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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【105】|トンネル、坑道その他これらに類する場所の施設

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

トンネル・坑道における電気配線の施設基準と安全対策|見落としがちな注意点も解説

見習いペン太
見習いペン太
トンネルや坑道の中って、普通の建物と同じように配線すればいいんですか?それとも特別なルールがあるんでしょうか…?

はりた
はりた
いい質問だね!実は、トンネルや坑道といった特殊な環境では、電気配線にも特別な安全基準が定められているんだ。詳しく説明していくよ。

常時通行するトンネル内の配線基準

人が常に出入りするトンネル内では、特に安全性が重視され、次のような基準に基づいて電気配線を行う必要があります。

電気配線の基本原則

トンネル内では湿気や粉じんなど、電気事故につながる要因が多いため、以下の点を考慮した配線設計が求められます。

  • 適切な配線方式の選定

  • 電線の種類と規格の確認

  • 地絡(漏電)に対する安全対策

主な配線方法の種類

一般に採用される配線方式は以下の通りです。

  • 金属管配線

  • 合成樹脂管配線

  • 金属線ぴ配線

  • ケーブル配線

  • バスダクト配線

  • フロアダクト配線

  • ライティングダクト配線

  • 移動電線(JIS C 3580-5準拠)

💡注意点:粉じんが多い場所や火薬庫では、内線規程の3405節および3430節の遵守が求められます。

鉱山・坑道における電気配線の要点

鉱山やその他の坑道では、構造上の特殊性を考慮した配線基準が設定されています。

見習いペン太
見習いペン太
トンネルと坑道って似てるように見えるけど、配線のルールって同じなんですか?

はりた
はりた
似てるけど、使われる電線の種類や設置条件には細かい違いがあるよ!それぞれの環境に合わせたルールを押さえておこう。

使用できる電線の種類

以下のいずれかの電線を使用する必要があります。

  • 絶縁電線

  • クロロプレン外装ケーブル

  • クロロスルホン化ポリエチレン外装ケーブル

  • 耐燃性エチレンゴム外装ケーブル

  • ケーブル全般

※乾燥した場所では、1.6mm以上の軟銅線に相当する絶縁電線も使用可能です。

トンネル・坑道での電線・移動電線の施設基準(300V以下)

トンネル、坑道、その他これらに類する場所で使用電圧が300V以下の電線を設置する場合には、以下の規定に従う必要があります。

電線の種類と基準

使用可能な電線は以下の通りです(断面積0.75mm²以上が基本)。

  • クロロプレンキャブタイヤケーブル

  • クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル

  • 耐燃性エチレンゴムキャブタイヤケーブル

  • ビニルキャブタイヤケーブル

  • 上記と同等以上のケーブル

※乾燥環境下では、適切な絶縁電線も使用可能です。

移動電線の要件

  • 定格電流の合計を上回る許容電流を確保

  • 耐燃性または耐油性に優れたケーブルを選定

設置場所に応じた対策

環境 使用材料
一般的な場所 金属管または同等以上の保護材
湿気・水気がある場所 金属管、合成樹脂管、金属ダクトなど

電圧による制限

300Vを超える電圧を使用する場合は、必ずケーブルを使用する必要があります。

電気機械器具への接続

トンネル内の照明器具やポンプなどの機器に接続する電線は、すべて上記の基準に準拠して設置されなければなりません。


トンネル・坑道の配管およびケーブルの追加基準

最後に、トンネルや坑道で光ファイバケーブルや金属管などを設置する場合の追加ポイントを押さえておきましょう。

金属配管との接触対策

電線を金属製水管やガス管に沿って配線する場合は、必ず金属管や同等以上の絶縁措置を行います。これは、万一の漏電による感電を防ぐためです。

見習いペン太
見習いペン太
トンネルや坑道って、思っていたよりもずっと厳しいルールがあるんですね…!

はりた
はりた
そうだね。特殊な環境だからこそ、電気工事も慎重に行わないと危険なんだ。これらの基準を守ることが、安心・安全な施設づくりの第一歩だよ。


まとめ|トンネル・坑道の配線は「特別ルール」を理解して安全に

トンネルや坑道は、湿気・粉じん・火薬庫などリスクが高い環境です。だからこそ、電気工事の際には一般の建築物とは異なる明確な安全基準に従う必要があります。

  • 電線の種類と太さに注意

  • 環境に応じた配線方式を選定

  • 地絡や感電防止の対策を確実に

これらのポイントを正しく押さえて、安全で信頼性の高い設備設計を行いましょう。

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