出典:内線規程(JEAC8001-2022)より

許容電流は、電線が安全に流せる最大の電流値です。電線選定の基本は「負荷電流 ≦ 補正後の許容電流」。押さえるポイントは 「許容電流とは/補正で決まる」 の2つです。

許容電流は電線が安全に流せる最大電流で負荷電流は補正後の許容電流以下にする、補正後は基準値に温度補正と電流減少係数を掛けて求めるという2ポイントの図解

⚡ 先に結論だけ言うと

要点は2つ。①許容電流とは=電線が安全に流せる最大電流。負荷電流 ≦ 補正後の許容電流になるサイズを選ぶ。②補正で決まる基準値 × 温度補正 × 電流減少係数。同一管内の本数が多いほど係数は小さくなる。

見習いペン太
見習いペン太
許容電流って、電線の太さだけで決まらないんですか?
はりた
はりた
太さは基本だけど、それだけじゃない。同じ電線でも、管にまとめた本数や周囲温度で「流せる量」は変わるんだ。だから基準値に補正をかけて、負荷電流より大きいかを確かめるんだよ。

① 許容電流とは(選定の考え方)

負荷電流は補正後の許容電流以下にする必要があり、補正後の許容電流は基準許容電流に温度補正と電流減少係数を掛けて求めることを示す図解

  • 許容電流=電線が安全に流せる最大の電流値(超えると発熱・絶縁破壊・火災のおそれ)
  • 選定の基本:負荷電流 ≦ 補正後の許容電流
  • 補正後の許容電流=基準の許容電流 × 温度補正 × 電流減少係数(電線の特性・周囲温度・同一管内の本数で決まる)

② 補正後の許容電流を計算してみよう

同一管内の電線数(電流減少係数)と温度補正をかけて、選んだ電線が負荷に足りるかをチェックできます。

🧮 補正後の許容電流 かんたんチェック

基準の許容電流に「電流減少係数」と「温度補正」をかけ、負荷電流と比べます。

基準の許容電流(A):

同一管内の電線数:

温度補正係数(不明なら1.00):

流したい負荷電流(A):

補正後の許容電流:

※ 電流減少係数は内線規程1340-3表の一例です。概算用のため、実設計では最新版の表で確認してください。

ここがポイント|「基準値 × 補正」で判断
許容電流は 基準の許容電流 × 温度補正 × 電流減少係数で評価。同一管内の本数が多いほど係数は小さく(3本以下0.70〜61本以上0.34)。最終的に 負荷電流 ≦ 補正後の許容電流を満たすサイズを選びます。

よくある質問(FAQ)

Q. 許容電流ってそもそも何?

A. 電線が安全に流せる最大の電流値のことです。これを超える電流が流れ続けると、電線が発熱して絶縁が傷んだり火災の原因になります。だから「負荷電流 ≦ 許容電流」になるサイズを選びます。

Q. 電流減少係数(補正係数)はなぜ必要なの?

A. 1本の管に複数の電線をまとめると放熱が悪くなり、流せる電流が下がるためです。同一管内の電線数が多いほど係数は小さくなり、3本以下0.70から61本以上0.34まで段階的に下がります(内線規程の一例)。

Q. 許容電流が負荷電流に足りないときは?

A. 電線を太くする(断面積を上げる)、本数を減らして配管を分ける、周囲温度の低い経路にするなどで補正後の許容電流を上げます。基準の許容電流に温度・本数の補正をかけた値が負荷電流以上になるよう選定します。