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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【003】|電圧降下

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

この記事に書かれていること

電圧降下率は?

 

電圧降下の適用範囲は?

幹線側

〔注1〕引込線取付点から引込口までの部分も幹線に含めて計算すること。

〔注2〕電気使用場所内に設けた変圧器から供給する場合は,その変圧器の二次側端子から主配電盤までの部分も幹線に含める。

2次側

幹線以降負荷までのケーブル

電圧降下率振り分けは?

基本的に2次側を2%固定とし、幹線側は総亘長に合わせて降下率が変動します。しかしこれはあくまで基準値であるため電圧降下率の振り分けは各自の設計意図に基づき振り分け可能です。

この記事のカテゴリー

電圧降下

電圧降下について

1.低圧配線中の電圧降下は、幹線および分岐回路において、それぞれ標準電圧の2%以下とすること。ただし、電気使用場所内の変圧器により供給される場合の幹線の電圧降下は、3%以下とすることができる(勧告)

幹線の範囲と電圧降下の考え方|電気設備設計の注釈ポイントまとめ

電気設備の設計では、「幹線」に含める範囲や「電圧降下」の評価が非常に重要です。
ここでは、内線規程などに記載されている注釈事項(注1~注4)を、初心者向けにやさしく解説します。


✅ 注1:引込線取付点から引込口までの部分も「幹線」に含む

建物に電気を引き込む際、**電柱から建物側に引き込まれる線(引込線)**のうち、
【電柱の引込線取り付け点~建物の引込口】までの区間も、「幹線」として扱います。

📌 ポイント:

  • 設計上、この区間も幹線の一部として「電圧降下」や「許容電流」の確認を行う必要があります。


✅ 注2:構内変圧器がある場合、二次側端子から主配電盤までが「幹線」

建物内に自家用変圧器(高圧→低圧に変換する機器)を設置している場合、
変圧器の二次側端子(低圧側の出力)から主配電盤までの配線が「幹線」に該当します。

📌 ポイント:

  • 幹線長にこの部分を含めないと、電圧降下計算が不正確になります。


✅ 注3:電圧降下の計算には「資料1-3-2」を参照する

幹線設計で重要な「電圧降下」は、次の条件で大きく変わります:

  • 配線方式(地中埋設・管路・ケーブルなど)

  • 負荷電流(使う機器の合計電流)

  • 電線の太さと材質(銅・アルミ)

📎 計算の基準値や具体的な表は「資料1-3-2」を参考にしましょう。


✅ 注4:太陽光発電の「逆潮流」も電圧降下に考慮が必要

系統連系型の小規模太陽光発電では、**パワーコンディショナ(PCS)**から電力が逆流(逆潮流)して電力会社側に流れることがあります。

この場合も、

  • パワコン~電柱の引込線取付点までの区間で生じる電圧降下
    を評価する必要があります。

📎 詳細は「3594節」に規定があります。


📝 まとめ:幹線と電圧降下の注意点

注釈 内容
注1 引込線の取り付け点から引込口も幹線として計算
注2 構内変圧器がある場合、二次側端子から主配電盤までを幹線に含める
注3 電圧降下の計算には資料1-3-2を参照
注4 太陽光発電の逆潮流による電圧降下は3594節を参照

ケーブル亘長が長い場合

ケーブル亘長が60mを超える場合

2.供給変圧器の二次側端子(電気事業者から低圧で電気の供給を受けている場合は、引込線取付点)から最遠端の負荷に至る電線のこう調が60mを超える場合の電圧降下は、前項にかかわらず、負荷電流により計算し1310-1表によることができる(勧告)

こう長が60mを超える場合の電圧降下

1310-1表こう長が60mを超える場合の電圧降下



太陽光発電設備の電圧降下

系統連系型小出力太陽光発電設備の施設

〔注〕系統連系型小出力太陽光発電設備からの逆潮流によるパワーコンディショナから引込線取付点までの電圧降下は,3594節(系統連系型小出力太陽光発電設備の施設)を参照のこと。

 

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