この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。
架空ケーブル(メッセンジャーワイヤ)を図解で整理。ちょう架の間隔(高圧50cm以下)、ワイヤの強度(5.93kN以上/22mm²以上)、D種接地、高圧の安全率2.5以上を要点とFAQでまとめます。
全体像:内線規程【024】架空ケーブル(メッセンジャーワイヤー)

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出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

架空ケーブルは、メッセンジャーワイヤ(ちょう架用線)で支えて施設します。押さえるポイントは 「ちょう架・強度・接地・安全率」 の要点に整理できます。

架空ケーブルのちょう架は高圧50cm以下、メッセンジャーワイヤは引張強さ5.93kN以上または断面積22mm2以上、D種接地は低圧絶縁電線で省略可、高圧は安全率2.5以上という4要点の図解

⚡ 先に結論だけ言うと
要点は4つ。①ちょう架=ハンガー間隔は高圧 50cm以下(必須)・低圧50cm以下が望ましい。②強度=引張強さ 5.93kN以上 または断面積22mm²以上(亜鉛メッキ鉄より線)。③接地=原則D種(低圧で絶縁電線なら省略可)。④安全率=高圧は 2.5以上
見習いペン太
見習いペン太
架空ケーブルって、どうやって空中に張るんですか?
はりた
はりた
メッセンジャーワイヤという丈夫な線を張って、そこにハンガーでケーブルを吊るんだ。間隔や強度、接地、張力の安全率にルールがあるよ。
この記事でわかること
✔ ① ちょう架・使用ケーブル
✔ ② 強度・接地・安全率

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ペン太ペン太
ケーブルを架空で渡すとき、メッセンジャーワイヤって必ず要るんですか?
ハリタハリタ
ケーブル自体に張力を持たせられないので、ちょう架用線で支持するのが基本です。ハンガー間隔は高圧で50cm以下ですよ。

この3つ、すぐ答えられますか

  • ハンガーの間隔は、高圧と低圧でどう違いますか。
  • メッセンジャーワイヤに必要な強度はどのくらいですか。
  • D種接地工事を省略できるのは、どんな場合ですか。
この記事の道案内
内線規程(JEAC8001-2022)にそって、架空ケーブル(メッセンジャーワイヤー)のルールを3つの視点で整理します。

① ちょう架・使用ケーブル

トピック1:ちょう架・使用ケーブル
  • メッセンジャーワイヤにハンガーを用いてケーブルを吊る
  • ハンガー間隔:高圧50cm以下(必須)/低圧50cm以下が望ましい
  • 使用ケーブル:低圧は鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等、高圧はこれらに保護被覆付きも可
ペン太ペン太
メッセンジャーワイヤの接地って、低圧なら省略できると聞いて驚きました。
ハリタハリタ
原則はD種接地ですが、低圧で絶縁電線を使う場合は省略できます。高圧は安全率2.5以上も忘れずに。
電圧の区分ハンガー間隔使用できるケーブル
低圧50cm以下が望ましい鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等
高圧50cm以下(必須)上記に加え、保護被覆付きも可
ここまでのポイント
  • メッセンジャーワイヤにハンガーを用いてケーブルを吊る。
  • ハンガー間隔は、高圧50cm以下(必須)、低圧50cm以下が望ましい。
  • 使用ケーブルは、低圧が鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等。
  • 高圧はこれらに保護被覆付きも可。

② 強度・接地・安全率

トピック2:強度・接地・安全率

メッセンジャーワイヤの強度・接地・安全率などの要点をまとめた図解

  • 強度:引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線
  • D種接地:原則必要(低圧で絶縁電線を使用する場合は省略可)
  • 安全率:高圧回路は2.5以上(安全率=E/T、T=WS²/8D で確認)
  • 接地線は低圧/高圧・弱電/光ファイバなど異種回路で分けて設置
ここがポイント|数値で押さえる
ちょう架 高圧50cm以下、強度 5.93kN以上/22mm²以上、接地は D種(低圧絶縁電線で省略可)、高圧の安全率 2.5以上
架空ケーブル施設の要点(メッセンジャーワイヤ)
メッセンジャーワイヤ(ちょう架用線) ケーブル ハンガー間隔 高圧50cm以下
ちょう架ハンガー間隔は高圧50cm以下(必須)、低圧50cm以下が望ましい
強度引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線
接地原則D種接地(低圧で絶縁電線なら省略可)
安全率高圧回路は2.5以上(安全率=E/T、T=WS²/8D)
取り違えやすいところ正しくは
ハンガー間隔は低圧も必須の数値高圧は50cm以下が必須、低圧は50cm以下が望ましい
ケーブルは低圧も高圧も同じ高圧はこれらに保護被覆付きも使える
メッセンジャーワイヤは太ければよい引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線
接地は必ず必要原則D種接地。低圧で絶縁電線を使用する場合は省略できる
安全率は電圧によらず同じ高圧回路は2.5以上
接地線はまとめて1本でよい低圧/高圧、弱電/光ファイバなど異種回路で分けて設置する
ここまでのポイント
  • 強度は、引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線。
  • D種接地は原則必要(低圧で絶縁電線を使用する場合は省略可)。
  • 安全率は高圧回路で2.5以上(安全率=E/T、T=WS²/8D で確認)。
  • 接地線は低圧/高圧、弱電/光ファイバなど異種回路で分けて設置する。

よくある質問(FAQ)

トピック3:よくある質問(FAQ)

Q. ちょう架(ハンガー)の間隔はどれくらい?

A. メッセンジャーワイヤにハンガーで吊る間隔は、高圧では50cm以下が必須、低圧では50cm以下が望ましいとされています。

Q. メッセンジャーワイヤに必要な強度は?

A. 引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線を用います。高圧回路では安全率2.5以上が求められます。

Q. メッセンジャーワイヤの接地は必要?

A. 原則としてD種接地工事が必要です。ただし低圧で絶縁電線を使用している場合は省略できます。接地線は低圧と高圧、弱電と光ファイバなど異種回路で分けて設置します。

まとめ|吊る間隔・支える強度・接地の3点

架空ケーブルは、ハンガーで規定の間隔に吊り、所定の強度のメッセンジャーワイヤで支え、原則としてD種接地を施すことが基本です。

確認する項目規程が示す内容
ちょう架の方法メッセンジャーワイヤにハンガーを用いてケーブルを吊る
ハンガー間隔(高圧)50cm以下(必須)
ハンガー間隔(低圧)50cm以下が望ましい
使用ケーブル(低圧)鉛被・アルミ被・クロロプレン・ビニル・ポリエチレン・MIケーブル等
使用ケーブル(高圧)上記に加え、保護被覆付きも可
メッセンジャーワイヤの強度引張強さ5.93kN以上、または断面積22mm²以上の亜鉛メッキ鉄より線
接地工事原則D種接地
接地を省略できる場合低圧で絶縁電線を使用する場合
安全率(高圧回路)2.5以上
安全率の確認安全率=E/T、T=WS²/8D
接地線の分け方低圧/高圧、弱電/光ファイバなど異種回路で分けて設置

ちょう架で押さえること

  • ハンガーで吊っているか。
  • 電圧の区分に応じた間隔。
  • 使用できるケーブルの種類。

強度で押さえること

  • 引張強さまたは断面積の条件。
  • 亜鉛メッキ鉄より線であること。
  • 高圧回路の安全率2.5以上。

接地で押さえること

  • D種接地の原則。
  • 低圧の絶縁電線での省略条件。
  • 異種回路ごとの接地線の分離。

架空ケーブルは、支持物と支持物のあいだで自重と風を受け続けます。ハンガーの間隔とメッセンジャーワイヤの強度は、たるみと断線の両方を防ぐための数値です。高圧では安全率まで含めて確認しておくと安心です。

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ペン太ペン太
架空ケーブルの設計で、次に確認すべきことは何ですか?
ハリタハリタ
ちょう架用線の強度です。引張強さ5.93kN以上か断面積22mm²以上を満たすか、まず確認しましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。