で違う、ですね。なんで差があるんですか?
はりた
はりた
成り立ちの違いだよ。直流は路面電車の750Vまでを低圧とし、交流はビル・工場の400V級配電が普及して600Vに格上げされた。歴史的な事情なんだ。
電圧区分の早わかり図解|低圧・高圧・特別高圧の境界(交流600V・直流750V・7000V)
電圧区分(低圧:AC600V/DC750V以下・高圧:〜7000V・特別高圧:7000V超)
図解のポイント:電気設備技術基準の電圧区分は、低圧が交流600V以下・直流750V以下、高圧が交流600V超〜7000V・直流750V超〜7000V、特別高圧が交流直流とも7000V超です。低圧⇔高圧の境は交流600V・直流750V、高圧⇔特別高圧の境は交流直流とも7000Vと覚えます。受電電圧6.6kV(6600V)は高圧に区分され、区分により必要な資格・離隔・保護が変わります(高圧受電は電気主任技術者の選任が必要)。
📱 電圧区分(電技の定義)(要点データ)
低圧
交流600V以下 / 直流750V以下
高圧
交流600V超〜7000V / 直流750V超〜7000V
特別高圧
交流・直流とも 7000V超
補足
受電6.6kV(6600V)は高圧に区分
この記事でわかること
✔ 電圧区分(低圧・高圧・特別高圧)の境界
✔ ① なぜ電圧を区分するのか
✔ ② 各境界の由来
ペン太ペン太
低圧の上限って、交流も直流も同じ600Vですよね?
ハリタハリタ
違います。交流は600V以下、直流は750V以下。低圧でも交直で境界が異なるんです。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 低圧の上限は、交流と直流でそれぞれ何Vか
  • 高圧の上限は、交流と直流で違うのか
  • 受電電圧6600Vは、どの区分に入るか
この記事でわかること
数値だけ確認したい方は、最初の項目から読んでください。

電圧区分(低圧・高圧・特別高圧)の境界

トピック1:電圧区分(低圧・高圧・特別高圧)の境界

電気設備技術基準では、電圧の高さを次の3つに区分します。

  • 低圧:交流600V以下/直流750V以下
  • 高圧:低圧を超え7,000V以下(交流・直流とも)
  • 特別高圧:7,000Vを超えるもの
ここまでのポイント
  • 低圧は交流600V以下、直流750V以下
  • 高圧は低圧を超え7000V以下(交流・直流とも)
  • 特別高圧は7000Vを超えるもの

① なぜ電圧を区分するのか

トピック2:① なぜ電圧を区分するのか
  • 電圧は高くなるほど危険性も高くなる。そこで区分し、区分ごとに安全基準を定めている
  • 境界の電圧値は理論から導いた数値ではなく、危険の程度と実用上の必要性の両面で決められている
  • だから「キリのいい数字」になっているとは限らない
ペン太ペン太
600Vや7,000Vって、何かの理論式から導かれた数字なんですか?
ハリタハリタ
理論ではなく歴史です。路面電車の750Vなど、実用性と安全性から決まりました。
押さえる点内容
区分する理由電圧は高くなるほど危険性も高くなるため、区分ごとに安全基準を定めている
境界値の決まり方理論から導いた数値ではなく、危険の程度と実用上の必要性の両面で決められている
だから「キリのいい数字」になっているとは限らない
ここまでのポイント
  • 電圧は高くなるほど危険性も高くなるため、区分ごとに安全基準を定めている
  • 境界の電圧値は理論から導いた数値ではない
  • 危険の程度と実用上の必要性の両面で決められている

② 各境界の由来

トピック3:② 各境界の由来
区分交流(AC)直流(DC)
低圧600V 以下750V 以下
高圧600V超〜7000V750V超〜7000V
特別高圧7000V 超7000V 超

📌 電気設備技術基準の定義による区分。受電電圧6.6kV(=6600V)は「高圧」に区分されます。

  • 低圧の上限:直流は路面電車の750Vまで、交流は400V級配電の普及で昭和40年ごろ600V以下に格上げ
  • 高圧の上限:戦後に6000V級配電が普及し、昭和24年に上限が3500Vから7000Vへ引き上げ。実際の高圧配電は6600Vが代表的
  • 一般送配電事業者の供給電圧は、低圧が単相100V・100/200V・三相200Vなど、高圧が6600Vが代表
ここがポイント
低圧の上限だけが交直で異なる(交流600V/直流750V)一方、高圧の上限は交直とも7000Vで共通。数字の由来は理論ではなく実態と歴史にある、と捉えると覚えやすくなります。
境界数値その数値になった由来
低圧の上限(直流)750V路面電車で使われる750Vまでを低圧として認めた
低圧の上限(交流)600V400V級配電の普及で、昭和40年ごろ600V以下に格上げ
高圧の上限(交流・直流)7000V戦後に6000V級配電が普及し、昭和24年に3500Vから引き上げ
ここまでのポイント
  • 低圧の上限は、直流が路面電車の750V、交流が400V級配電の普及で600Vに
  • 高圧の上限は、戦後の6000V級配電の普及により昭和24年に3500Vから7000Vへ
  • 実際の高圧配電は6600Vが代表的

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問(FAQ)
Q. 低圧の上限はなぜ交流と直流で違うの?
A. 成り立ちの違いによります。直流は路面電車で使われる750Vまでを低圧として認め、交流はビルや工場の400V級配電の普及に合わせて600V以下に定められたためです。
Q. 高圧の上限が7000Vなのはなぜ?
A. 戦後に6000V級配電が広く普及し、6000V級は3000V級と危険度に大きな差がないことから、昭和24年に上限が3500Vから7000Vへ引き上げられ現在に至ります。
Q. 実際の高圧配電は何Vが多い?
A. 代表的なのは6600Vです。一般送配電事業者が供給する高圧はこの6600Vが中心となっています。

まとめ|低圧の上限だけ、交直で違う

結論です。低圧は交流600V以下・直流750V以下、高圧は7000V以下、特別高圧はそれを超えるものです。交直で数値が違うのは低圧の上限だけで、高圧の上限は交流・直流とも7000Vで共通。この非対称が、いちばん問われるところです。

区分交流(AC)直流(DC)
低圧600V以下750V以下
高圧600V超〜7000V以下750V超〜7000V以下
特別高圧7000V超7000V超

数字の由来で覚える

  • 直流750Vは路面電車から。交流600Vは400V級配電の普及から
  • 高圧7000Vは戦後の6000V級配電の普及から、昭和24年に引き上げられた
  • 理論式ではなく、実態と歴史で決まった数値

実務で押さえること

  • 受電電圧6600V(6.6kV)は高圧に区分される
  • 低圧の供給は単相100V・100/200V・三相200Vなどが代表
  • 高圧の供給は6600Vが代表

電圧区分は、数値そのものは3つしかありません。それでも取り違えが起きるのは、低圧だけ交直で上限が違うからです。「低圧は交直で別、高圧から上は共通」と非対称のかたちで覚えておけば、選択肢に並べられても迷いません。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
電圧区分を覚えたら、次はどこにつなげればいいですか?
ハリタハリタ
高圧は7,000V以下という境界を軸に、受電方式の勉強へ進むと理解が早いですよ。

📎 関連するおすすめアイテム

内線規程の実務では、規程集や技術資料を手元に置いておくと確認がぐっと早くなります。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。