内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【038】|合成樹脂線ぴ配線

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

合成樹脂線ぴ配線とは?

合成樹脂線ぴ配線とは、合成樹脂製の線ぴ(レースウェイ)の中に電線を通して配線する方法です。屋内配線に用いられ、絶縁性や施工性に優れています

電線

  1. 絶縁電線

    • 合成樹脂線ぴ配線には、絶縁電線を使用する必要があります。
    • 絶縁電線の定義については、1100-1(用語)⑪(絶縁電線)を参照してください。
  2. 接続点の制限

    • 原則として、合成樹脂線ぴ内には電線の接続点を設けてはいけません。
    • ただし、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第二2(15)に適合する合成樹脂製のジョイントボックスを使用する場合は、接続点を設けることができます。
  3. 接続部の露出防止

    • 合成樹脂線ぴ相互及び合成樹脂線ぴとボックスその他の附属品とは、電線が露出しないように接続する必要があります。

使用電圧の制限

  • 合成樹脂線ぴ配線の使用電圧は、300V以下である必要があります。

施設場所の制限

  • 合成樹脂線ぴ配線は、屋内の乾燥した以下の場所に限り、施設することができます。
    • ① 露出場所
      • (注)床仕上面に施設してはいけません。
    • ② 点検できる隠ぺい場所
      • (注)土壁、コンクリートなどに埋め込んではいけません。ただし、ベースだけを埋め込む場合又は間仕切板などを貫通する場合は、この限りではありません。

合成樹脂線ぴの選定ルール

  1. JIS規格への適合

    • 合成樹脂線ぴは、JIS C 8425 (1984) 「屋内配線用合成樹脂線ぴ(樋)」の2.2~2.6、3~5による他、次の性能を満たすものである必要があります。
      • a. 耐電圧:JIS C 8425 (1984) の2.1による。ただし、電圧の印加時間は15分間とする必要があります。
      • b. 静荷重強度:JIS C 8425 (1984) の6.5の試験後、合成樹脂片又は木片(以下「試験片」という。)を線ぴの内部に装着し、この線ぴを通常の使用状態に取り付けたのち、試験片が脱落方向に98N並びに鉛直方向に150Nの荷重をそれぞれ1分間加えたとき、試験片が脱落せず、かつ、線ぴにひび、割れその他の異状が生じない必要があります。この場合において試験片は、軸方向の長さが約50mm、厚さが8mm以上で、その断面の形状は、線ぴの断面に相似したものを用いる必要があります。
  2. 形状と仕上げ

    • 合成樹脂線ぴは、まっすぐで、かつ、端部が線ぴの軸に対して直角に切断され、十分面取りを施してある必要があります。
  3. 取り付けやすさ

    • 造営材に容易に、かつ、堅ろうに取り付けることができる必要があります。
  4. かん合性

    • ベースとキャップが完全にかん合し、衝撃により容易に離れないものである必要があります。
  5. 内面のなめらかさ

    • 内面は電線の被覆を損傷するおそれがないようになめらかである必要があります。
  6. 寸法

    • 合成樹脂線ぴは、溝の幅及び深さが3.5cm以下のものである必要があります。ただし、簡易接触防護措置を施す場合は、幅が5cm以下のものを使用することができます。
  7. 附属品

    • 合成樹脂線ぴのボックスその他の附属品は、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第二 2 (15) に適合するものである必要があります。

附属品の選定

  • 合成樹脂線ぴのボックスその他の附属品は、電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈別表第二 2 (15) に適合するものである必要があります。

連結及び支持

  1. すき間なく接続

    • 合成樹脂線ぴ及び附属品は、相互にすき間なく接続する必要があります。
  2. 端口のなめらかさ

    • 合成樹脂線ぴの端口は、電線の被覆を損傷しないようになめらかなものである必要があります。
  3. ベースの取り付け

    • ベースの造営物への取付けは、0.4~0.5m間隔でねじ止め又はのり付け、その他の方法で堅ろうに取り付ける必要があります。
    • メタルラス張り、ワイヤラス張り又は金属板張りの造営物に金属製のねじで取り付ける場合は、3102-8(メタルラス張りなどとの絶縁)を参照する必要があります。

まとめ

  • 合成樹脂線ぴ配線には、絶縁電線を使用します。
  • 原則として、線ぴ内には電線の接続点を設けてはいけません。
  • 使用電圧は300V以下に制限されています。
  • 施設場所は、屋内の乾燥した露出場所または点検できる隠ぺい場所に限定されています。
  • 床仕上面や土壁、コンクリートなどへの施設は禁止されています。

(注)

  • この記事は、電気技術規程・解釈に基づいた一般的な情報提供を目的としています。
  • 実際の設置にあたっては、必ず専門家にご相談ください。
  • 最新の情報については、関連法令をご確認ください。

(キーワード)

合成樹脂線ぴ配線、電線、絶縁電線、接続点、使用電圧、施設場所、レースウェイ、電線管、電気工事、電気技術規程、安全