内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【117】|高圧受電設備・高圧配線及び高圧機械器具に関するその他事項

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

高圧の機械器具及び屋内配線の絶縁性能など

1. 絶縁性能の重要性

高圧の電気設備は、感電や漏電による事故を防ぐために、高い絶縁性能が求められます。絶縁性能が不十分な場合、重大な事故につながる可能性があります。

2. 絶縁性能の基準

高圧の機械器具および屋内配線の絶縁性能は、電気設備の技術基準に関する省令第1345条(電路の絶縁)に定められています。

3. 絶縁抵抗測定

絶縁耐力試験を行う前に、絶縁抵抗を測定する必要があります。絶縁抵抗は、電気回路の絶縁状態を示す指標であり、以下の基準を満たすことが望ましいです。

  • 絶縁抵抗値:3MΩ以上
  • 絶縁抵抗計:定格1,000V以上のものを使用

 

4. 機械器具・電線の選定

高圧の機械器具および電線は、以下の基準を満たす必要があります。

  • JIS規格に適合するもの、または同等以上の性能と強度を有するもの

 

まとめ

高圧の電気設備を安全に運用するためには、適切な絶縁性能の確保と、基準を満たす機械器具・電線の選定が不可欠です。

  • 絶縁性能は、電気設備の技術基準に関する省令で定められています。
  • 絶縁抵抗測定は、絶縁状態の確認に重要な役割を果たします。
  • JIS規格に適合した機械器具・電線を使用することで、安全性が向上します

 

高圧用機械器具の施設

高圧用機械器具の施設方法

高圧用機械器具(ケーブル以外の高圧充電電線を含む)は、感電や事故を防ぐために、以下のいずれかの方法で施設する必要があります。ただし、受電室、変電所、開閉所は除きます。

  1. 柵と表示:
    • 人が触れないよう適切な柵を設置し、柵の高さと充電部までの距離の合計を5m以上にする。
    • 危険を示す表示を行う。
  2. 高所設置:
    • ケーブルまたは高圧絶縁電線を使用し、地表から4.5m(市街地外は4m)以上の高さに設置する。
  3. 工場内での柵設置:
    • 工場などの構内で、人が触れないよう適切な柵を設置する。
  4. 立入制限区域への設置:
    • 取扱者以外が立ち入れない場所に設置する。
  5. 保護箱への収納:
    • コンクリート製またはD種接地工事を施した金属製の箱に収納し、充電部を露出させない。
  6. 簡易接触防護措置:
    • 充電部が露出しない機械器具に、簡易接触防護措置を施す。
  7. 危険防止措置:
    • 温度上昇や故障時の電位差により、人や家畜、他の工作物に危険がないように設置する。

耐震対策

高圧用機械器具は、地震による振動に耐えるため、造営材や基礎に強固に固定するなどの対策が必要です。具体的な対策は、以下の資料を参考にしてください。

  • (一財)日本建築センター「建築設備耐震設計・施工指針」
  • (一社)日本電設工業協会「建築電気設備の耐震設計・施工マニュアル」
  • (一社)日本電気協会 電気技術指針JEAG 5003(2010)「変電所等における電気設備の耐震設計指針」

まとめ

高圧用機械器具の設置は、感電や事故を防ぐために、法令で厳格に定められています。設置場所や環境に応じて適切な方法を選択し、安全性を確保することが重要です。また、地震による被害を防ぐために、耐震対策も忘れずに行いましょう。これらの対策により、高圧電気設備の安全性を高め、事故を未然に防ぐことができます。

 

アークを生じる器具の施設

1. 可燃性物質からの離隔

  • 高圧の開閉器、過電流遮断器、避雷器など、動作時にアーク(火花)を発生する可能性のある機器は、火災を防ぐため、木製の壁や天井などの可燃性物質から1m以上離して設置する必要があります。
  • ただし、耐火性のある物質で機器と可燃性物質の間を遮蔽すれば、この限りではありません。
  • 設置場所の自治体の火災予防条例も確認し、適切な措置を講じる必要があります。

 

2. 充電部分と他物との離隔距離

  • 高圧の充電部分(電気の流れる部分)と、機器を取り付ける造営材以外の物との間には、15cm以上の距離を確保する必要があります。これは、感電事故を防ぐための重要な措置です。

 

3. 充電部間の離隔距離

  • 充電部分同士の距離は、使用電圧によって異なります。
    • 使用電圧が3,500V以下の場合は、15cm以上。
    • 使用電圧が3,500Vを超える場合は、20cm以上。
    • ただし、ピラージスコンのように、開閉操作にフックを使用しない構造の機器については、これらの距離を半分に短縮できます。

 

4. 高圧放出形ヒューズの設置

  • 高圧放出形ヒューズは、動作時にガスを放出するため、その放出方向には配線や他の機器から60cm以上離して設置する必要があります。
  • 放出方向の1m以内に機器や配線がある場合は、耐火性のある絶縁物で適切に遮蔽する必要があります。

 

まとめ

高圧電気設備の設置においては、火災や感電事故を防ぐために、適切な離隔距離を確保することが不可欠です。

  • アークを発生する機器と可燃性物質との距離
  • 充電部分と他物との距離
  • 充電部分同士の距離
  • 高圧放出形ヒューズからの距離

これらの基準を守り、安全な電気設備の設置を心がけましょう。また、設置場所の自治体の条例も確認し、適切な措置を講じるようにしてください。

高圧の開閉器及び断路器

1. 開閉器の基本的な設置要件

各極への設置:

電路中に開閉器を設置する場合は、各極に必ず設ける必要があります。

開閉状態の表示:

開閉器は、作動時に開閉状態を表示する装置を備えているか、または開閉状態を容易に確認できるものである必要があります。

自然作動の防止:

重力などで自然に作動する恐れがある開閉器には、鎖錠装置などの防止装置を設ける必要があります。

負荷電流遮断の制限:

断路器のように負荷電流を遮断できない開閉器は、電流が流れている状態での開路を防止するように設置する必要があります。ただし、負荷電流の有無を示す装置や指令装置、タブレットなどを使用し、安全を確保できる場合は例外となります。

不燃性絶縁物の使用:

高圧交流負荷開閉器には、気中開閉器や真空開閉器など、不燃性絶縁物を使用したものが推奨されます。

 

2. 断路器の設置に関する推奨事項

安全な場所の選定:

操作が容易で危険の少ない場所を選んで設置します。

縦向き設置の推奨:

縦向きに設置する場合は、切替断路器を除き、刃受を上部にすることが望ましいです。

ブレードの接続:

ブレード(断路刃)は、開路時に充電されないよう、負荷側に接続します。

離隔距離の確保:

ブレードがいかなる位置にあっても、周囲の物体から10cm以上の距離を確保します。

垂直面への設置制限:

断路器を垂直面に取り付ける場合は、横向き設置は避けます。

 

過電流遮断器

過電流遮断器の役割

過電流遮断器は、高圧の機械器具や電線が過電流によって損傷するのを防ぐための安全装置です。過電流は、短絡(ショート)や過負荷などによって発生し、放置すると火災や設備の故障につながる可能性があります。

過電流遮断器の設置に関する重要なポイント

  1. 遮断容量:

過電流遮断器は、設置場所で発生する可能性のある最大の短絡電流を確実に遮断できる能力(遮断容量)を持つものを選ぶ必要があります。

  1. 開閉状態の表示:

高圧の過電流遮断器は、作動時に開閉状態を表示する装置を備えている必要があります。これにより、異常発生時の状況を迅速に把握し、適切な対応を取ることができます。ただし、高圧カットアウトのように、開閉状態が目視で容易に確認できるものは例外となります。

  1. ヒューズの規格:

高圧電路に使用するヒューズは、JIS C 3802-6(高圧ヒューズの規格)に適合した製品を選ぶ必要があります。これにより、安全性が確保され、信頼性の高い保護が実現します。

 

高圧ヒューズの規格

高圧電路用包装ヒューズの選定基準

高圧電路に設置する包装ヒューズは、次のいずれかの基準を満たす必要があります。

耐電流特性と溶断時間:

  • 定格電流の1.3倍の電流に耐えること。
  • 定格電流の2倍の電流が流れた場合、120分以内に溶断すること。

JIS規格への適合:

  • JIS C 4604(高圧限流ヒューズ)に適合する製品を選ぶこと。

高圧電路用非包装ヒューズの選定基準

  • 高圧電路に設置する非包装ヒューズは、次の基準を満たす必要があります。

耐電流特性と溶断時間:

  • 定格電流の1.25倍の電流に耐えること。
  • 定格電流の2倍の電流が流れた場合、2分以内に溶断すること。

 

露出した充電部分の施設制限

高圧電路の露出した充電部分は、電気取扱者が容易に触れるおそれがないように施設する必要があります。

 

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