接地(アース)とは?しくみ・種類・図記号・用途を動く図解で超基本から
洗濯機の後ろから出ている緑の線。コンセントの下の小さなふた。あれが接地(アース)です。「つながなくても動くし」と放っておかれがちですが、漏電したときに人を守る大事な道です。この記事では、ものとしての接地、A種〜D種の種類、図面の記号、用途を、使っている場面の動く図解でほどきます。コンセントや分電盤とブレーカーとつながる、超基本の7本目です。
結論
接地は漏電した電気を地面へ逃がす道です。人の体ではなくアース線を通るので感電を防ぎ、漏電ブレーカーも確実に切れます。種類はつなぐ機器でA〜D種に分かれ、家の家電はD種(100Ω以下)です。
この図の読み方
くり返し動きます。左から、もの・記号・用途の順です。
- もの:漏電した電気を地面へ逃がす道
- 記号:横線3本。コンセントは横にE・ET
- 用途:つなぐ機器でA〜D種。家はD種
接地とは ― 漏電した電気の逃げ道
電気機器の中で電線の被覆が傷むと、金属の外箱に電気が漏れることがあります(漏電)。そのとき外箱に触れると、電気は人の体を通って地面へ流れ、感電します。外箱を電線で地面につないでおけば、電気は通りやすいアース線を流れ、人の体にはほとんど流れません。同時に漏電ブレーカーが漏れを見つけて、電気を切ります。
アースのはたらき
左はアースなし、右はアースあり。同じ漏電でも結果が変わります。
- アースなしでは、電気が人の体を通って地面へ
- アースありでは、電気はアース線から地面へ
- 漏電ブレーカーも確実に切れる
家のアースは、地面に打った接地極から緑の接地線で分電盤の接地端子に集まり、そこから台所や洗面所、エアコンのコンセントのアース端子へつながっています。
アースの道
番号の順に、アースの道がつながっていきます。
- 地面に打った接地極から始まる
- 分電盤の接地端子に集まる
- 水回りとエアコンのコンセントへ
動く図解で見る:接地(アース) ― 漏電時の逃げ道をつくるしくみ漏電した電気がどこを流れるかを動く図解で(屋内配線と保護のページへ)
- 接地は漏電した電気を地面へ逃がす道
- 人の体ではなくアース線を通るので感電を防ぐ
- 漏電ブレーカーが確実に切れる
アース線のつなぎ方と、アース付きのコンセント
洗濯機や冷蔵庫の緑のアース線は、コンセントの下のアース端子につなぎます。カバーを開け、線の先を差し込んでねじを締めるだけで、ここまでは資格は要りません。アース端子の新設や壁の中の配線は、電気工事士の工事です。
つなぎ方の手順
カバーを開け、線を差し込み、ねじを締めます。
- カバーを開けて、アース端子を出す
- 被覆を1cmほどむいた線の先を差し込む
- ねじを締め、引っぱって抜けないか確かめる
| コンセント | 記号 | 向いている機器 |
|---|---|---|
| 接地極付 | E | アース付きプラグ(3本足)の機器。電子レンジ・パソコンなど |
| 接地端子付 | ET | 緑のアース線が別に出ている機器 |
| 接地極付接地端子付 | EET | 洗濯機・冷蔵庫など、水回りの家電 |
アース線のつなぎ方と端子がないときの進め方はアース線のつなぎ方・ない場合の対処、E と ET の使い分けはコンセントの接地極・接地端子の使い分けで詳しく解説しています。
- アース端子にねじで留めるまでは資格不要
- Eは接地極付、ETは接地端子付、EETは両方
- ガス管・水道管にはつながない
A種〜D種と接地抵抗
接地工事は、つなぐ機器でA種・B種・C種・D種の4つに分かれます(電気設備技術基準の解釈 第17条)。電圧が高い機器ほど、地面とのつながりの抵抗(接地抵抗)を低くして、しっかり地面へ流せるようにします。家の家電はD種で、100Ω以下です。
種類の見分け方
4つの種類が順に光ります。
- A種は高圧の機器で10Ω以下
- C種は300Vを超える機器で10Ω以下
- D種は300V以下の機器で100Ω以下
| 種類 | つなぐ機器 | 接地抵抗 | 接地線(軟銅線) |
|---|---|---|---|
| A種 | 高圧・特別高圧の機器の外箱 | 10Ω以下 | 直径2.6mm以上 |
| B種 | 変圧器の低圧側(中性点など) | 150÷Ig(計算) | 直径2.6mm以上 |
| C種 | 300Vを超える低圧の機器 | 10Ω以下 | 直径1.6mm以上 |
| D種 | 300V以下の機器 | 100Ω以下 | 直径1.6mm以上 |
接地抵抗は、接地抵抗計で測ります。測る接地極(E)から一直線に約10mずつ離して補助極P・Cを打ち、3本の線をつないで読みます。値が基準に入っていれば合格です。
測り方
補助極を打ち、線をつなぎ、85Ωと出てD種の基準に合格します。
- E・P・C を一直線に約10mずつ
- 緑・黄・赤の線をE・P・Cにつなぐ
- D種なら100Ω以下で合格
種類と値の早見表は接地工事の種類(A種・B種・C種・D種)と接地抵抗値、測り方は接地抵抗の測定方法、第三種がD種になった理由は【そうだったのか小ネタ②】で解説しています。
動く図解で見る:接地抵抗の測定補助極の打ち方と読み方を動く図解で(接地・雷保護のページへ)
- A〜D種はつなぐ機器で決まる
- 家の家電はD種で100Ω以下
- 補助極を約10mずつ打って測る
図面ではこう描く ― 横線3本と、E・ET
図面(JIS C 0303)では、接地極を横線を3本重ねた記号で描き、横に接地の種類を書きます。コンセントは記号の横にE(接地極付)、ET(接地端子付)、EET(両方付き)を書きます。2口の接地極付なら「2E」とまとめて書きます。
記号の見どころ
4つの記号が順に光ります。
- 接地極は横線3本。横に種類
- コンセントの横のEは接地極付、ETは接地端子付
- 水回りはEETにすることが多い
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 横線3本 | 接地極(横に種類を書く) |
| コンセント+E | 接地極付コンセント |
| コンセント+ET | 接地端子付コンセント |
| コンセント+EET | 接地極付接地端子付コンセント |
| コンセント+2E | 2口の接地極付コンセント |
コンセントの記号の読み方はコンセントとは、接地と特殊コンセントの設計は【コンセント設備の設計マニュアル④】で解説しています。
- 接地極は横線3本の記号
- コンセントはE・ET・EETを横に書く
- 2口の接地極付は2E
用途で選ぶ ― 家とビルの接地
家では、洗濯機・冷蔵庫・エアコンなどの家電をD種の接地につなぎます。ビルでは、受変電設備(キュービクル)の外箱はA種、変圧器の低圧側はB種、400Vのモーターのように300Vを超える機器はC種、事務所の機器はD種です。避雷針は、雷の電気を流すための専用の接地極につなぎます。
| 場所・機器 | 接地 |
|---|---|
| 家の洗濯機・冷蔵庫・エアコン | D種 |
| 事務所のパソコン・複合機 | D種 |
| 工場の400Vモーター | C種 |
| 受変電設備(キュービクル)の外箱 | A種 |
| 変圧器の低圧側 | B種 |
| 避雷針 | 雷保護用の接地極 |
接地の考え方を設計の目で見直すなら【接地・雷保護の設計マニュアル①】接地は何のためにあるか、接地線の太さの決め方は【新人講座 第15回】接地(アース)のきほんと接地線サイズへ。
動く図解で見る:接地は何のためにあるか地面に流すのではなく、電位をそろえる(接地・雷保護のページへ)
- 家の家電はD種
- 受変電はA種、変圧器の低圧側はB種、400VはC種
- 避雷針は雷保護用の接地極
読み違えやすいところ
よくある読み違い
- アースがなくても動くから要らないと思う:アースは漏電したときに人を守るためのものです。
- ガス管・水道管につなぐ:危険です。アース端子がなければ工事を頼みます。
- A種が一番強いと思う:種類は強さではなく、つなぐ機器で決まります。
- D種は必ず100Ω以下と思う:0.5秒以内に切る漏電遮断器があれば500Ω以下でよい。
- EとETを同じと思う:Eはプラグの接地極、ETはアース線をねじで留める端子です。
動く図解で学ぶ電気設備この記事の図のほかにも、接地や雷保護のしくみを動く図解で見られます。気になるジャンルを選んでください。
よくある質問
接地(アース)とは何ですか?
電気機器の金属の外箱などを、電線で大地(地面)につなぐことです。機器の中で漏電しても、電気は人の体ではなくアース線を通って地面へ流れ、漏電ブレーカーも確実に切れるので、感電や火災を防げます。家では地面に打った接地極から分電盤を通って、コンセントのアース端子までつながっています。
家電のアース線は自分でつないでいいですか?
コンセントのアース端子のカバーを開け、アース線の先を差し込んでねじで留めるところまでは、配線工事ではないので資格は要りません。アース端子の新設や、壁の中の接地線の工事は電気工事士の工事です。
アース端子がないときはどうすればいいですか?
電気工事店に、接地極付や接地端子付のコンセントへの交換、接地線の工事を頼みます。ガス管や水道管につなぐのは、電気が流れて危険なことがあるのでやめます。
A種・B種・C種・D種の違いは何ですか?
つなぐ機器で分かれます。A種は高圧の機器の外箱などで10Ω以下、B種は高圧と低圧をつなぐ変圧器の低圧側で計算で決める値、C種は300Vを超える低圧の機器で10Ω以下、D種は300V以下の機器で100Ω以下です。家の家電はD種です。
D種接地は何Ω以下にすればいいですか?
100Ω以下です。ただし、漏電したときに0.5秒以内に自動で電気を切る漏電遮断器を付けた回路では、500Ω以下でよいとされています(C種も同じ条件で500Ω以下)。
接地抵抗はどうやって測りますか?
接地抵抗計(アーステスタ)を使います。測る接地極(E)から一直線に約10mずつ離して、補助極P・Cを地面に打ち、3本の線をつないで測ります。読んだ値が種類ごとの基準(D種なら100Ω以下)に入っていれば合格です。
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