内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【015】|漏電遮断器

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

漏電遮断器の設置義務と選定・施設方法について

電気設備の安全性を確保する上で、漏電遮断器は非常に重要な役割を果たします。漏電遮断器は、漏電を検知して電気回路を遮断することで、感電や火災などの事故を未然に防ぐための装置です。本記事では、漏電遮断器の設置義務、選定方法、施設場所、施設方法などについて詳しく解説いたします。

漏電遮断器の設置義務

以下のケースでは、漏電遮断器の設置が義務付けられています。

  • 使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具:金属製外箱を有する機械器具に電気を供給する電路には、原則として漏電遮断器を施設する必要があります。ただし、簡易接触防護措置が施されている場合や、乾燥した場所に設置されている場合などは例外となります。
  • 高圧または特別高圧の電路に変圧器によって結合される低圧電路:使用電圧が300Vを超える低圧電路には、漏電遮断器を施設する必要があります。
  • 住宅の屋内配線:住宅の屋内配線、特に水回りや屋外コンセントには漏電遮断器の設置が義務付けられています。
  • その他:ライティングダクト、平形保護層配線、火薬庫内、フロアヒーティング、ロードヒーティング、電気温床、パイプライン電熱装置、プール水中照明灯、コンクリート埋設ケーブル臨時配線、燃料電池発電設備、移動形・可搬形電動機器、浴室コンセント、メタルラス張り・ワイヤラス張り・金属板張り造営材電気看板、アーケード照明施設、架空電飾、深夜電力機器、建設工事用設備、プール・公衆浴場・噴水・池・水田等循環濾過ポンプ・給排水ポンプ等電動機設備、プールサイド照明設備、雨線外電動機を有する機械器具、屋上・屋外コンセント設備、臨時架空電飾施設。

これらの規定は、電気設備技術基準及び内線規程に基づいており、人命の安全確保と電気設備の保護を目的としています。

漏電遮断器の選定

漏電遮断器を選定する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 定格感度電流:感電防止を目的とする場合は、高感度高速形(30mA以下、0.1秒以内)の製品を選びます。その他の目的(火災防止など)の場合は、目的に応じた感度電流を選定します。
  • 定格電流:負荷電流以上の定格電流を持つ製品を選びます。
  • 動作時間:感電防止には高速形、その他の用途には適切な動作時間を選びます。
  • 種類:使用する場所や目的に応じて、適切な種類の漏電遮断器(電流動作形など)を選定します。
  • JIS規格適合品:JIS C 8201-2-2、JIS C 8221、JIS C 8222などのJIS規格に適合した製品を選定することを推奨します。
  • 中性線欠相保護機能:単相3線式電路に使用する場合は、中性線欠相保護機能付きの製品を選定します。

漏電遮断器の施設場所

漏電遮断器は、以下の場所に施設する必要があります。

  • 分電盤内:原則として、分電盤の電源側または分電盤内に施設します。
  • 機械器具内蔵:機械器具に内蔵されている場合もあります。
  • 点検容易な場所:容易に点検できる場所に施設します。

以下の場所への施設は避ける必要があります。

  • 高温多湿な場所
  • 振動の激しい場所

ただし、防雨型や防浸型の漏電遮断器を使用する場合は、これらの場所にも施設可能です。

接地線

接地線は、漏電遮断器が動作した場合に遮断されないように施設する必要があります。また、IV電線または同等以上の絶縁効力のある電線を使用することが推奨されます。

その他

  • 漏電遮断器が電路を遮断した際に、使用設備に大きな影響を与える場合は、監視所に停電警報装置を設置することが推奨されます。
  • 住宅用分電盤の主開閉器には、互換性形漏電遮断器の使用を推奨します。
  • 漏電遮断器と引込開閉器を兼用する場合は、過電流保護機能付きの製品を選定することが推奨されます。

これらの情報を参考に、漏電遮断器の適切な選定と施設を行い、電気設備の安全性を確保してください。

 

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