出典(内線規程(JEAC8001-2022))より
この記事に書かれていること
単相3線式の場合
やむを得ない場合は,設備不平衡率40%までとすることができる
三相三線式の場合
設備不平衡率30%以下とすること
- 低圧受電で専用変圧器などにより受電する場合
- 高圧受電において, 100kVA(kW)以下の単相負荷の場合
- 高圧受電において,単相負荷容量の最大と最小の差が100kVA以下である場合
1305節 不平衡負荷の制限及び特殊な機械器具
単相3線式の場合
1305-1[不平衡負荷の制限](対応省令:第4条)
低圧受電の単相3線式における中性線と各電圧側電線間の負荷は、平均させること。ただし,3605-2(分岐回路の種類)3項②で規定されている片寄せ配線を行った単相3線式分岐回路にあっては,この限りでない。(勧告)
〔注1〕やむを得ない場合は,設備不平衡率40%までとすることができる。この場合不平衡率とは,中性線と各電圧側電線間に接続される負荷設備容量(VA)の差と総負荷設備容量(VA)の平均値の比(%)をいう。すなわち,次の式をもって表わす。
設備不平効率の計算式|単相の場合
設備不平効率の計算例|単相の場合
〔注2〕契約電力5kW程度以下の設備において,少数の加熱装置類を使用する場合など完全な平衡が得難い場合は,前記の限度を超えることができる。
〔注3〕片寄せ配線を行った単相3線式分岐回路は,構造的に平衡させることができないため,当該分岐回路に限り不平衡負荷の制限から除いている。ただし,この場合は,幹線においては負荷を平衡させること。
3相3線式の場合
2.低圧及び高圧受電の三相3線式における不平衡負荷の限度は,単相接続負荷より計算し,設備不平衡率30%以下とすること。ただし,次の各号の場合は,この制限によらないことができる。(勧告)
①低圧受電で専用変圧器などにより受電する場合
②高圧受電において, 100kVA(kW)以下の単相負荷の場合
③高圧受電において,単相負荷容量の最大と最小の差が100kVA以下である場合
〔注〕この場合の設備不平衡率とは,各線間に接続される単相負荷総設備容量(VA)の最大と最小の差と総負荷設備容量(VA)の平均値の比(%)をいう。すなわち,次式をもって表わす
設備不平効率の計算式|三相の場合
設備不平効率の計算例|三相の場合
〔備考〕電動機の数値が異なるのは,出力kWを入力kVAに換算したためである。
この場合は,30%の限度を超える。
上記、不平衡率以下とすることが困難な場合
3.高圧受電において大容量の単相電気炉などを使用し,前項の制限によることが困難な場合には,電気事業者と協議の上,次の各号により施設すること。(勧告)
①単相負荷1個の場合は,逆V接続によること。ただし,300kVAを超えないものとする
②単相負荷2個の場合は,スコット接続によること。ただし,1個の容量200kVA以下のときはやむを得ないものに限り,普通の変圧器2台を使用し,別個の線間に負荷を接続することができる。
③単相負荷3個の場合は,できる限り線路電流が平衡するよう各線間に負荷を接続すること。
特殊な機械器具
1305-2 特殊な機械器具(対応省令:第4条)
フリッカ,高調波など他の電気使用者の電気の使用に障害を及ぼすおそれがある特殊な機械器具については,電気事業者と協議のうえ施設すること。ただし,電動機などで3305-2(三相誘導電動機の始動装置)又は3305-3(単相電動機の始動電流)に適合するものにあっては,この限りでない。
〔注〕この規定は,電気事業者が定める供給条件に関連するものである。