内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【022】|構内引込線

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

架空電線等の高さと構内引込線に関する規定

この資料は、架空電線等の高さに関する一般的な規定と、特に低圧構内架空引込線に関する詳細な施設基準をまとめたものです。

架空電線等の高さ(第25条)

1. 基本的な高さの規定

  • 架空電線、架空電力保安通信線、架空電車線は、感電事故を防ぎ、人や車両の通行の妨げにならないように、適切な高さに設置する必要があります。
  • これは、電気設備の安全性を確保し、公共の安全を守るための重要な規定です。

2. 支線の高さ

  • 電線を支える支線についても、同様に通行の妨げにならない高さに設置する必要があります。
  • 支線の高さも、人や車両の安全な通行を確保するために重要な要素です。

3.高さの基準

  • 架空電線の高さは、設置場所や電線の種類によって細かく基準が定められています。
  • 道路上、鉄道や軌道を横断する場合、河川を横断する場合など、それぞれの状況に応じて、安全な高さが規定されています。
  • これらの基準は、電気設備に関する技術基準によって定められており、安全な電気供給を確保するために厳守する必要があります。

低圧構内架空引込線の施設

1. 適用される基準の遵守

  • 低圧構内架空引込線は、以下の関連基準に加えて、個別の規定にも従う必要があります。
    • 2200-2(架空電線の支持)
    • 2200-3(架空電線の分岐)
    • 2200-14(架空電線の線間距離)
    • 2200-19(架空電線と煙突などの接触防止)
    • 2200-23(架空ケーブルの施設)

2. 電線の種類と太さの選定

  • 絶縁電線(OW、DV、DE、IV、高圧・特別高圧絶縁電線):
    • こう長15m以下の場合:直径2.0mm以上
    • こう長15m超の場合:直径2.6mm以上
  • ケーブル(鉛被、アルミ被、ビニル外装、クロロプレン外装、ポリエチレン外装):
    • 機械的強度の制限なし

3. 電線の高さの確保

  • OW電線:
    • 人が手を伸ばしても触れない高さに設置
  • その他の絶縁電線:
    • 人が容易に触れない高さに設置

4. ケーブル施設の注意点

  • ケーブルを使用する場合は、2200-23の規定に従って施設する必要があります。
  • ただし、ケーブルの長さが1m以下であれば、メッセンジャーワイヤを省略できます。

重要な補足情報

  • これらの規定は、感電や短絡などの事故を防ぎ、安全な電気供給を確保するために設けられています。
  • 実際の設置作業では、これらの基準を遵守し、専門的な知識と技術を持った電気工事士が作業を行う必要があります。
  • 設置場所の環境条件(風、雪、温度など)も考慮し、適切な電線やケーブルを選定することが重要です。

 

低圧構内架空引込線の最小離隔距離

1.接近する場合の最小離隔距離

  • 低圧構内架空引込線が、他の物体(植物を含む)の側方に近づいて設置される場合、その距離は「2200-5表」という規定に従って決定されます。この表には、接近する物体の種類や状況に応じた具体的な距離が記載されています。

2. 交差する場合の最小離隔距離

  • 低圧構内架空引込線が、他の物体(田畑、水面、植物を含む)の上を通過して交差する場合、その距離は「2200-6表」という規定に従って決定されます。こちらも同様に、交差する物体の種類や状況に応じた具体的な距離が記載されています。

 

直接引き込んだ造営物

通常、低圧構内架空引込線は、建物などの構造物から一定の距離を保つ必要があります。

しかし、以下の条件を満たす場合は、この離隔距離の規定が適用されません。

  • 低圧構内架空引込線が建物に直接引き込まれている。
  • 危険のおそれがないと判断される。

 

工作物との接近・交差

1. 離隔距離の確保

  • 電線と他の工作物との間には、2110-2表に定められた安全な距離(離隔距離)を確保する必要があります。この表は、電線の種類や電圧、工作物の種類などに応じて、必要な離隔距離を定めています。

2. 例外規定(JESC E2005)

  • ただし、低圧架空引込線の引込点付近に限り、JESC E2005(2002)という基準に従って設置する場合は、2110-2表の規定によらないことができます。
  • JESC E2005(2002)は、特定の条件下での離隔距離の緩和を認めるもので、資料1-3-14で詳細を確認できます。

 

2110-2表 引込線と他物の離隔距離

離隔距離とは?

電線と建物(造営物)との間に必要な距離のことで、安全な電気供給と感電事故防止のために定められています。

離隔距離の区分と値

離隔距離は、電線の種類と造営物との位置関係によって異なります。

  • 造営物の上部・造営材上方
    • 高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、ケーブル:0.5m
    • 低圧絶縁電線:1.0m
    • その他:2.0m
  • その他
    • 高圧絶縁電線、特別高圧絶縁電線、ケーブル:0.15m
    • その他:0.3m

補足事項

  • 低圧絶縁電線には、OW電線(屋外用ビニル絶縁電線)は含まれません。

 

低圧構内架空引込線の高さ

高さの規定: 低圧構内架空引込線の高さは、1370-1表に規定する値以上である必要があります。

高圧構内架空引込線の施設基準

高圧構内架空引込線設置の基本

高圧構内架空引込線を設置する際には、以下の基準を遵守する必要があります。

  • JIS規格への準拠:
    • JIS C 2200-2(架空電線の支持)
    • JIS C 2200-3(架空電線の分岐)
    • JIS C 2200-14(架空電線の線間距離)
    • JIS C 2200-19(架空電線と煙突などの接触防止)
    • JIS C 2200-23(架空ケーブルの施設)
  • 電線の種類と太さ:
    • JIS C 2110-3表に定められた電線の種類と太さを選択。

各基準の重要ポイント

  • 架空電線の支持:
    • 電線を安全に支持するための支持物の種類、強度、設置間隔などが規定されています。
  • 架空電線の分岐:
    • 電線を分岐する際の接続方法や、分岐点の強度などが規定されています。
  • 架空電線の線間距離:
    • 電線同士の安全な距離を確保するための規定です。
  • 架空電線と接触防止:
    • 煙突などの危険物との接触を防ぐための安全対策が規定されています。
  • 架空ケーブルの施設:
    • 架空ケーブルの施設方法、支持方法、端末処理などが規定されています。
  • 電線の種類と太さの選定:
    • 安全に電気を供給するために、必要な電線の種類と太さが定められています。

 

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