出典(内線規程(JEAC8001-2022))より
電路の絶縁とは?|安全な電気設備に欠かせない基本ルールを解説
電気設備の安全性を確保するうえで、最も基本かつ重要なルールが「絶縁(ぜつえん)」です。
今回は、「電路の絶縁とは何か?」という基本から、「いつ必要?」「例外は?」といった実践に役立つ知識まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
✅ 絶縁とは?
絶縁とは、「電気が漏れないようにするために、電気回路と地面(大地)や他の電路との間を隔てること」です。
感電や漏電による事故を防ぐために、すべての電気設備の基本ルールとなっています。
🔌 原則:電気回路は地面から絶縁する
電気回路(電線、電気機器など)は、基本的に地面(大地)から絶縁して設置する必要があります。
なぜ絶縁が必要?
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⚡ 感電事故を防ぐため
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🔥 漏電やショートによる火災を防止するため
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🔧 設備トラブルを早期に検出するため(漏電ブレーカーの動作など)
⚠ ただし、例外もあります
設備が次のような条件を満たしていて、安全性が確保されている場合には「絶縁しなくてもよい」ケースもあります。
例外の一例:
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接地されていても感電の危険がない
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絶縁せずに使うことで逆に安全が保たれる構造になっている
📌 例:電気溶接機の二次側や高圧機器の接地側端子など
🔧 絶縁が必要な場所では、性能をしっかり確保
絶縁すべき場所で絶縁不良があると、次のような深刻な事故につながる可能性があります。
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感電(人体に電流が流れる)
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漏電火災(壁の中の電線がショートする)
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機器の誤動作や破損
そのため、絶縁性能が適切であることを確認しながら設計・施工する必要があります。
🔍 変圧器の内部も絶縁が必要
変圧器(トランス)は、一次側と二次側の電気を絶縁して分離する役割も持ちます。
事故時に感電が起こらないよう、コイルの巻線間や鉄心との間にもしっかりと絶縁処理を行います。
🧰 電線の取り扱いにも注意が必要!
✔ 電線は丈夫に施設する
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通常使用中に切れたりしないよう、構造的にしっかり支持すること。
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配線ルートや固定金具の設置にも注意します。
✔ 電線の接続方法にも注意
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接続箇所で電気抵抗が増えると発熱の原因に
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絶縁性能が下がるような施工(絶縁テープの巻き不足など)はNG
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断線しやすい状態(屈曲やテンション)を避ける
📝 まとめ
項目 | 内容 |
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原則 | 電気回路は地面から絶縁すること |
例外 | 安全が確保される場合に限り絶縁しないことも可 |
注意点 | 絶縁性能の確保、電線の支持・接続も慎重に |
変圧器 | 一次と二次間にも絶縁が必要 |