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はじめまして、ハリタといいます。 電気設備の計画や設計、むずかしいと感じたことはありませんか? 「先輩に聞けない」「相談できる人がいない」 ――そんな悩みを抱える方の力になりたくて、このサイトを立ち上げました。 現場で迷ったとき、ふと立ち寄ってヒントが得られるような、そんな場所を目指しています。 あなたのモヤモヤが少しでも晴れることを願って――どうぞよろしくお願いします。
内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【009】|接地

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

 

出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

この記事に書かれていること

接地工事についての規定

接地工事は、電気設備を安全に使うために地面に電気を逃がす工事で、A種からD種までの4種類があります。それぞれの工事で、地面に逃がす電気の抵抗値(接地抵抗値)が決められています。

 

🔌💡🏠

接地工事をマスターしよう!

🎯この章で学べること

🦔

ハリタ先生

ペン太君、**接地工事**の知識は電気を扱う上で欠かせないものだ。この章で一緒に基礎から応用まで学んでいこう!

ペン太

はい!感電防止にも繋がる大切な知識ですよね!しっかり頑張ります!

🐧

この章の学習目標

  • 接地工事の4つの種類と目的を理解する。
  • 各接地抵抗の許容値を正確に覚える。
  • 電路の保護装置の確実な動作を確保する目的の接地工事について知る。

ℹ️接地工事の基本

🦔

ハリタ先生

接地工事は、電気設備を安全に使うための最も重要な工事の一つです。まずは、その種類から見ていきましょう。

ペン太

はい!高圧や低圧など、電圧によって種類が違うんですよね。

🐧
🤔

接地工事の4つの種類

電気設備技術基準では、使用する電圧や目的によって接地工事の種類が分けられています。接地工事は、感電や火災の防止、機器の保護を目的として、電気機器の金属部分などを地面に接続する作業です。特に重要なのは、**A種, B種, C種, D種**の4つの分類です。それぞれの種類と抵抗値の基準をしっかり覚えましょう。

⚡️
A種・B種
高圧・特別高圧
📜
C種・D種
低圧
A種
10Ω以下
高圧・特別高圧機器
C種
10Ω以下
300V超の低圧機器
D種
100Ω以下
300V以下の低圧機器

接地抵抗値について

🦔

ハリタ先生

接地工事の基準でよく出てくる「接地抵抗値」について、詳しく見ていきましょう。この値が小さいほど、安全性が高まるんですよ。

接地抵抗とは?

接地抵抗とは、電気設備の接地(アース)と大地との間の電気抵抗のことです。単位はオーム(Ω)で表され、雷や漏電などの電流を安全に地面へ逃がすために重要な指標です。

  • 地盤の性質に左右される: 乾燥した砂地や岩盤などは電気を通しにくく、接地抵抗が高くなりがちです。
  • 接地抵抗を下げるには: 接地極を深く打ち込んだり、接地極を増やしたり、接地抵抗低減剤を使ったりといった追加作業が必要になるため、コストが増加します。
接地抵抗値が低い(Ωが小さい)ことのメリット
  • 雷や異常電流を安全に地面へ逃がせる: 雷が落ちたときや漏電が発生したとき、接地抵抗が低いと電流がスムーズに地面へ流れます。これにより、機器の破損や火災、人への感電リスクを低減できます。
  • 保護装置が確実に動作する: 漏電遮断器などの保護装置は、異常電流が流れたときに動作します。接地抵抗が低いと、異常電流が確実に流れ、遮断器が作動しやすくなります。
  • 電位差が小さくなり、感電リスクが減る: 接地抵抗が高いと、設備の金属部分に電位が残りやすくなります。これが人の体との電位差を生み、感電の危険性が高まります。接地抵抗が低ければ、電位差が小さくなり、安全性が向上します。
🛡️
安全性が高い
Ωが低い
電流を逃がす
感電・火災防止

ペン太

なるほど!Ωが低いほど、安全性を高めるための手間やコストがかかるんですね!

🐧

📍接地工事の設置場所

🦔

ハリタ先生

接地工事は、感電や火災防止のために設置が義務付けられている場所がいくつかあります。特に重要な場所をまとめておきましたよ。

  • 低圧電路と使用電圧150V以下の低圧電路を結合する変圧器の二次側電路に施す接地🔌
  • 試験用変圧器など、電路の絶縁線が規定から除外されるもの🧪
  • 需要場所の引込口の接地🏠
  • 電路の保護装置の確実な動作、異常電圧の抑制、対地電圧の低下を図る目的の接地💡
  • 低圧電路に施設する保護装置の確実な動作を確保する目的の接地
  • 避雷器の接地🌩️

ペン太

こうしてリストで見ると、いろんな場所に必要なのが分かりますね!

🐧

📝A種接地工事の詳細

🦔

ハリタ先生

A種接地工事について、さらに詳しく見ていきましょう。これは特に重要な項目です。

A種接地工事の目的と抵抗値

A種接地工事は、高圧または特別高圧の電気機器に施される最も厳重な接地工事です。感電防止と、機器に異常電圧がかかった際の保護を目的としています。

  • 対象: 高圧・特別高圧用の電気機器の金属製外箱など
  • 接地抵抗値: **10Ω以下**
🛡️
高圧・特高
感電・機器保護
10Ω
以下
厳重な基準
設置が免除される場合

ただし、特定の条件下ではA種接地工事が免除されることがあります。

  • 高圧・特別高圧の電路に**避雷器**が設けられていて、その接地工事がされている場合
  • 高圧・特別高圧の機器の近くに、**B種接地工事**がされている変圧器の二次側電路がある場合

ペン太

避雷器やB種接地工事がされている場合は、安全性が確保されているからなんですね!

🐧

📝B種接地工事の詳細

🦔

ハリタ先生

B種接地工事は、変圧器の保護に特に重要です。接地抵抗値の計算方法には少し複雑なルールがあるので、一緒に確認していきましょう。

B種接地工事の目的と抵抗値の計算

B種接地工事は、高圧や特別高圧の電路と低圧の電路が混触(接触)した場合に、低圧側の電圧が過度に上昇するのを防ぐ目的があります。接地抵抗値は、変圧器の高圧側または特別高圧側の電路の**一線地絡電流**のアンペア数によって決まります。

  • 対象: 変圧器の二次側電路
  • 接地抵抗値: 150/I Ω以下
    ※ただし、Iは一線地絡電流(A)です。
🧮
150 / I
一線地絡電流
⚡️
混触防止
高圧と低圧の接触
遮断器がある場合の特例

混触時に、高圧・特別高圧電路を自動的に遮断する装置が設けられている場合は、抵抗値の計算に特例が適用されます。

  • **1秒を超え2秒以内**に遮断する場合: 300/I Ω以下
  • **1秒以内**に遮断する場合: 600/I Ω以下

ペン太

一線地絡電流の大きさで抵抗値が変わるんですね!奥が深い!

🐧

📝C種接地工事の詳細

🦔

ハリタ先生

C種接地工事は、低圧の中でも特に注意が必要な場面で使われます。D種接地工事との違いに注目してみましょう。

C種接地工事の目的と抵抗値

C種接地工事は、使用電圧が**300Vを超える**低圧機器に施されます。感電防止を目的としており、D種よりも厳しい抵抗値が定められています。

  • 対象: 使用電圧が300Vを超える低圧の電気機器
  • 接地抵抗値: **10Ω以下**
⚡️
300V超
低圧機器
10Ω
以下
厳重な基準
500Ω
特例あり
漏電遮断器
漏電遮断器がある場合の特例

定格感度電流が100mA以下、かつ動作時間が0.5秒以下の漏電遮断器を設置する場合は、接地抵抗値を**500Ω以下**に緩和できます。

これは、漏電が発生した際に素早く電流を遮断することで、安全性が確保されるためです。

ペン太

C種とD種は電圧の基準が違うんですね!抵抗値の特例も漏電遮断器の性能によって変わるのがわかりました!

🐧

📝D種接地工事の詳細

🦔

ハリタ先生

最後に、D種接地工事について詳しく見ていきましょう。C種との違いを意識して覚えましょう!

D種接地工事の目的と抵抗値

D種接地工事は、使用電圧が**300V以下の**低圧機器に施されます。感電防止を目的としており、C種よりも緩やかな抵抗値が設定されています。

  • 対象: 使用電圧が300V以下の低圧の電気機器
  • 接地抵抗値: **100Ω以下**
⚡️
300V以下
低圧機器
100Ω
以下
緩やかな基準
500Ω
特例あり
漏電遮断器
漏電遮断器がある場合の特例

C種接地工事と同様に、定格感度電流が100mA以下、かつ動作時間が0.5秒以下の漏電遮断器を設置する場合は、接地抵抗値を**500Ω以下**に緩和できます。

これは、漏電が発生した際に素早く電流を遮断することで、安全性が確保されるためです。

ペン太

C種とD種は電圧の基準と抵抗値が違うけれど、漏電遮断器による特例は同じなんですね!

🐧

🤝その他の条件

🦔

ハリタ先生

接地工事には、複数の種類を同じ場所で兼用する際や、接地線を共用する際にいくつかのルールがあります。安全性を保つために、これらのルールをしっかり守る必要がありますよ。

接地工事の兼用について

同じ箇所に2種類以上の接地工事を施す場合は、**接地抵抗値の低い方の接地工事**で、他の接地工事を兼用することができます。

① 接地工事の兼用の基本ルール

同じ箇所に2種類以上の接地工事を施す場合は、接地抵抗値の低い方の接地工事で、他の接地工事を兼用することができる。

👉 例:
D種接地(100Ω以下)とC種接地(10Ω以下)が必要な機器が同じ場所にある場合、より厳しい「10Ω以下」の接地を確保すれば、C種・D種どちらも満たすことができます。
つまり**「複数種類が重なるときは一番厳しい基準でまとめる」**という考え方です。

⬇️
抵抗値
低い方で兼用
接地線及び接地極の共用の制限

漏電遮断器で保護されている電路と保護されていない電路に施設される機器などの接地線及び接地極は、**共用しないこと**。ただし、**2Ω以下の低抵抗**の接地極を使用する場合は、この限りではありません。

② 接地線・接地極の共用の制限

漏電遮断器で保護されている電路と、保護されていない電路に施設される機器などの接地線及び接地極は、共用しないこと。ただし、2Ω以下の低抵抗の接地極を使用する場合は、この限りではない。

👉 ポイントは**「漏電遮断器の有無」で分ける**という点です。

・漏電遮断器なしの回路 → 感電防止のため接地がより重要

・漏電遮断器ありの回路 → 漏電発生時に機器保護はできるが、他の回路に影響を与える恐れあり

そのため、通常は共用禁止。ただし**「2Ω以下」の低抵抗接地なら安全性が確保されるため共用が許されています**。
このため通常、ELCB(漏電遮断器)用のD種は単独接地を取る場合が多いです。

🚫
共用しない
漏電遮断器の有無
2Ω以下
特例あり
接地線の共用

一つの接地極を共用する接地線の共通母線または接地専用線の太さは、共用する接地極と接地を必要とする個々のもののうち、**最大の太さ**のものを使用することができます。

③ 接地線の共用

一つの接地極を共用する接地線の共通母線または接地専用線の太さは、共用する接地極と接地を必要とする個々のもののうち、最大の太さのものを使用できる。

👉 これは**「共用時の導体サイズの決め方」**のルールです。

・接地線サイズは「接続される機器ごとに基準がある」

・共通で使う場合は、一番太い規格に合わせればOK

例:
機器A:2.6mm²が必要
機器B:5.5mm²が必要
→ 共通母線は **5.5mm²** にすれば両方を満たす。

📏
一番太い線
複数機器の共用

ペン太

接地抵抗値が低い方がより安全性が高いから、それを基準に兼用するんですね!

🐧

📐接地線の太さの計算根拠

🦔

ハリタ先生

接地線の太さは、事故が発生した際に流れる電流で、接地線が許容温度を超えて溶断しないように計算して決めているんだ。その計算根拠を説明するね。

1. 接地線の温度上昇

接地線に短時間過電流が流れた場合の温度上昇は、一般に次の式で与えられます。

θ = 0.008 × (I/A)² × t
  • θ: 銅線の温度上昇(℃)
  • I: 電流(A)
  • A: 銅線の断面積(mm²)
  • t: 通電時間(秒)
2. 計算条件

接地線の太さを決定するための計算条件は、次のとおりです。

  • 接地線に流れる故障電流の値は、電源側過電流遮断器の定格電流の**20倍**とする。
  • 過電流遮断器は、定格電流の20倍の電流では、**0.1秒以下**で切れるものとする。
  • 故障電流が流れる前の接地線の温度は、**30℃**とする。
  • 故障電流が流れたときの接地線の許容温度は、**150℃**とする。(したがって許容温度上昇は、**120℃**となる。)
3. 計算式

上記の条件を計算式に当てはめると、次の式が導き出されます。

120 = 0.008 × (20In / A)² × 0.1
A = 0.052In
  • A: 銅線の断面積(mm²)
  • In: 過電流遮断器の定格電流
4. 計算例

定格電流容量が50Aの過電流遮断器の場合を計算してみましょう。

  • 計算式: A = 0.052 × In
  • Inに50Aを代入すると…
  • A = 0.052 × 50 = 2.6mm²

この結果から、断面積が2.6mm²以上の接地線が必要だとわかります。これは、C種またはD種接地工事の表にある2.6mm²(直径1.8mm)の接地線が適切であることを裏付けています。

5. 実際に計算してみよう!

定格電流容量を選択して、必要な接地線の断面積を計算してみましょう。

ペン太

接地線の太さが、こんなに科学的な根拠に基づいて決められていたなんて驚きです!

🐧

📏A種接地工事の接地線の太さ

🦔

ハリタ先生

A種接地工事で使う接地線の太さも、C種やD種とは基準が異なります。こちらの表で確認しましょう。

A種接地工事の接地線部分 接地線の太さ
アルミ
固定して使用する場合 2.6mm以上
(5.5mm²以上)
3.2mm以上
可とう性を必要とする場合 8mm²以上

📏B種接地工事の接地線の太さ

🦔

ハリタ先生

B種接地工事で使われる接地線の太さは、変圧器の容量によって細かく規定されています。こちらの表で確認しましょう。

変圧器一相分の容量 接地線の太さ
100V級 200V級 400V級
500V級
アルミ
5kVAまで 10kVAまで 20kVAまで 2.6mm以上
(5.5mm²以上)
3.2mm以上
10kVAまで 20kVAまで 40kVAまで 3.2mm以上 14mm²以上
40kVAまで 75kVAまで 75kVAまで 14mm²以上 22mm²以上
60kVAまで 125kVAまで 150kVAまで 22mm²以上 38mm²以上
75kVAまで 150kVAまで 250kVAまで 38mm²以上 60mm²以上
100kVAまで 200kVAまで 400kVAまで 60mm²以上 80mm²以上
175kVAまで 350kVAまで 700kVAまで 100mm²以上 125mm²以上
備考と解説
🦔

ハリタ先生

この表には、変圧器の容量や結線方法に関する重要な注意点が書かれているんだ。ひとつずつ確認していくよ。

備考1: この表の算定根拠の基礎及び変圧器一相分の容量がこの表に定める容量を超える場合については、別途資料を参照のこと。

備考2: 「変圧器一相分の容量」とは、次の値をいう。

  • (1) 三相変圧器の場合:定格容量の1/3を「一相分」とする。例:30kVAの三相変圧器 → 一相分は10kVA
  • (2) 単相変圧器のΔ結線又はY結線の場合:単相変圧器の一台分の定格容量
  • (3) 単相変圧器V結線の場合:
    • イ.同容量の場合は、単相変圧器の一台分の定格容量をいう。
    • ロ.異容量の場合は、大きい容量の単相変圧器の定格容量をいう。

→ つまり、接地線の太さを決める際に、どの容量を基準にするかを明確にするための定義です。

備考3: 複数の変圧器で並行運転する場合の「変圧器一相分の容量」は、各変圧器に対する「備考2」の容量の合計値とする。
→ 複数の変圧器(変圧器など)を並列運転する場合は、それぞれの容量を合計して接地線の太さを決定するという意味です。
例えば、10kVAの変圧器を2台並列運転する場合 → 合計20kVAとして扱う。

備考4: 低圧側が多線式の場合は、その最大使用電圧で適用すること。例えば、単相3線式100/200Vの場合は、200V級を適用する。
→ 変圧器の低圧側が複数の電圧端子を持つ場合(例:100Vと200V)、最大電圧(この場合は200V)を基準にして接地線の太さを決定するという指示です。
より高い電圧で使用される可能性があるため、安全性を確保するために厳しい条件で設計する必要があるということです。

ペン太

変圧器の容量でこんなに細かく決まっているんですね!これはしっかり覚えないと!

🐧

📏C種又はD種接地工事の接地線の太さ

🦔

ハリタ先生

接地抵抗値だけでなく、接地工事に使う**接地線の太さ**も重要です。この選定表は、過電流遮断器の定格電流容量によって適切な接地線の太さが決まることを示しています。

過電流遮断器の
定格電流容量
一般の場合 可とう性を必要とする場合
アルミ 単心のもの 2心を接地線と
して使用する場合
20A以下 1.6mm以上 2.6mm以上 1.25mm²以上 0.75mm²以上
30A以下 1.6mm以上 2.6mm以上 2mm²以上 1.25mm²以上
60A以下 2.0mm以上 3.2mm以上 3.5mm²以上 2mm²以上
100A以下 2.6mm以上 5.5mm²以上 5.5mm²以上 3.5mm²以上

ペン太

接地線の太さは、過電流遮断器の容量で決まるんですね!どの表を参考にすればいいか、これで迷わずに済みそうです!

🐧

👷接地工事の施工方法

🦔

ハリタ先生

接地工事は、接地線を正しく保護して施設することがとても大切です。特に、接地線が外部から損傷を受ける可能性がある場合は注意が必要です。

接地線の保護
  • 接地線が**外傷を受けるおそれがある場合**は、合成樹脂管などに収めて保護します。
  • ただし、人が触れるおそれがない場所や、C種・D種接地工事の接地線は、**金属管**(ガス管を含む)を用いて保護することもできます。
  • 避雷針、避雷器用の接地線は、鋼製の金属管内に収めないようにしましょう。

ペン太

そうか!接地線が切れてしまったら意味がないですもんね。保護することが重要なんですね!

🐧

⚙️機械器具の設置基準

🦔

ハリタ先生

接地工事は、機械器具の種類や使用電圧によって適用されるものが決まっています。この表で確認して、整理しておきましょう。

機械器具の使用電圧の区分 接地工事
低圧 (300V 以下) D種接地工事
低圧 (300V 超過) C種接地工事
高圧 A種接地工事
設置が免除される場合

以下の条件に該当する場合は、接地工事が免除されます。

  • 外箱を充電して使用する機械器具に人が触れるおそれがないように策を設けて施設する場合
  • 絶縁台を設けて施設する場合

ペン太

この表で、どの機械器具にどの接地工事が必要か、すごくわかりやすくなりました!

🐧

🔍重要ポイント

🦔

ハリタ先生

各接地工事の基準は、試験によく出題される重要なポイントです。カードをタップして詳細を確認してみましょう。

ペン太

はい!特にD種接地工事の条件は、しっかり確認しないとですね!

🐧

🧠重要用語フラッシュカード

ペン太

頭の中で整理するのに、このフラッシュカードが役立ちそうです!早速やってみます!

🐧

カードをクリックして、用語と意味を確認し、記憶を定着させましょう。

✔️理解度チェックテスト

🦔

ハリタ先生

ここまでの内容をしっかり理解できているか、クイズで確認してみましょう。間違えた問題は**苦手問題**として記録できますよ!

A〜D種の違いと抵抗値を解説【内線規程1350節】

感電や漏電を防ぐうえで、**「接地工事」**は欠かせません。
今回は、電気設備を安全に使用するための基本、「接地」の種類とその違いをわかりやすくご紹介します。


✅ 接地とは?

**接地(アース)**とは、電気を安全に地面に逃がすためのしくみです。
電気が漏れたり異常が起きたとき、電流を地面へ流すことで感電や火災を防ぎます。

    


✅ 接地工事の種類と抵抗値の基準

内線規程では、接地工事はA種〜D種までの4種類に分かれており、それぞれに求められる「接地抵抗値」が定められています。

接地種別 抵抗値の目安
A種接地工事 10Ω以下
B種接地工事 一線地絡電流に応じて決定(最低5Ω)
C種接地工事 10Ω以下(漏電ブレーカー使用時は500Ω以下)
D種接地工事 100Ω以下(漏電ブレーカー使用時は500Ω以下)

📌 抵抗値の意味とは?

接地抵抗値(Ω:オーム)は、「地面にどれだけスムーズに電気が流れるか」の目安です。
数字が小さいほど、電気が逃げやすくなり、より安全です。


⚡ 例外的に行う接地もあります

以下のような設備では、上記の種別にとらわれず、目的に応じた接地工事が必要になります。

  • 試験用変圧器の接地

  • 太陽光発電設備や引込口の接地

  • 雷サージ対策としての接地

  • 漏電遮断器が動作しやすくするための接地(高抵抗値でも可)


🧠 よくある補足事項

  • B種接地工事は、高圧機器が地絡した際に安全に遮断できるよう、「地絡電流の大きさ」に応じて接地抵抗値を決定します(※最低でも5Ω以下)。

  • **漏電遮断器(ELB)**を使用する場合、C種やD種でも500Ω以下でよいケースがあります。

  • 詳細な抵抗値や計算方法は、資料1-3-5(B種)/資料1-3-9(漏電遮断器)を参照。


✅ まとめ:接地工事は安全の基本!

項目 内容
接地の目的 感電・漏電・火災の防止
接地種別 A種〜D種に分かれ、用途と抵抗値が異なる
抵抗値 10Ω・100Ωなど、種別に応じて基準あり
例外処理 試験設備や雷対策など特別な接地も存在
漏電遮断器 使用時は500Ω以下でも可とされる

 

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