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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【090】|遊戯用電車の施設

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

🚂遊戯用電車の施設基準と安全対策

遊園地やテーマパークで子どもたちに人気の「遊戯用電車」。その安全運行のためには、電気設備の施設基準や安全対策を正しく理解し、適切に施工・管理することが求められます。本記事では、遊戯用電車の電源装置や配線、保護措置、絶縁性能に関する施設基準を分かりやすく解説します。


🚃遊戯用電車とは?

遊戯用電車とは、遊園地や施設内に敷設されたレール上を走行する、小型の電動列車です。来園者の輸送やアトラクションの一部として利用され、安全で快適な運行のために専用の電源と電気設備が必要です。


⚡使用電圧の基準

区分 使用電圧の上限
変圧器の一次側(電源供給) 300V以下
電源装置の二次側(直流) 60V以下
電源装置の二次側(交流) 40V以下

▶ 安全のために低電圧設計が義務付けられています。


🔌電源装置と変圧器の基準

  • 電源装置の変圧器は、絶縁変圧器を使用

  • 電源装置の二次側端子の電圧は、直流60V以下/交流40V以下


🚈電源装置からレールまでの配線基準

✅接触電線(サードレール方式)

  • サードレール方式で施設する必要があります。

  • 人が簡単に立ち入れない場所に設置し、感電リスクを最小化。

✅配線の保護

  • 電源装置からサードレールに至る配線、および相互接続は、

    • ケーブルによる場合 → 基準を満たす構内配線で設置

    • それ以外 → 簡易接触防護措置を施し、安全確保

注:この配線には低圧配線・構内電線路に関する規定は適用されません。


🔁帰線用レールの接続基準

  • 溶接による接続が望ましい

  • 溶接しない場合は、ボンド電気的に完全な接続を行う


🚋電車内の電路に関する安全対策

✅電路の設置基準

  • 電車内の電路は、取扱者以外が容易に触れないように設置

✅昇圧して使用する場合

項目 基準
変圧器の種類 絶縁変圧器
二次電圧 150V以下
収納方法 堅牢な箱に収める
金属構造部 レールと電気的に完全に接続すること

⚙️制御装置と開閉器の施設基準

✅開閉器

  • 電源供給回路には専用の開閉器を設置

  • 頻繁な操作に耐えられる耐久性が必要

✅電車外の制御装置(抵抗器・開閉器など)

  • 充電部は確実に防護

  • 屋外設置の場合は防雨・防湿構造を採用

    • 防湿形/防雨形/防まつ形/防浸形(JIS 1100-1)


🧯絶縁性能と接地対策

✅絶縁抵抗基準

  • サードレールや電車内の電路と大地間の絶縁抵抗は、

    • 低圧電路の絶縁性能(JIS 1345-2)第3項に適合


✅接地工事の基準

  • 電車の金属製構造部レールと確実に電気的接続

  • 接地不良による感電事故を防止


🚧危険防止施設と立入防止策

  • サードレールや走行レールは、柵等で囲い込み、関係者以外の立入を防止

  • 出入口や踏切部には、絶縁マットを敷設して安全対策を強化


✅まとめ:遊戯用電車の安全施設基準チェックリスト

項目 内容
使用電圧 変圧器一次側300V以下、直流60V以下、交流40V以下
電源装置 絶縁変圧器を使用
サードレール 立入防止策・防護措置を実施
電車内の電路 昇圧時は150V以下/堅牢な箱に収納/接地確保
開閉器・制御装置 専用設置/防雨・防湿構造を採用
絶縁性能 JIS 1345-2準拠
接地・安全施設 柵の設置、絶縁マット敷設などで感電防止
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