内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【072】|溶接機

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

記事のテーマ

溶接機を安全に使用するための分岐回路・幹線設備の選定方法について解説する。

溶接機とは?

溶接機とは、金属などの材料を溶かして接合する機械です。抵抗溶接機やアーク溶接機などがあります。

分岐回路・幹線設備の選定方法

  1. 電線、開閉器、過電流遮断器の選定

    • 抵抗溶接機並びにアーク溶接機に供給する分岐回路及び幹線は、溶接機の断続負荷電流による等価熱容量と同等以上の電流容量を有する電線、開閉器、過電流遮断器を使用して施設する必要があります。
    • 断続負荷電流による電圧降下が他の負荷に障害を及ぼさないように十分注意する必要があります。
  2. 断続電流と熱的に等価な連続電流の計算方法

    • 断続電流と熱的に等価な連続電流は、以下の式で計算します。
      • 溶接機1台の場合:I = Io√a
      • 溶接機N台の場合:I = Io√N(1-a) + N²a² ≒ NIo√a
        • ただし、I:連続等価電流、Io:定格(断続)電流、a:溶接機使用率
  3. 溶接機使用率の計算方法

    • 溶接機使用率aは、溶接機を断続的に繰り返し使用する状況を電線の温度上昇が飽和する時間(3時間程度)について推定し、以下の式で計算します。
      • a = 通電時間 / (通電時間 + 休止時間)
  4. 自動溶接機の場合

    • 自動溶接機で通電が連続的なものは、3705-5表に適合するものを使用する必要があります。

アーク溶接機の施設ルール

絶縁変圧器と一次側電路の対地電圧:

アーク溶接機には、必ず絶縁変圧器を使用してください。

絶縁変圧器の一次側電路の対地電圧は、300V以下に保つ必要があります。

溶接変圧器一次側電路の開閉器:

溶接変圧器の一次側電路には、変圧器の近くで誰でも簡単に操作できる開閉器を設置してください。これにより、緊急時などに迅速に電源を遮断できます。

二次側電線(溶接に使用する電線):

種類:

原則として、溶接用ケーブルまたはキャブタイヤケーブル(特定の種類を除く)を使用してください。

ただし、接地側(溶接電流が戻る側の電線)には、より丈夫な一種キャブタイヤケーブル、ビニルキャブタイヤケーブル、耐燃性ポリオレフィンキャブタイヤケーブル、または電気的に完全に接続された鉄骨なども使用できます。

鉄骨を接地側の電線として使用する場合は、電線の断面積の10倍以上の断面積が必要です。

溶接用ケーブルは、電気用品安全法または電気設備の技術基準の解釈第190条第2項に定められた規格に適合したものを使用してください。

二次側電線の太さの選定方法

アーク溶接機の二次側電線の太さは、以下の表を目安に選定します。

二次電流 (A) 溶接用ケーブル又はその他のケーブル (mm²)
100以下 14
150以下 22
250以下 38
400以下 60
600以下 100

選定のポイント

二次電流の大きさに応じて、適切な太さのケーブルを選びましょう。

表は、定格使用率が50%の場合を示しています。

溶接用ケーブルは、電気用品安全法又は解釈第190条第2項に規定する規格に適合するものを使用しましょう。


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