内線規程の解釈と解説【022】|構内引込線
構内引込線を3つの視点で図解整理。高さ(116-1表)、造営物などとの離隔(原則と116-2表・OW電線の扱い・JESC E2005)、電線と施設(解釈第116条・第117条)を要点とFAQでまとめます。
出典:電気設備の技術基準の解釈 第1条・
構内引込線は、この記事では、需要場所の建物へ電気を引き込む架空引込線(解釈第1条第九号)と、その屋側部分を中心に整理します。「構内引込線」は内線規程の項目名で、省令・解釈には同じ名前の定義はありません。押さえるポイントは 「高さ/造営物などとの離隔/電線と施設」 の3つに整理できます。
ペン太
ハリタ
ペン太
ハリタこの記事で押さえる3つのこと
- 低圧架空引込線の高さは、道路の横断で路面上5m、鉄道・軌道でレール面上5.5m、それ以外で地表上4m以上(116-1表)。
- 離隔の原則は低圧架空電線と同じ。116-2表は技術上やむを得ないときの値で、OW電線は「その他」の欄。
- 電線は絶縁電線かケーブル。OW電線は手を伸ばしても触れない範囲に。連接引込線は分岐点から100mまで。
① 高さ
- 低圧架空引込線の電線の高さは、解釈第116条第1項第六号の116-1表に規定する値以上にする
- 道路(歩行の用にのみ供される部分を除く)を横断するなら路面上5m、鉄道・軌道を横断するならレール面上5.5m、それ以外は地表上4m
- 高圧架空引込線の高さは、高圧架空電線と同じ第68条第1項に準じる。道路・鉄道・横断歩道橋を横断しない場所なら、地表上3.5m以上にできる(ケーブル以外は下方に危険の表示。解釈第117条)
解釈の解説によると、架空引込線の高さは、主に経済上の理由から、交通に支障がない限り一般の電線路より緩和されています。2.5mは、建造物の構造上、取付け点を4mにするのがどうしても難しい場合のための緩和です。
| 区分 | 高さ | 技術上やむを得ず、交通に支障がないとき |
|---|---|---|
| 道路を横断 | 路面上5m | 路面上3m |
| 鉄道・軌道を横断 | レール面上5.5m | (緩和なし) |
| 横断歩道橋の上 | 横断歩道橋の路面上3m | (緩和なし) |
| 上記以外 | 地表上4m | 地表上2.5m |
ペン太
ハリタ- 道路の横断は路面上5m、鉄道・軌道はレール面上5.5m。
- それ以外は地表上4m。やむを得ないときの緩和もある。
② 造営物などとの離隔
引込線と造営物などとの離隔は、場面で読む条文が変わります。
- 原則:工作物や植物と接近・交差するときは、低圧架空電線に係る第71条から第79条までの規定に準じる(解釈第116条第1項第七号)。たとえば第78条では、造営物の上部造営材の上方は2m(高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線・ケーブルは1m)
- 直接引き込んだ造営物:危険のおそれがない場合に限り、第71条第1項第二号と第78条第1項の離隔によらないことができる(同号ただし書)
- それ以外の工作物で、技術上やむを得ないとき:116-2表の値以上にし、危険のおそれがないように施設する(同項第八号)。需要場所の取付け点付近に限り、JESC E2005(2002)による方法もある
| 電線の種類 | 上部造営材の上方 | その他 |
|---|---|---|
| 高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線・ケーブル | 0.5m | 0.15m |
| 屋外用ビニル絶縁電線以外の低圧絶縁電線 | 1m | 0.3m |
| その他(屋外用ビニル絶縁電線など) | 2m | 0.3m |
- 離隔の原則は、低圧架空電線の第71条〜第79条に準じる。
- 116-2表は、技術上やむを得ないときの値。OW電線は「その他」の欄。
- 引き込む建物との離隔は、危険のおそれがなければ緩和できる。
③ 電線と施設のしかた
- 電線は絶縁電線又はケーブル。ケーブル以外は、引張強さ2.30kN以上又は直径2.6mm以上の硬銅線。径間15m以下に限り、1.38kN以上又は直径2mm以上の硬銅線(解釈第116条第1項第一号・第二号)
- 屋外用ビニル絶縁電線は、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に、それ以外の絶縁電線は、容易に触れることのない範囲に施設する(第三号・第四号)
- ケーブルは、架空ケーブル工事(第67条)に準じる。取付け点から引込口までの屋側部分・屋上部分は、低圧屋側電線路の規定(第110条第2項・第3項)に準じる(第五号・第2項)
- 構内の特例(第82条第2項・第3項)の低圧架空電線に直接接続する架空引込線は、第82条に準じて施設できる(第3項)
- 低圧連接引込線は、引込線から分岐する点から100mを超える地域にわたらない。幅5mを超える道路を横断しない。屋内を通過しない(第116条第4項)
- 高圧架空引込線の電線は、引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線を使う高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線、引下げ用高圧絶縁電線、ケーブル(第117条)
| 取り違えやすいところ | 正しくは |
|---|---|
| 高さは、どこでも4m以上 | 道路の横断は路面上5m、鉄道・軌道はレール面上5.5m、それ以外は地表上4m(116-1表) |
| 離隔は、いつも116-2表の値 | 原則は第71条〜第79条に準じる。116-2表は、技術上やむを得ないときの値 |
| OW電線も、低圧絶縁電線の欄で読む | 116-2表では「その他」の欄(上方2m、その他0.3m) |
| 直接引き込む建物なら、離隔は不要 | 危険のおそれがない場合に限り、第71条第1項第二号・第78条第1項によらないことができる |
| 連接引込線は、どこまでも延ばせる | 分岐点から100mまで。幅5m超の道路の横断と、屋内の通過はできない |
| 高圧の引込線も、低圧と同じ電線でよい | 高圧絶縁電線(8.01kN以上)、引下げ用高圧絶縁電線、ケーブル |
- 電線は絶縁電線かケーブル。2.30kN以上(径間15m以下は1.38kN以上)。
- OW電線は、手を伸ばしても触れない範囲に施設する。
- 連接引込線は分岐点から100mまで。高圧の引込線は第117条。
よくある質問(FAQ)
Q. 引込線と造営物の離隔距離はどれくらい必要?
A. 原則は、低圧架空電線に係る第71条から第79条までの規定に準じます(解釈第116条第1項第七号)。たとえば第78条では、造営物の上部造営材の上方は2m(高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線・ケーブルは1m)、その他は0.6m(同0.3m)です。直接引き込んだ造営物以外の工作物で、技術上やむを得ないときは、116-2表の値(上方0.5m・1m・2m、その他0.15m・0.3m)によることができます(同項第八号)。
Q. OW電線は「低圧絶縁電線」に含まれるの?
A. 116-2表では、「屋外用ビニル絶縁電線以外の低圧絶縁電線」の欄には入らず、「その他」の欄です。造営物の上部造営材の上方は2m、その他は0.3mです。また、OW電線は、人が通る場所から手を伸ばしても触れることのない範囲に施設します(解釈第116条第1項第三号)。
Q. 離隔が確保できないときの緩和はある?
A. 直接引き込んだ造営物との離隔は、危険のおそれがない場合に限り、第71条第1項第二号と第78条第1項によらないことができます(解釈第116条第1項第七号ただし書)。他の工作物との離隔は、技術上やむを得ないときに116-2表によることができ、需要場所の取付け点付近に限り、JESC E2005(2002)による方法もあります(同項第八号)。
Q. 構内引込線の高さの基準は?
A. 低圧架空引込線は、道路を横断するなら路面上5m、鉄道又は軌道を横断するならレール面上5.5m、横断歩道橋の上なら路面上3m、それ以外は地表上4m以上です。技術上やむを得ず交通に支障がないときは、道路の横断で3m、それ以外で2.5mまで緩和されます(解釈第116条、116-1表)。
まとめ|高さ・離隔・電線の3つで確認する
構内引込線は、高さは116-1表、離隔は低圧架空電線の規定(やむを得ないときは116-2表)、電線と施設は第116条・第117条という3つの参照先を押さえておけば、確認の道筋が定まります。
| 確認したい内容 | 解釈の規定 |
|---|---|
| 低圧の高さ | 道路横断5m、鉄道・軌道5.5m、横断歩道橋の上3m、それ以外4m(116-1表) |
| 高圧の高さ | 第68条第1項に準じる。条件つきで地表上3.5m(第117条) |
| 離隔の原則 | 低圧架空電線の第71条〜第79条に準じる |
| 離隔の特例 | 技術上やむを得ないとき116-2表。取付け点付近はJESC E2005も |
| 引き込む建物 | 危険のおそれがなければ、第71条第1項第二号・第78条第1項によらない |
| 電線 | 絶縁電線かケーブル。2.30kN以上(径間15m以下は1.38kN以上) |
| 屋側部分 | 第110条第2項・第3項に準じる |
| 連接引込線 | 分岐点から100mまで。幅5m超の道路を横断せず、屋内を通過しない |
高さで押さえること
- 人や車両の通行を妨げないか。
- 道路・鉄道・それ以外の区分の高さ以上か。
離隔で押さえること
- 原則の離隔(第71条〜第79条)を満たすか。
- 造営物の上部か側方か。
- 116-2表を使うなら、やむを得ない場合か。OW電線は「その他」。
電線と施設で押さえること
- 電線の種類と引張強さ。
- 人が触れない範囲と、屋側部分の工事。
- 連接引込線の範囲と、高圧の引込線の電線。
構内引込線は、「どの場面の値を読むか」で迷いやすい条文です。高さは下を通るもの、離隔は原則か特例か、電線は種類と径間で決まるので、図面ではこの順に確かめると確実です。
ペン太
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