出典(内線規程(JEAC8001-2022))より
屋外配電用変圧器などの設置基準|安全に使うためのポイント解説
こんにちは!今回は、屋外に設置する配電用変圧器や開閉器、避雷器などの電気機器の施設基準について、わかりやすくご紹介します。
屋外設備は人の目に触れにくく、つい見落としがちですが、安全な運用にはしっかりとした設置ルールの遵守が必要です。それぞれのポイントを丁寧に見ていきましょう。
🏠 高圧屋外配電用変圧器の施設ルール
📌 1. 技術基準に基づいた施設
「電気設備技術基準 第38条」に従って設置します。これは、安全性を確保するための基本ルールです。
📌 2. 低圧配線との接続方法
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接続には、OW電線または同等以上の絶縁性能の電線を使いましょう。
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接触を避けるために、腕金や支持物でしっかり固定します。
📌 3. 接地工事は必須(A種)
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金属製の外箱には、**A種接地工事(接地抵抗10Ω以下)**を行います。
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ただし、高所や絶縁台上に設置される場合は省略可です。
⚡ 300Vを超える低圧屋外変圧器の施設
📌 1. 設置基準は「2105-1」に準拠
基本は高圧変圧器と同様。ただし、接地工事のルールは異なります。
📌 2. C種接地工事が義務
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金属製外箱には、C種接地工事を施す必要があります。
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漏電時の感電防止に不可欠です。
📌 3. 接地工事の例外
以下の場合は省略可能です。
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人が触れない高さに設置
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周囲に絶縁台を設けた場合
🛠 高圧・300V超の屋外機器(開閉器・コンデンサ)の施設
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「2105-1および2105-2」の規定に従って施設
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安全性や絶縁対策をしっかり守る必要があります
🔌 開閉器・過電流遮断器の施設
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「3802-4(開閉器・断路器)」
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「3802-5(過電流遮断器)」
これらの基準に沿って、安全に設置します。
🧲 変圧器の低圧側の接地(B種)
高圧から低圧に電力を供給する変圧器には、中性点または端子にB種接地工事が必要です。
📌 目的は?
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高圧と低圧の混触による異常電圧の防止
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低圧側の安全確保
📌 接地の方法
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単独接地:個別の接地極
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共同接地:複数設備で接地を共用
🛡 混触防止板の施設と安全対策
📌 混触防止板とは?
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高圧・低圧巻線の接触事故を防ぐ金属板
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万が一の事故を未然に防ぎます
📌 B種接地工事が必要
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混触防止板にもB種接地を行うことで、安全性を高めます。
📦 屋外電線路の安全対策
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低圧の架空線・屋上線路には、絶縁性の高いケーブルを使用
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高圧と低圧の電線は、原則として同一電柱に設置不可
→ ただし、高圧側が絶縁ケーブルの場合は例外あり
⛈ 避雷器の接地と注意点
📌 A種接地工事が必須
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高圧電路に設置する避雷器は、接地抵抗10Ω以下のA種接地が必要です。
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雷サージによる機器損傷を防ぎます。
📌 接地抵抗の例外規定
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**JESC E2018(2015)**に基づく施設であれば、接地抵抗値の規定を適用しないこともあります。
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詳細は資料「1-3-14」を参照してください。
✅ まとめ|屋外電気設備は「安全設置」が最優先!
屋外に設置する電気設備は、適切な接地工事・絶縁処理・規定に準拠した設置がなにより大切です。
今回紹介したポイントはすべて、事故を防ぎ、安全な電気利用を支えるための基本です。
設計や施工に携わる方は、ぜひこの記事を参考に、確実な対応を行ってください。