出典(内線規程(JEAC8001-2022))より
🚂遊戯用電車の施設基準と安全対策
遊園地やテーマパークで子どもたちに人気の「遊戯用電車」。その安全運行のためには、電気設備の施設基準や安全対策を正しく理解し、適切に施工・管理することが求められます。本記事では、遊戯用電車の電源装置や配線、保護措置、絶縁性能に関する施設基準を分かりやすく解説します。
🚃遊戯用電車とは?
遊戯用電車とは、遊園地や施設内に敷設されたレール上を走行する、小型の電動列車です。来園者の輸送やアトラクションの一部として利用され、安全で快適な運行のために専用の電源と電気設備が必要です。
⚡使用電圧の基準
区分 | 使用電圧の上限 |
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変圧器の一次側(電源供給) | 300V以下 |
電源装置の二次側(直流) | 60V以下 |
電源装置の二次側(交流) | 40V以下 |
▶ 安全のために低電圧設計が義務付けられています。
🔌電源装置と変圧器の基準
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電源装置の変圧器は、絶縁変圧器を使用
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電源装置の二次側端子の電圧は、直流60V以下/交流40V以下
🚈電源装置からレールまでの配線基準
✅接触電線(サードレール方式)
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サードレール方式で施設する必要があります。
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人が簡単に立ち入れない場所に設置し、感電リスクを最小化。
✅配線の保護
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電源装置からサードレールに至る配線、および相互接続は、
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ケーブルによる場合 → 基準を満たす構内配線で設置
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それ以外 → 簡易接触防護措置を施し、安全確保
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注:この配線には低圧配線・構内電線路に関する規定は適用されません。
🔁帰線用レールの接続基準
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溶接による接続が望ましい
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溶接しない場合は、ボンドで電気的に完全な接続を行う
🚋電車内の電路に関する安全対策
✅電路の設置基準
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電車内の電路は、取扱者以外が容易に触れないように設置
✅昇圧して使用する場合
項目 | 基準 |
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変圧器の種類 | 絶縁変圧器 |
二次電圧 | 150V以下 |
収納方法 | 堅牢な箱に収める |
金属構造部 | レールと電気的に完全に接続すること |
⚙️制御装置と開閉器の施設基準
✅開閉器
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電源供給回路には専用の開閉器を設置
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頻繁な操作に耐えられる耐久性が必要
✅電車外の制御装置(抵抗器・開閉器など)
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充電部は確実に防護
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屋外設置の場合は防雨・防湿構造を採用
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防湿形/防雨形/防まつ形/防浸形(JIS 1100-1)
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🧯絶縁性能と接地対策
✅絶縁抵抗基準
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サードレールや電車内の電路と大地間の絶縁抵抗は、
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低圧電路の絶縁性能(JIS 1345-2)第3項に適合
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✅接地工事の基準
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電車の金属製構造部はレールと確実に電気的接続
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接地不良による感電事故を防止
🚧危険防止施設と立入防止策
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サードレールや走行レールは、柵等で囲い込み、関係者以外の立入を防止
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出入口や踏切部には、絶縁マットを敷設して安全対策を強化
✅まとめ:遊戯用電車の安全施設基準チェックリスト
項目 | 内容 |
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使用電圧 | 変圧器一次側300V以下、直流60V以下、交流40V以下 |
電源装置 | 絶縁変圧器を使用 |
サードレール | 立入防止策・防護措置を実施 |
電車内の電路 | 昇圧時は150V以下/堅牢な箱に収納/接地確保 |
開閉器・制御装置 | 専用設置/防雨・防湿構造を採用 |
絶縁性能 | JIS 1345-2準拠 |
接地・安全施設 | 柵の設置、絶縁マット敷設などで感電防止 |