内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【068】|電熱器

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

記事のテーマ

電熱器を安全に使用するための分岐回路・手元開閉器の施設ルールについて解説する。

電熱器の分岐回路に関するルール

  1. 専用分岐回路

    • 1個の容量が12Aを超える電熱器は、専用の分岐回路で使用する必要があります。
  2. 他の負荷との共用

    • 1個の容量が12A以下の電熱器は、15A分岐回路又は20A配線用遮断器分岐回路で他の負荷と共用することができます。
  3. 加熱装置回路の規定

    • 上記以外は、加熱装置回路の幹線及び分岐回路の規定によります。

大容量電熱器の分岐回路から小容量電熱器の分岐使用に関するルール

大容量電熱器からの小容量電熱器の分岐使用について

以下の条件を全て満たす場合に限り、大容量電熱器が接続された分岐回路から小容量電熱器を分岐して使用できます。

大容量電熱器の条件:

容量が20A以上であること。

小容量電熱器の条件:

複数の小容量電熱器を使用する場合は、その合計電流が大容量電熱器の半分以下であること。

小容量電熱器(合計)の電流が15A以下であること。

分岐回路の条件:

分岐回路は、接続される合計の負荷電流に合わせて、30A、40A、50Aまたはそれ以上の容量を持つものを使用すること。

安全対策:

小容量電熱器へ接続する配線の分岐点には、過電流遮断器を必ず設置すること。

差込プラグの使用について

原則として、大容量電熱器、小容量電熱器のどちらについても、配線との接続に差込プラグを使用できます。ただし、住宅の屋内に設置する対地電圧が150Vを超える電熱器はこの限りではありません。

手元開閉器に関するルール

手元開閉器の施設

電熱器の配線には、手元開閉器を施設する必要があります。

手元開閉器の省略

  • ただし、以下のいずれかに該当する場合は、この限りではありません。
  • ① 開閉器を備えた電熱器をコンセントから使用するとき
  • ② 1.5kW以下の電熱器をコンセントから使用するとき
  • ③ 1.5kW以下の電熱器をコードコネクタから使用するとき
  • ④ 分岐開閉器が手元開閉器を兼ねるとき

 

差込接続器に関するルール

差込プラグの定格

電熱器に附属する差込プラグの定格は、以下の表によります。

ただし、特殊な差込プラグを使用する場合は、この限りではありません。

差込プラグの選び方

電熱器に附属する差込プラグの定格は、以下の表によります。

電熱器の定格電流 (A) 差込プラグの定格 (A)
15以下 15
15超過20以下 20
20超過30以下 30
30超過50以下 50

可燃性物質との距離に関するルール

離隔距離又は耐熱装置

固定電熱器は、周囲の造営材の可燃性物質又は熱のため変色、変形するおそれのあるものなどとは、十分な距離を離隔するか、又は耐熱装置を施す必要があります。

接地に関するルール

接地工事

電熱器の金属製外箱は、機械器具の金属製外箱などの接地の規定に準じて接地工事を施す必要があります。

 


(キーワード)

電熱器、分岐回路、手元開閉器、過電流遮断器、差込プラグ、電気工事、電気技術規程、安全


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