スイッチとは?しくみ・図記号・種類・用途を動く図解で超基本から
部屋に入って壁を押せば、明かりが点く。毎日さわるスイッチですが、「何を切っているの?」「図面の黒丸の横の3やHは?」と聞かれると、意外と答えに詰まります。この記事では、ものとしてのスイッチ、図面の記号、用途の3つを、使っている場面の動く図解でほどきます。コンセントとはと対になる、超基本の1本です。
結論
スイッチは電気の通り道(黒い電線)を開け閉めする門です。図面では黒丸●で描き、種類は横の文字と使う場所で決まります。
- 切るのは電圧側の黒い電線。切ると照明器具に電気が残らない
- 横に文字がなければ片切・15A。3は3路、Hはほたる、Lはパイロット
- 階段は3路、暗い所はほたる、見えない換気扇はパイロット、玄関やトイレは人感
- 取付高さは FL+1,200 前後、位置はドアノブ側
スイッチとは ― 電気の通り道を開け閉めする「門」
スイッチは、照明などにつながる電線の途中にあって、押すと電気の通り道をつなぎ、もう一度押すと切る器具です。JISや図面では点滅器と呼びます。
照明の回路は、分電盤から来た黒い電線(電圧側)と白い電線(接地側)の2本で照明に電気を送ります。スイッチは黒い電線の途中に入り、中の接点をつないだり離したりします。コンセントが「電気の受け口」なら、スイッチは「通り道の門」です。
| 呼び方 | 何のこと |
|---|---|
| スイッチ | ふだんの呼び名 |
| 点滅器 | JISや図面での正式な名前 |
| 片切スイッチ | 黒い電線1本だけを切る、ふつうのスイッチ |
| 両切スイッチ | 2本とも切るスイッチ(200Vの機器など) |
| 埋込スイッチ | 壁に埋めて付けるもの。住宅はほとんどこれ |
- スイッチは電気の通り道を開け閉めする門
- JISや図面での名前は点滅器
- ふつうのスイッチは黒い電線1本を切る片切
ものとしてのスイッチ ― 部品と、切っているのは黒い電線
壁のスイッチも、コンセントと同じく何枚かの部品が重なっています。表から見えるプレートとハンドルの奥に、スイッチ本体、取付枠、そして壁の中のボックスとケーブルがあります。
ハンドルは押す所で、今は押しやすいワイドハンドルが主流です。ほたるやパイロットの小さなランプもハンドルに付きます。本体の裏には電線を差し込んで留める端子があり、ここに壁の中のケーブルをつなぎます。この「電線をつなぐ」作業があるので、スイッチの交換や増設は電気工事士の資格がいる工事です。
切るのは黒い電線(電圧側)
スイッチは黒い電線(電圧側)を切ります。白い電線(接地側)を切っても照明は消えますが、消えているあいだも器具に電気が来たままになり、電球や器具を交換するときに感電のおそれがあります。
配線の順番(白は照明へ、黒はスイッチへ)を複線図で追うなら【プロット図の見方⑪】スイッチの配線、片切の基本回路は点滅回路(片切・3路・4路)の仕組みで解説しています。
- 見えるのはプレートとハンドル。奥に本体、取付枠、ボックス、ケーブル
- 切るのは黒い電線(電圧側)
- 白を切ると、消えていても器具に電気が残る
図面ではこう描く ― スイッチの図記号
図面では、スイッチを黒く塗った小さな丸(●)で描きます(JIS C 0303)。記号だけなら「片切・15A」のふつうのスイッチ。違うものは横に文字を書き足します。これを傍記といいます。
| 傍記 | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 無印 | 片切・15A | 一般の照明 |
| 3 | 3路 | 階段・廊下の両端 |
| 4 | 4路 | 3か所以上から点滅 |
| 2P | 両切(2極) | 200Vの機器など |
| H | ほたる(位置表示灯内蔵) | 暗い部屋・廊下 |
| L | パイロット(確認表示灯内蔵) | 換気扇・外灯 |
| P | プルスイッチ | ひもを引いて点滅 |
| T | タイマ付 | 消し忘れ防止 |
| D | 遅延スイッチ | トイレの換気扇 |
| WP | 防雨形 | 屋外 |
| RAS | 熱線式自動スイッチ(人感センサ) | 玄関・廊下・トイレ |
| A | 自動点滅器 | 門灯・外灯 |
どのスイッチでどの照明を点けるかを表す「イ・ロ・ハ」の読み方は【プロット図の見方①】スイッチ、傍記の読み分けと調光器・リモコンの記号は【プロット図の見方⑧】スイッチの傍記で解説しています。
- スイッチは黒丸●。無印は片切・15A
- 3は3路、4は4路、2Pは両切、Hはほたる、Lはパイロット
- RASは人感センサ、Aは自動点滅器、WPは防雨形
用途で選ぶ ― 使う場所と使い方で決まる
スイッチの種類は、どこで、どう使いたいかで決まります。実際に使っている場面で見てみましょう。
3路・4路 ― 2か所以上から点けたり消したり
階段や長い廊下では、下で点けて上で消したい。3路スイッチを2つ使い、2本の渡り線でつなぐと、どちらを押しても点滅が入れ替わります。3か所以上から点滅したいときは、2つの3路の間に4路スイッチを入れます(3路スイッチで2か所から点滅させる)。
動く図解で見る:3路スイッチ ― 2か所から点滅させるしくみ渡り線で電気の通り道が切り替わる様子(屋内配線と保護のページへ)
ほたるとパイロット ― 光る意味が逆
ほたるスイッチ(H)は、照明が消えているあいだ小さく光り、暗い部屋や廊下でスイッチの場所を知らせます。パイロットスイッチ(L)は、入っているあいだ光ります。換気扇や外灯のように、手元から動いているのが見えない機器に使い、消し忘れに気づけます。
人感センサ・調光器・自動点滅器 ― 任せるスイッチ
人感センサ付スイッチ(RAS)は、人の体から出る赤外線の動きを感じて照明を点け、いなくなると設定した時間のあとに消します。荷物で手がふさがる玄関や、消し忘れやすい廊下・トイレ・階段に向きます(「かってにスイッチ」で叶える快適な暮らし)。
調光器は、つまみを動かして照明の明るさを変えます。自動点滅器(A)は外の明るさを感じて、暗くなると門灯や外灯を点け、明るくなると消します。
| 場所 | 選ぶスイッチ | 理由 |
|---|---|---|
| 居室 | 片切(ほたるも多い) | 入口で点ける。暗くても見つかる |
| 階段・長い廊下 | 3路・4路 | 両端から点けたり消したりできる |
| トイレ・浴室の換気扇 | パイロット、遅延スイッチ | 動いているか確かめる。少し回してから止める |
| 玄関・廊下・トイレ | 人感センサ(RAS) | 手がふさがっていても点く。消し忘れがない |
| 居間・寝室 | 調光器 | 明るさを変えられる |
| 門灯・外灯 | 自動点滅器(A) | 暗くなると自動で点く |
| 屋外 | 防雨形(WP) | 雨がかかる |
動く図解で見る:点滅回路とスイッチ計画誰が・どこで・どう消すかの決め方(照明設備のページへ)
- 2か所なら3路を2つ、3か所以上は間に4路
- ほたるは消えていると光る、パイロットは入っていると光る
- 人感・調光・自動点滅器は、点け消しや明るさを任せるスイッチ
使うときの約束 ― 高さ・位置・LEDとの相性
取付高さは、床からスイッチの中心まで FL+1,200 前後(1,100〜1,300)がよく使われます。図面では特記に「スイッチ取付高さ FL+1,200(特記なき限り)」とまとめて書き、違う所だけ「H=1,000」のように傍記します。車いす配慮や子ども部屋では 900〜1,000 と低めにします。位置は、ドアを開けてすぐ手が届くドアノブ側の壁です。
LED照明との組み合わせにも注意がいります。ほたるスイッチや調光器を、対応していないLED器具と組み合わせると、消していてもうっすら光る(微点灯)、ちらつくといったことが起きます。器具とスイッチのメーカー資料で「ほたるスイッチ対応」「調光対応」を確かめて選びます。
住まいでの高さや3路・人感の決め方はスイッチ計画の教科書【住まいづくり⑤】、事務所などでの点滅区分は【照明設備の設計マニュアル④】点滅回路とスイッチ計画にまとめています。
動く図解で見る:スイッチ計画のコツ高さ・位置・3路・人感の決め方(照明設備のページへ)
- 高さは FL+1,200 前後、車いす配慮は 900〜1,000
- 位置はドアノブ側
- ほたる・調光とLEDは、対応品どうしで組み合わせる
読み違えやすいところ
よくある読み違い
- 「3路」を3か所と読む:3路は2か所で使う組。3か所以上は間に4路を足します。
- ほたる(H)とパイロット(L)を逆に覚える:ほたるは消えていると光り、パイロットは入っていると光ります。
- 「H=1,000」をほたると読む:数字が付いていれば取付高さ、単独の H ならほたるです。
- 黒丸の横の数字を口数と読む:コンセントの「2」は口数ですが、スイッチの「3」「4」は3路・4路です。
- 白い電線にスイッチを入れる:必ず黒い電線(電圧側)を切ります。
スイッチと複線図を実際に動かして確かめるなら第二種電気工事士 触って学ぶラボが使えます。
動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、照明や配線のしくみを動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。
よくある質問
スイッチの正式な名前は何ですか?
JISや図面では「点滅器」と呼びます。照明などにつながる電線の途中に入れて、電気の通り道をつないだり切ったりする器具です。壁に埋めて付けるものを埋込スイッチ、黒い電線1本だけを切るふつうのものを片切スイッチといいます。
スイッチはなぜ黒い電線を切るのですか?
黒い電線(電圧側)を切れば、スイッチを切ったときに照明器具に電気が来なくなるからです。白い電線(接地側)を切っても照明は消えますが、器具には電気が残ったままになり、電球や器具を交換するときに感電のおそれがあります。器具の交換は、分電盤のブレーカーを切ってから行うのが基本です。
3路スイッチと4路スイッチの違いは何ですか?
3路スイッチは2つ1組で使い、階段の上と下のように2か所から同じ照明を点けたり消したりできます。3か所以上から点滅したいときは、2つの3路スイッチの間に4路スイッチを入れます。3路の「3」は場所の数ではなく端子の数に由来する名前です。
ほたるスイッチとパイロットスイッチの違いは何ですか?
ほたるスイッチ(傍記H、位置表示灯内蔵)は、照明が消えているときに小さく光って、暗い部屋でスイッチの場所を知らせます。パイロットスイッチ(傍記L、確認表示灯内蔵)は、入っているあいだ光り、換気扇や外灯のように手元から動いているのが見えない機器に使います。光る意味が逆です。
図面のスイッチ記号の横にある「3」「H」「L」は何ですか?
スイッチの種類を表す傍記です。JIS C 0303では、黒丸●の横に何も書いていなければ片切・15Aのふつうのスイッチで、3は3路、4は4路、2Pは両切、Hはほたる、Lはパイロット、WPは防雨形、Tはタイマ付を表します。人感センサ付はRAS、自動点滅器はAで表します。
スイッチの取付高さはどれくらいですか?
床からスイッチの中心まで FL+1,200mm 前後(1,100〜1,300mm)がよく使われます。図面では特記に「スイッチ取付高さ FL+1,200(特記なき限り)」のようにまとめて書き、違う所だけ「H=1,000」のように傍記します。車いす配慮や子ども部屋では 900〜1,000mm と低めにします。位置はドアを開けてすぐ手が届くドアノブ側です。
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