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内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【016】|漏電火災警報器

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

漏電火災警報器とは?設置が必要な建物と設置方法をやさしく解説

近年、増加傾向にある電気火災。その原因の一つに「漏電」があります。漏電とは、本来電流が流れるべきではないところに電気が流れてしまう現象で、火災や感電の原因にもなりかねません。

そんな漏電による火災を未然に防ぐために活躍するのが、**「漏電火災警報器」**です。この装置は、漏電をいち早く感知して警報を鳴らし、火災の発生を防いでくれる頼れる存在です。

この記事では、漏電火災警報器の設置が義務づけられている建物の種類や面積、設置方法のポイントについて、やさしく解説していきます。


1. 漏電火災警報器の設置が義務づけられる建物とは?

漏電火災警報器の設置義務については、消防法施行令第22条消防法施行規則第24条の3で定められています。

主に、次の2つの条件に当てはまる建物に設置が必要です。

  • 壁・床・天井などに金属製のラス張りやワイヤーラス張りが使われている建物

  • 低圧電路が設置されている建物

そのうえで、具体的な建物の種類や延べ面積によっても設置義務の有無が変わってきます。以下に分類してご紹介します。

1.1 重要文化財など

  • 法律で指定・認定された重要文化財、史跡、美術品などの建造物

1.2 延べ面積150㎡以上の建物

  • 旅館・ホテル・宿泊施設

  • 寄宿舎、下宿、共同住宅

  • 蒸気浴場・熱気浴場などの公衆浴場

1.3 延べ面積300㎡以上の建物

  • 旅館・ホテル・宿泊施設

  • 公会堂・集会場

  • キャバレー、カフェー、ナイトクラブ

  • 遊技場、ダンスホール

  • 風俗営業店舗、カラオケボックス

  • 飲食店、料理店、待合

  • 百貨店・展示場・物品販売店

  • 病院・診療所・助産所

  • 老人ホーム・介護施設・障害者施設など

  • 保育所・幼稚園・特別支援学校

  • 工場・作業場

  • 映画・テレビスタジオ

  • 地下街

1.4 延べ面積500㎡以上の建物

  • 学校(小・中・高・大学など)

  • 図書館・博物館・美術館

  • 駅・空港

  • 神社・寺院・教会

1.5 複合用途の建物

  • 延べ面積が500㎡以上で、上記1.2または1.3の用途にあたる部分の合計床面積が300㎡以上のもの

1.6 延べ面積1,000㎡以上の建物

  • 倉庫

  • 一般の事業場・自動車車庫・駐車場

1.7 契約電流が50Aを超える場合

  • 上記の建物に該当するもの

  • その他の事業場・車庫・駐車場

  • 複合用途の建物

💡 ワンポイント
金属板張りの木造建築物についても、上記と同様に漏電火災警報器の設置が推奨されています。
また、自治体ごとに独自の基準を設けている場合もありますので、詳しくは地元消防署や「日本火災報知機工業会」の資料などを確認しましょう。


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