出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

系統連系型小出力太陽光発電設備は、太陽電池モジュールで発電した電力をパワーコンディショナを介して電力会社の配電線に接続し、自家消費と余剰電力の売電を行う設備です。本記事では内線規程にもとづく配線・支持物・接地などの要点を、図解とFAQで整理します。

系統連系型小出力太陽光発電設備の3つのポイント(配線と短絡保護、支持物の構造強度、接地とパワーコンディショナ)を整理した図解

結論

  • 対地電圧は1300-1、逆潮流時の電圧降下は1310-1に従う
  • 直流回路は過電流遮断器で短絡から保護する
  • 支持物はJIS C 8955に適合し、高さ4m超は建築基準法にも適合
  • 機器の鉄台・外箱・架台は1350-2表に基づき接地する

対地電圧と配線方法

  • モジュールに接続する電路の対地電圧は1300-1(電路の対地電圧の制限)に従う
  • 逆潮流が発生する区間の電圧降下は1310-1(電圧降下)を遵守(計算方法は資料3-3)
  • 配線は通常ケーブルとし、乾燥した環境に限り3501-1表の方式も採用可
  • 直流回路は過電流遮断器で短絡保護(短絡電流が非常に小さい場合を除く)
  • モジュール間はねじ止め・圧着、またはそれと同等以上の方式で確実に接続

交流回路と発電停止時の対策

  • 交流回路は専用回路とし、過電流遮断器で保護、回路を明確に表示
  • パワーコンディショナから配線盤までの電線は外傷・熱害から保護
  • 三線式配線では3本すべてに過電流引き外し素子を有する遮断器が必要(ZCBOは資料3-6)
  • 漏電遮断器を設ける場合は微弱電流による感電防止対策を行う(逆流防止装置は資料3-5)

支持物・開閉器・接地

  • 支持物はJIS C 8955(2004)に基づき十分な構造強度をもつ
  • 高さが4mを超える場合は建築基準法の工作物の構造規定にも適合
  • アレイ出力開閉器は負荷側電路の接続点近くに設け、JWDS 0029(2013)に適合した製品を選ぶ
  • 開閉器は保守しやすい場所に設置し、外箱は防水・防露対策を施す
  • 機器の鉄台・外箱・架台は1350-2表に基づき接地工事を行う
  • パワーコンディショナは点検可能な場所に設置する
  • 系統連系の協議ではJEAC 9701(2016)系統連系規程を参照する

たとえ話でイメージ

太陽光発電は「自宅で作った電気を、近所と共有する井戸」のようなものです。きれいな水(電気)を安全に流すために、配管(配線)の保護、丈夫な台(支持物)、そして万一に備えた弁(遮断器)と接地をきちんと整えておく必要があります。

見習いペン太
見習いペン太
「系統連系型小出力太陽光発電設備」って何ですか?名前が長すぎて…。
はりた
はりた
太陽光で発電した電気を家や工場で使いながら、余った分を電力会社の配電線に送る設備のことだよ。
見習いペン太
見習いペン太
配線や設置で気をつけることは?
はりた
はりた
直流回路は過電流遮断器で短絡保護、支持物はJIS C 8955に適合させる。高さ4m超は建築基準法も関わるし、鉄台や架台は1350-2表で接地するんだ。

よくある質問(FAQ)

Q. 対地電圧や電圧降下はどの規定に従いますか?
A. 対地電圧は1300-1(電路の対地電圧の制限)に、逆潮流時の電圧降下は1310-1(電圧降下)に従います。計算方法は資料3-3を参照します。
Q. 直流回路の保護はどうしますか?
A. 電線を短絡電流から保護するため過電流遮断器などを設置します。モジュールの短絡電流が非常に小さい場合はこの限りではありません。
Q. 支持物に求められる基準は?
A. JIS C 8955(2004)に基づき十分な構造強度をもたせます。高さが4mを超える場合は建築基準法の工作物の構造規定にも適合させます。
Q. 接地工事はどの範囲に必要ですか?
A. 機器の鉄台・外箱・架台に、電気設備技術基準1350-2表に基づく接地工事を行います。
Q. 系統連系の協議で参照する資料は?
A. 日本電気協会のJEAC 9701(2016)系統連系規程を参照します。