出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

電気自動車(EV)から建物へ電気を送る設備は、災害時の非常用電源として注目されています。ここでは内線規程にもとづき、EV・PHV・FCVなどから一般用電気工作物へ電気を供給するための設備を安全に施設する要点を整理します。

EVから建物へ電気を供給する設備の3つのポイント(基本ルール・保護対策・用途)を整理した図解

この記事の結論

EVからの供給設備は屋外配線も屋内規定を準用して対地電圧を制限し、地絡時の自動遮断(漏電対策)と過電流遮断器を確実に設けます。接続部のケーブルは原則として外箱を除去し、中性線の過電流にも注意します。

対地電圧と配線の基本ルール

  • 感電を防ぐため、電路の対地電圧には制限があり、設計段階で規定値を超えないか確認する
  • 屋外・屋側の配線は、屋内配線と同等の安全性を確保するため屋内の規定を準用する
  • EVと供給設備をつなぐケーブルは、感電防止のため原則として外箱を取り除く
  • 特定の構造・安全性能を満たすケーブルであれば、外箱付きでも認められる

保護装置の設置

  • 漏電(地絡)が起きた場合に自動的に電路を遮断する装置を設け、感電・火災リスクを減らす
  • 短絡などに備えて過電流遮断器の設置を必須とし、配線や設備を保護する
  • 発電の早期停止が必要なケースでは、負荷の不均衡による中性線への過電流に注意する

用途と適用範囲

  • EV・PHV・FCVなどから住宅や施設へ電気を供給する設備が対象
  • 主に非常用電源として活用され、災害時の停電対策に有効
  • 適用されるのは、EVなどから一般用電気工作物へ電気を送るための設備

たとえ話でイメージ

EVからの電気供給は、車を「動く非常用バッテリー」として家につなぐイメージです。ただし家に電気を逆向きに流す以上、漏電したらすぐ止める仕組み(地絡遮断)と、流れすぎを防ぐ関所(過電流遮断器)がそろっていてこそ安心して使えます。

見習いペン太
見習いペン太
最近よく聞く『EVから家に電気を送る設備』って、安全面で何に気をつければいいの?
はりた
はりた
まず屋外配線も屋内と同じ基準で考えること。そして漏電したら自動で止まる装置と、過電流遮断器が必須なんだ。
見習いペン太
見習いペン太
接続するケーブルは普通のでいいの?
はりた
はりた
原則は外箱を外したケーブルを使うよ。ただし決められた構造・性能を満たすものなら外箱付きでもOKなんだ。
EVから建物への電気供給(V2H)の構成と保護
EV/PHV/FCV
(非常用電源)

供給ケーブル
(原則 外箱除去)
地絡遮断装置
+過電流遮断器
一般用電気工作物
(建物)
配線:屋外・屋側も屋内規定を準用し対地電圧を制限 
注意:早期停止時は中性線の過電流に注意

よくある質問(FAQ)

Q. EVからの電気供給設備にはどんな保護装置が必要ですか?
A. 地絡(漏電)時に自動的に電路を遮断する装置と、短絡などに備えた過電流遮断器が必要です。これにより感電・火災のリスクを減らします。
Q. 屋外配線は屋内とは別の基準ですか?
A. いいえ。屋外・屋側の配線も屋内配線と同等の安全性を確保するため、屋内の規定を準用します。
Q. この設備はどんな用途を想定していますか?
A. 主に非常用電源としての活用を想定しています。災害時の停電対策として、EV・PHV・FCVから建物へ電気を供給します。
Q. 接続ケーブルの外箱は必ず外しますか?
A. 原則は外箱を取り除きます。ただし特定の構造・安全性能を満たすケーブルであれば、外箱付きでも認められます。