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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【017】|電磁障害の防止

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

電磁障害の防止対策|家庭や現場でできる基本とポイント

電気機器を安全に使うためには、目に見えないトラブルにも気を配る必要があります。そのひとつが「電磁障害(でんじしょうがい)」です。この記事では、電磁障害を防止するための基本的な対策を、機器の種類や配線方法に合わせてわかりやすくご紹介します。


電磁障害ってなに?

電磁障害とは、電気機器が発する高周波の電流が、近くにある無線設備や通信機器に悪影響を与える現象のこと。とくに、蛍光灯や電動工具などの機器が原因になることがあります。


対策①|機械器具ごとの基本的な対応

● 蛍光放電灯(けいこうほうでんとう)

蛍光灯のノイズを抑えるために、専用のコンデンサを設置します。これにより、高周波電流の発生を抑えることができます。

● 小型交流直巻電動機(電気ドリルなど)

  • 電気ドリル用それ以外の機器で対策が異なります。

  • それぞれに合ったコンデンサの設置が必要です。

● ネオン点滅器

こちらも高周波が発生しやすいため、専用の防止装置を設置して対策します。

※設置方法には細かなルールがあり、機器の種類や場所によって変わります。


対策②|高周波電流発生防止装置の設置

もし、上記の対策をしてもまだ電磁障害が発生する場合は、**「高周波電流発生防止装置」**を取り付けましょう。

⚠️注意点:
この装置の接地側端子を、接地していない金属部分に接続するのはNGです!


対策③|接地工事も忘れずに

  • コンデンサや防止装置の接地側端子には、D種接地工事が必要です。

  • 安全のために、適切な太さの銅電線を使って、しっかりと接地工事を行いましょう。


対策④|コンデンサの性能確認も大事

設置するコンデンサは、決められた交流電圧に1分間耐えられる性能が必要です。
耐電圧性能の確認は、安全な電気環境をつくるための基本です。


対策⑤|防止器の設置方法と配線のポイント

防止器(電波障害防止器)の設置にもいくつかルールがあります。

● 機器に直接設置する場合

  • 高温になる場所は避ける

  • 露出した充電部から離す

● 配線中に設置する場合

  • 引込開閉器の負荷側で、負荷に近く、点検しやすい場所に設置します。

● 可搬形(持ち運びできる)機器に設置する場合

  • コードの途中に設置する際は、コードが傷まない構造のものを使いましょう。

● 配線について

  • 配線は、一般的な電気配線のルールに従うこと

  • 適切な太さの電線を使用することがポイントです


接地についてもう一度確認!

防止器の接地線には、決められた太さの銅電線を使って、しっかりと接地工事を行う必要があります。
ここでも「D種接地工事」が基本になります。


まとめ|電磁障害を防いで、快適で安全な電気環境に!

電磁障害は目に見えませんが、無線通信や機器の誤作動の原因になります。
コンデンサの設置、防止装置の選定、配線や接地など、基本を守って丁寧に対策することで、電磁障害をしっかり防ぐことができます。

無線や電波を使う機器が多い現代だからこそ、こうした対策がますます重要になっています。ぜひ、この記事を参考に、安全で快適な電気環境づくりを進めてみてください。

 

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