技術図書館24V以下でも、置ける場所は限られる二次側24V以下・一次側の対地電圧300V以下。原則は屋内の乾燥した露出場所で、他の電路とはつながないこの資料をスライドで見る資料一覧を見る
この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
全体像:内線規程【101】特別低電圧照明回路の施設
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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

特別低電圧照明回路は、24V以下という低い電圧で白熱電灯などを点灯させる、安全性を最優先した照明方式です。電圧が低いぶん感電や火災のリスクを抑えられますが、そのぶん電源装置・配線・設置場所について独自の施設基準が定められています。この記事では、内線規程をもとに押さえておきたいポイントを整理します。

特別低電圧照明回路の電圧基準・設置場所・電源装置の3つのポイントを整理した図解
結論: 特別低電圧照明回路は、二次側24V以下・一次側対地電圧300V以下。原則として屋内の乾燥した露出場所に施設し、JIS適合の専用電源装置(600VA以下・最大使用電流25A以下)を用いて、他の電路や金属管などと電気的に接続しないことが基本です。
この記事でわかること
✔ 電圧と設置場所の基準
✔ 回路構成と電気的絶縁
✔ 電源装置の選定要件
ペン太ペン太
24V以下の照明なら、お風呂場や屋外にも自由に付けられますよね?
ハリタハリタ
それが誤解です。施設できるのは原則、屋内の乾燥した露出場所に限られます。

この3つ、すぐ答えられますか

  • 電源装置の一次側と二次側で、電圧の基準はそれぞれいくつか
  • この回路を金属製の管やダクトに接続してよいか
  • 電源装置の容量と最大使用電流の上限はいくつか
この記事でわかること
機器選定から入りたい方は、電源装置の項をご覧ください。

電圧と設置場所の基準

トピック1:電圧と設置場所の基準
  • 電源装置一次側(商用電源側)の対地電圧は300V以下。
  • 電源装置二次側(照明供給側)の電圧は24V以下。
  • 原則として屋内の乾燥した露出場所に施設し、湿気の多い場所や屋外では使用できません。
  • 点検できる隠ぺい場所に設ける場合は耐火性の箱に収める必要があります。
ペン太ペン太
回路を近くの金属配管につないで支持してもいいんでしょうか?
ハリタハリタ
他の電路や金属製配管との電気的接続は禁止です。専用電源装置から白熱電灯までで完結させます。
区分電圧の基準
電源装置一次側(商用電源側)対地電圧300V以下
電源装置二次側(照明供給側)24V以下
ここまでのポイント
  • 電源装置一次側(商用電源側)の対地電圧は300V以下
  • 電源装置二次側(照明供給側)の電圧は24V以下
  • 原則として屋内の乾燥した露出場所に施設し、湿気の多い場所や屋外では使用できない
  • 点検できる隠ぺい場所に設ける場合は、耐火性の箱に収める

回路構成と電気的絶縁

トピック2:回路構成と電気的絶縁
  • 回路は「専用電源装置」「支持導体」「接続線」「白熱電灯本体」で構成されます。
  • 他の電路・金属製の管やダクト類・他の低圧配線とは電気的に接続してはいけません。
  • コンセントで接続する場合は、張力がかからないよう固定対策を講じます。
ここまでのポイント
  • 回路は「専用電源装置」「支持導体」「接続線」「白熱電灯本体」で構成される
  • 他の電路・金属製の管やダクト類・他の低圧配線とは電気的に接続してはいけない
  • コンセントで接続する場合は、張力がかからないよう固定対策を講じる

電源装置の選定要件

トピック3:電源装置の選定要件
  • 電源装置はJIS C 61558-2-6(2012)またはJIS C 8147-2-2(2011)に適合した製品を選定します。
  • 容量は600VA以下が上限。500VA以下の機器は電気用品安全法の対象です。
  • 最大使用電流は25A以下。二次側には短絡遮断装置を設置します(必要に応じて省略可)。
たとえ話: 特別低電圧照明回路は、いわば「子ども用の低いプール」のようなもの。水位(電圧)を浅くしておけば、もし転んでも大事に至りにくい。ただし“浅いから安全”と油断せず、囲い(絶縁・固定)や置き場所(乾燥した場所)のルールはきちんと守る必要があります。
見習いペン太
見習いペン太
特別低電圧の照明回路って、普通の照明とどう違うんですか?
はりた
はりた
一番の違いは電圧だよ。二次側は24V以下に抑えてあるから、感電や火災のリスクがぐっと小さいんだ。
見習いペン太
見習いペン太
じゃあ低い電圧だから、どこに付けても大丈夫なんですか?
はりた
はりた
そこが落とし穴。低電圧でも、乾燥した屋内に設置することや、他の電路とつながないこと、コンセントは張力対策をすること、といった決まりは必ず守る必要があるんだよ。
特別低電圧照明回路の電圧・電源装置・施設場所を示した図
特別低電圧照明回路は専用電源装置の一次側(商用電源側)の対地電圧を300V以下、二次側(照明供給側)を24V以下とする。電源装置はJIS C 61558-2-6(2012)またはJIS C 8147-2-2(2011)に適合し、容量600VA以下(500VA以下の機器は電気用品安全法の対象)、最大使用電流25A以下で、二次側に短絡遮断装置を設ける。施設できるのは原則として屋内の乾燥した露出場所で、点検できる隠ぺい場所では耐火性の箱に収める。他の電路や金属製の管・ダクト類、他の低圧配線とは電気的に接続しない。
取り違えやすいところ正しくは
近くの金属配管につないで支持してもよい他の電路・金属製の管やダクト類・他の低圧配線と電気的に接続しない
低電圧だから屋外でも使える原則として屋内の乾燥した露出場所に施設する
隠ぺい場所ならどこでもよい点検できる場所に限り、耐火性の箱に収める
電源装置の容量に上限はない容量600VA以下、最大使用電流25A以下
コンセント接続なら固定は不要張力がかからないよう固定対策を講じる
ここまでのポイント
  • 電源装置はJIS C 61558-2-6(2012)またはJIS C 8147-2-2(2011)に適合した製品を選定する
  • 容量は600VA以下が上限
  • 500VA以下の機器は電気用品安全法の対象
  • 最大使用電流は25A以下
  • 二次側には短絡遮断装置を設置する(必要に応じて省略可)

よくある質問(FAQ)

トピック4:よくある質問
Q. 特別低電圧照明回路の電圧はどのくらいですか?
A. 二次側(照明供給側)は24V以下、電源装置一次側の対地電圧は300V以下と定められています。
Q. 屋外や湿気の多い場所に設置できますか?
A. できません。原則として屋内の乾燥した露出場所に施設します。点検できる隠ぺい場所に設ける場合は耐火性の箱に収める必要があります。
Q. 電源装置に決まりはありますか?
A. JIS C 61558-2-6(2012)またはJIS C 8147-2-2(2011)に適合し、容量は600VA以下(500VA以下は電気用品安全法の対象)。最大使用電流は25A以下で、二次側に短絡遮断装置を設けます(条件により省略可)。

まとめ|低電圧でも、場所と絶縁のルールは変わらない

特別低電圧照明回路は二次側24V以下と低い電圧を扱いますが、そのぶん設置場所と電気的な独立性のルールが厳しく決まっています。専用電源装置から白熱電灯までを1つの閉じた回路として扱うのが基本です。

確認する順番見るところ基準
Step1設置場所屋内の乾燥した露出場所か。隠ぺい場所なら耐火性の箱に収めるか
Step2一次側の対地電圧300V以下
Step3二次側の電圧24V以下
Step4回路の独立性他の電路・金属管・ダクト類と接続していないか
Step5電源装置JIS適合、600VA以下、25A以下、二次側の短絡遮断装置

意匠性の高い照明で採用されることが多いため、支持導体をそのまま構造材や配管に固定したくなる場面があります。電気的に接続しないという条件は、施工の段階で意識しておくと確実です。

📘 この記事の根拠規程|解説の原文は内線規程(JEAC8001-2022)に掲載されています。実務で使う方は手元に1冊どうぞ → 電気設備の必携書籍おすすめ4選【2026年版】

ペン太ペン太
電源装置はどう選べばいいですか?
ハリタハリタ
JIS適合品で600VA以下・最大25A以下を選び、二次側に短絡遮断装置を設けます。これで施設できますよ。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。