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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【088】|電極式温泉昇温器の施設

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

 


♨️電極式温泉湯沸器の施設基準と安全対策

温泉施設や旅館などで使用される「電極式温泉湯沸器」。この装置は、温泉水に電流を通して発熱させ、温度を上昇させる方式であり、適切な施設と安全対策が不可欠です。

本記事では、電源装置、絶縁対策、昇温器の設置、接地工事などの施設基準をわかりやすく解説します。


🧯電極式温泉湯沸器とは?

電極式温泉湯沸器とは、電気を利用して温泉水を加熱する装置です。主に旅館や温泉施設で使われており、構造上の特性から感電や過熱事故を防ぐための厳格な安全基準が設けられています。


⚡使用電圧と電源装置の基準

項目 基準内容
使用電圧 **300V以下(低圧)**であること
電源装置 絶縁変圧器を使用すること
直流使用 自動遮断装置付きの直流電源装置であれば使用可(300V以下)

✅絶縁変圧器の絶縁耐力試験

  • 交流2,000Vを1分間加え
    • 巻線と鉄心
    • 鉄心相互間
      において絶縁に耐える性能が必要です。

🚱ポンプと電源の分離

  • 電極式湯沸器本体と、
  • 給水ポンプ(浴槽水に給水する機器)は、

同一の電源回路に接続してはいけません。

ポンプを別回路とし、誤作動や感電のリスクを防ぎます。


🌡️昇温器の安全施設

✅遮へい装置の設置

  • 昇温器の流入口・流出口には遮へい装置を設ける
  • 人が触れられない構造であること

✅設置位置と材質

項目 基準
浴槽底面からの距離 水平1.5m以上離すこと
材質 絶縁性・耐水性の堅ろうな材料で作ること

✅給水ポンプの電源条件

  • 給水ポンプは昇温器と連動しない電源回路に接続
  • ただし、接地工事を施す場合は同一回路も可

✅温度過昇対策

  • **温泉水が異常高温になった際には、自動的に電源を遮断する構造とする必要があります。

🔌開閉器・過電流遮断器の設置

  • 電源電路には、中性線を除く各極に開閉器および過電流遮断器を設置
  • 過電流遮断器が開閉機能を持つ場合は、遮断器のみで可

🧷接地工事の基準

✅接地対象と導体

項目 基準内容
接地対象 金属製外箱、金属管など
工事種別 D種接地工事を施すこと
使用導体 **直径2.6mm以上の銅線(軟銅より線含む)**または同等以上の絶縁強度を持つものを使用すること

🛡️絶縁耐力の基準

  • 電極と大地との間の電位容量は、実効値で3V/cm以下とすること

漏れ電流による感電・漏電事故防止に必要な設計条件です。

 

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