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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【018】|高周波電流の漏えい防止

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

 


高周波電流の「漏えい防止対策」とは?|インターホンや無線機器の影響を防ぐために

インターホンや無線機器など、日常で便利に使っている電子機器。実はそれらから発生する「高周波電流」が、他の電気機器に思わぬ影響を与えることがあるのをご存知でしょうか?

この記事では、高周波電流の漏えいを防ぐための設備や基準について、わかりやすくご紹介します。


📡 高周波電流って何?どうして問題になるの?

インターホンなどの通信機器は、屋内配線を使って**高周波電流(高い周波数の電気信号)**を送信しています。

ところがこの高周波電流が、周囲の無線機器や医療機器などの高周波利用設備に影響を与えてしまうことがあるのです。


⚠️ 高周波電流の漏えいを防ぐ装置は「義務」の場合も

もしその影響が継続的で重大であると判断された場合、高周波の漏えいを防止する装置の設置が義務になります。

たとえば、次のようなケースでは対策が必要になることがあります:

  • インターホンの信号が無線機器に混入してしまう
  • 医療機器に誤作動が起きる可能性がある

📏 漏えい許容量には厳格な基準があります

漏えいしてよい高周波電流の量には、しっかりとした数値基準が定められています。

✅ 測定基準の概要

  • 測定は「1390-1図」またはそれに準じた方法で実施
  • 10分間の測定を2回連続で実施
  • 各回の平均値が -30dB(=1,000分の1mW)以下であることが条件

※この基準を超えると、他の電気機器に悪影響を与える可能性があると判断されます。


🔍 測定に使われる装置構成とは?

高周波電流の測定には、以下のような機器構成が使われます:

機器名 役割
LM(選択レベル計) 特定の周波数を測定する
MT(整合変成器) 測定機器と対象回路のインピーダンスを整合
HPF(高域ろ波器) 不要な低周波成分をカット
L(電源分離回路) 電源との信号を分離
B(ブロック装置) 不要な信号を遮断
W(高周波利用設備) 対象となる電気機器

この構成で正確に測定することで、漏えいの有無やそのレベルを把握できます。


✅ まとめ|高周波対策は周囲の安全のために

高周波電流はとても便利に使われていますが、漏えいすれば他の電子機器に悪影響を及ぼすリスクも。とくに医療機器や無線通信に関わる環境では注意が必要です。

✔ ポイントのおさらい

  • インターホンなどの機器は屋内配線を使って高周波を送信する
  • 他機器に悪影響を与える場合、防止装置の設置が義務になる
  • 漏えいレベルには厳しい基準(-30dB以下)が設けられている
  • 専用の測定装置を用いて、漏えいの有無を確認することが重要

💡ちょっとした見落としが、周囲の大切な設備にトラブルを招くこともあります。インターホンなどの設置や改修を行う際は、高周波漏えい対策も忘れずにチェックしましょう。

 

 

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