電線とケーブルとは?種類・色・太さ・図面の描き方・用途を動く図解で超基本から
「電線」と「ケーブル」、同じものだと思っていませんか? 現場では「VVF持ってきて」「IVは管に入れて」と、ちゃんと使い分けています。この記事では、ものとしての電線とケーブル、色と太さ、図面の描き方、用途の順に、使っている場面の動く図解でほどきます。コンセント、スイッチに続く、超基本の3本目です。
結論
電線は銅の導体を絶縁体で包んだもの、それをさらにシースで包んだのがケーブルです。図面では線の種類・斜線・傍記で描き、種類は通す場所で選びます。
電線とケーブルとは ― 電気を運ぶ「道」
電線は電気を運ぶ道です。中心の銅(導体)に電気が流れ、そのまわりを絶縁体(ビニルなど)で包んで、ほかの物に電気が漏れないようにしています。これが絶縁電線で、代表がIVです。絶縁電線をさらにシース(外装)で包んで丈夫にしたものがケーブルで、代表がVVFやCVです。
絶縁電線は外からの傷に弱いので、屋内では電線管などに入れて守ります。ケーブルはシースで守られているので、天井裏にそのまま這わせたり(ころがし)、ケーブルラックに載せたりできます。
| 名前 | 正式名・特徴 | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| IV | 600Vビニル絶縁電線 | 電線管の中、盤の中、接地線 |
| VVF | 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 | 住宅・店舗の照明とコンセント |
| CV | 600V架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル | 幹線・動力・屋外 |
| CVT | CVを3本より合わせたもの | 太い幹線・地中 |
| EM-EEF など | エコケーブル。燃えても有害なガスが出にくい | 公共建築など |
| FP・HP | 耐火ケーブル・耐熱ケーブル | 非常用照明・消防設備 |
| VCT | ビニルキャブタイヤケーブル。やわらかい | 動かす機器・延長コード |
動く図解で見る:ケーブル工事ころがし・支持・貫通のしかた(施工・現場のページへ)
- 電線は導体を絶縁体で包んだもの。代表はIV
- さらにシースで包むとケーブル。代表はVVF・CV
- IVは管に入れて守る。ケーブルはそのまま這わせられる
ものとしての電線 ― 3つの層と、色の役目
VVFの皮をむくと、外側からシース → 絶縁体 → 導体の3つの層が出てきます。電線をつなぐときは、専用の工具でこの順にむいていきます。
導体には、1本の銅線でできた単線と、細い銅線をより合わせたより線があります。住宅で使う細い電線は単線、幹線のような太い電線は曲げやすいより線が一般的です(むき方は技能試験の基本作業で)。
動く図解で見る:電線の接続むいた電線をどうつなぐか(施工・現場のページへ)
色には役目がある
屋内の配線では、電線の色で役目を分けています。黒は電圧側(電気を送る道)、白は接地側(帰り道)。3本目の赤は3路スイッチの渡り線や200Vの回路などに使い、緑は接地線で、機器の金属部分を大地につなぎます。スイッチが黒を切る理由はスイッチとはで解説しています。
- 外からシース、絶縁体、導体の3層
- 導体は単線とより線
- 黒は電圧側、白は接地側、赤は3本目、緑は接地線
太さと流せる電流 ― mm と mm²
太さの表し方は2通りあります。単線は直径(mm)で 1.6mm・2.0mm・2.6mm、より線は断面積(mm²)で 5.5・8・14・22・38…と書きます。太いほど電気抵抗が小さく、たくさんの電流を流せます。安全に流し続けられる電流の上限を許容電流といいます。
| 分岐回路 | 電線の太さ(銅) | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| 15A | 1.6mm 以上 | 一般の照明・コンセント |
| 20A(配線用遮断器) | 1.6mm 以上 | 一般のコンセント・専用回路 |
| 30A | 2.6mm(5.5mm²)以上 | IHクッキングヒーターなど |
| 40A | 8mm² 以上 | 大きな専用機器 |
| 50A | 14mm² 以上 | 大きな専用機器 |
電線はブレーカーと組で決めます。ブレーカーは「電線が熱で傷む前に切る」ためのもので、電線より大きなブレーカーを付けると、電線を守れません。VVFの許容電流の目安は、1.6mmで約19A、2.0mmで約24A、2.6mmで約33Aです(3本以下の減少係数0.70をかけた値。周囲温度などで変わります。詳しくは絶縁電線の許容電流)。
動く図解で見る:許容電流によるケーブルサイズ電流からケーブルの太さを決める流れ(幹線設備のページへ)
熱がこもると危ない ― コードリールと束ねた電線
電線に電流を流すと、少しずつ熱が出ます。ふつうは空気に逃げていきますが、逃げ場がないと温度が上がり、被覆が傷んだり溶けたりします。身近な例がコードリールで、巻いたままだと熱がこもり、メーカー資料の一例では使える電流が約1/3まで下がります。建物の配線でも、何本も束ねたり管に詰めたりすると熱がこもるので、本数に応じて許容電流を下げて考えます(減少係数)。
- 単線は直径mm、より線は断面積mm²
- 15A・20A回路は1.6mm以上、30A回路は2.6mm以上
- コードリールは引き出して使う。束ねると許容電流が下がる
図面ではこう描く ― 線の種類・斜線・傍記
平面図(プロット図)では、配線を線で描きます。線の種類で通る場所、線に入れる斜線の数で電線の本数、横の文字(傍記)で種類と太さを表します(JIS C 0303)。
| 書き方 | 意味 |
|---|---|
| 実線 | 天井隠ぺい配線(天井の中を通る) |
| 破線 | 床隠ぺい配線(床の中を通る) |
| 点線 | 露出配線(見える所を通る) |
| 斜線なし | 電線は2本 |
| 斜線3本 | 電線は3本(3路の区間など) |
| VVF1.6-2C | VVF・太さ1.6mm・2心 |
| IV1.6×3(E19) | IV1.6mmを3本、ねじなし電線管E19に入れる |
| CV14-3C | CV・14mm²・3心 |
線種の見分けは【プロット図の見方⑤】配線の線種、幹線の「CV 3C-38sq(E38)×2」のような書き方は図面の配線表記の読み方で解説しています。
動く図解で見る:配線表記の読み方種類・心数・サイズ・管を分解して読む(図面の読み方・描き方のページへ)
- 実線は天井、破線は床、点線は露出
- 斜線の数が電線の本数。なければ2本
- 傍記は種類・太さ・心数、カッコは電線管
用途で選ぶ ― 通す場所で種類が決まる
電線とケーブルの種類は、どこを通すかと何に使うかで決まります。ビルの断面で見てみましょう。
| 場所 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 部屋の照明・コンセント | VVF | 安くて扱いやすく、天井裏にころがせる |
| 幹線・動力 | CV・CVT | 太いサイズがそろい、熱に強い |
| 地中・屋外 | CVT(管に入れる) | 水や土から管で守る |
| 非常用照明・消防設備 | 耐火・耐熱ケーブル | 火災のときも電気を送り続ける |
| 盤の中・電線管の中 | IV・接地線 | 管や盤が守ってくれる |
| 動かす機器・延長コード | キャブタイヤケーブル | やわらかく、曲げに強い |
非常用照明の耐火配線は電源別置形と耐火配線、ケーブルの種類の一覧は電気設備の基本知識#001 ケーブルの種類で詳しく扱っています。
- 部屋はVVF、幹線はCV・CVT
- 地中は管に入れ、非常用は耐火・耐熱
- 動かす物はキャブタイヤ
読み違えやすいところ
よくある読み違い
- 電線とケーブルを同じものと思う:シースがあればケーブル、なければ絶縁電線。IVは管に入れます。
- 「1.6」を断面積と思う:1.6は直径mm。断面積にすると約2mm²です。5.5や8は断面積mm²です。
- 斜線なしを1本と読む:斜線がなければ2本です。
- コードリールを巻いたまま15Aまで使う:15Aは引き出したときの値です。
- 緑の電線をふつうの配線に使う:緑は接地線の目印です。
動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、配線や電線のしくみを動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。
よくある質問
電線とケーブルの違いは何ですか?
銅の導体を絶縁体で包んだものが絶縁電線(代表はIV)、その絶縁電線をさらにシース(外装)で包んで丈夫にしたものがケーブル(代表はVVFやCV)です。絶縁電線は傷に弱いので電線管などに入れて守り、ケーブルは天井裏にそのまま這わせたり、ケーブルラックに載せたりできます。
VVFとは何ですか?
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形のことで、住宅や店舗の照明・コンセントの配線でいちばんよく使われるケーブルです。黒と白(3心なら赤や緑も)の絶縁電線を、平たいビニルのシースで包んでいます。「VVF1.6-2C」は、太さ1.6mm・2心のVVFという意味です。
電線の色にはどんな決まりがありますか?
屋内の配線では、黒を電圧側、白を接地側(帰り道)に使います。3本目の赤は3路スイッチの渡り線や200Vの回路などに、緑は機器の金属部分を大地につなぐ接地線に使います。緑は接地線の目印なので、ふつうの電線としては使いません。
1.6mmと2.0mmの電線はどう使い分けますか?
一般の照明やコンセントの回路(15A・20Aの配線用遮断器)は1.6mm以上で、住宅ではVVF1.6がよく使われます。エアコンなどの専用回路や、配線が長くて電圧降下が大きくなるときは2.0mmを選ぶことがあります。30Aの回路は2.6mm以上です。流せる電流の目安は、VVFで1.6mmが約19A、2.0mmが約24Aです(周囲温度などで変わります)。
図面の「VVF1.6-2C」や「IV1.6×3(E19)」はどう読みますか?
「VVF1.6-2C」は、VVFケーブルの太さ1.6mm・2心です。「IV1.6×3(E19)」は、IVの1.6mmを3本、ねじなし電線管のE19に入れるという意味です。線の種類は通る場所(実線が天井隠ぺい、破線が床隠ぺい、点線が露出)、線に入れた斜線の数は電線の本数を表し、斜線がなければ2本です。
コードリールを巻いたまま使ってはいけないのはなぜですか?
巻いたままだとコードの熱が逃げずにこもり、被覆が溶けたり発火したりするおそれがあるからです。表示の15Aは全部引き出したときの値で、巻いたままでは使える電流が大きく下がります(メーカー資料の一例では約1/3)。暖房器具や電動工具など大きな電力の機器は、全部引き出して使います。
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