内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【013】|配電盤及び分電盤

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

この記事に書かれていること

分電盤について
  • 設置場所
  • 構造

などについて記載されています

 

住宅用分電盤の構造・接地・表示|安全設計の基本と感震遮断機能の必要性

住宅の電気設備において中心的な役割を担う「分電盤」。その設置に際しては、安全性を確保するためにさまざまな規定や推奨事項が定められています。この記事では、住宅用分電盤の構造、接地、表示の基本事項と、地震対策として注目される「感震遮断機能」付き分電盤について解説します。

設置場所

  • 操作や開閉が容易な場所、露出した安定した場所に設置。
  • 湿気の多い場所や火気を使用する場所の近くは避ける。
  • 充電部が露出する場合は、電気取扱者以外が容易に出入りできない場所に設置。

分電盤の構造|安全性とメンテナンス性を重視

住宅用分電盤は、火災や感電といったリスクを防ぐため、厳格な構造基準に基づいて設計・選定される必要があります。

  • 屋外設置の場合は、防水構造の製品を使用します。

  • 材料は不燃性または難燃性であることが求められます。

  • 箱(本体)は、難燃性合成樹脂または鋼板製とし、一定の厚さが必要です。

  • 点検や測定がしやすい構造であることも重要です。


接地工事|金属部への適切な接地が必須

分電盤に使用される金属部分には、感電防止や雷対策のため、適切な接地工事を行うことが求められます。

  • 金属製の箱や枠には、必ず接地工事を行います。

  • 接地線の太さは、分電盤内の過電流遮断器の定格電流に応じて決定します。


表示|混在配線の識別表示が必要

住宅用分電盤内では、電圧や配線方式が混在することがあります。その場合には、識別表示を行い、誤接続や感電事故を防ぐことが必要です。


使用する製品の基準|JIS規格と集中接地端子

住宅用分電盤に使用する製品は、JIS規格に適合したものを使用することが推奨されます。また、安全性と施工の効率化を図るために、以下の点も重視されます。

  • 充電部に触れるおそれがない構造であること

  • 集中接地端子を設けて、接地線をそこに接続することが推奨されています


感震遮断機能付き住宅用分電盤|地震対策としての重要性

地震による電気火災を防止する手段として、「感震遮断機能付き住宅用分電盤」の設置が注目されています。

  • **「地震時等に著しく危険な密集市街地」**にある住宅では、設置が勧告されています。

  • その他の地域でも、感震機能付き分電盤の設置は推奨されています。

  • 感震遮断機能付きコンセントで代用することも可能です。

  • いずれの場合も、一定の性能評価を受けた製品を使用する必要があります。


まとめ|住宅用分電盤の安全性を高めるために

住宅用分電盤は、電気の安全利用を支える重要な設備です。構造や接地、表示といった各項目には安全性確保のための詳細な規定が設けられており、それに従うことが不可欠です。

また、地震が多発している現在の状況においては、「感震遮断機能付き分電盤」の導入が強く推奨されます。万が一に備え、早めの対策を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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