この記事は連載「内線規程の解釈と解説」(全119回)の1本です。

金属製可とう電線管配線の要点を整理。絶縁電線で3.2mm超はより線、管内に接続点を設けず、外傷を受けるおそれのある場所には施設できないこと、一種管は厚さ0.8mm以上で使用場所が限られることなどを図解とFAQで解説します。

技術図書館金属製可とう電線管|一種は使える場所が限られる一種は厚さ0.8mm以上で乾燥した露出・点検できる隠ぺいに限る。外傷を受ける場所と管内接続の扱いまで全6枚のスライドで整理この資料をスライドで見る資料一覧を見る

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出典:電気設備の技術基準の解釈 第160条・解釈の解説

金属製可とう電線管配線は、フレキシブルチューブ状の金属管に電線を通す方法です。振動や屈曲に強く、電動機まわりなど動きのある部分に向きます。要点を3つに整理します。

電線は、絶縁電線(OW除く) より線か、3.2mm以下の単心。
管内に、接続点を設けない 接続はボックスなどで。
電線管は、2種が原則 1種は条件をすべて満たすとき。
電線管には、接地工事 300V以下D種、300V超C種。
ペン太ペン太
可とう電線管って、曲げやすいから電動機まわりに便利なんですよね?
ハリタハリタ
その通り、振動や屈曲に強いのが持ち味です。ただし電線は絶縁電線で、管内に接続点は設けません。

この記事で押さえる3つのこと

  • 電線は絶縁電線(OW除く)で、より線か3.2mm以下の単心。管内で接続しない。
  • 電線管は2種が原則。1種は乾燥した展開・点検できる隠ぺい場所など、条件つき。
  • 1種は1.6mm裸軟銅線を全長に。接地は300V以下D種、300V超C種。
この記事の道案内
電気設備の技術基準の解釈 第160条にそって、金属製可とう電線管配線のルールを4つの視点で整理します。
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1. 使用電線のルール

絶縁電線、OWは除く 第160条第1項第一号です。
より線か、3.2mm以下の単心 アルミ線は4mm以下。
短小な管の例外はない 合成樹脂管工事とのちがい。
管内に、接続点を設けない 接続はボックスで行う。
  • 電線は絶縁電線。屋外用ビニル絶縁電線(OW)は使えない(解釈第160条第1項第一号)
  • より線か、直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単心のもの(第二号)。短小な管の例外はない
  • 電線管内では、電線に接続点を設けない(第三号)
ペン太ペン太
一種でも二種でも、好きなほうを使っていいと思ってました…。
ハリタハリタ
電線管は二種が原則です。一種は、乾燥した展開場所や点検できる隠ぺい場所など、条件をすべて満たすときだけ使えます。
電線 扱い
3.2mm以下 単心でよい(アルミ線は4mm以下)
3.2mmを超える より線とする(アルミ線は4mm超)
OW 使えない(屋外用ビニル絶縁電線)
たとえるなら
管内で接続しないのは、蛇腹ホースの途中でつながないようなもの
蛇腹のホースを途中でつなぎ足すと、曲げたときにつなぎ目から外れたり傷んだりしやすくなりますよね。金属製可とう電線管配線も、管の中では電線に接続点を設けず、つなぐのはボックスの中で行います。
ここに注意!
「OWなら、管に入れてもよい」ではありません。
金属可とう電線管工事の電線は、絶縁電線のうち屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除いたものです(解釈第160条第1項第一号)。
ここに注意!
「短い管なら、太い単線でもよい」ではありません。
合成樹脂管工事や金属管工事には短小な管の例外がありますが、第160条第1項第二号には、その例外がありません。直径3.2mm(アルミ線4mm)を超えるものはより線にします。
ここまでのポイント
  • 絶縁電線(OWを除く)を使用する。
  • より線か、直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単心のもの。
  • 管内には電線の接続点を設けない。


2. 施設場所と管の種類

電線管は、2種が原則 第160条第2項第二号です。
1種は、乾燥した場所 展開した場所か点検できる隠ぺい場所。
300V超の1種は、電動機の接続部 可とう性を必要とする部分。
1種の厚さは、0.8mm以上 3つの条件をすべて満たすこと。
  • 電線管は2種金属製可とう電線管が原則(第160条第2項第二号)
  • 1種を使えるのは、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所(イ)
  • 300Vを超える場合、1種は電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分に限る(ロ)
  • 1種の管の厚さは0.8mm以上(ハ)。イ・ロ・ハをすべて満たすときに1種を使える
  • 電線管と附属品は、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設する(第3項第一号)。2種を湿気の多い場所・水気のある場所に施設するときは防湿装置を施す(第四号)
たとえるなら
2種は、どこでも歩ける靴。1種は室内用のスリッパ
靴ならたいていの場所を歩けますが、スリッパは乾いた室内向きですよね。電線管も2種が原則で、1種は、展開した場所か点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所など、条件をすべて満たすときだけ使います。
ここに注意!
「1種と2種は、どちらを選んでもよい」ではありません。
電線管は2種金属製可とう電線管が原則です。1種は、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所の乾燥した場所であること、300V超なら電動機に接続する可とう性が必要な部分であること、厚さ0.8mm以上、をすべて満たすときに使えます(第160条第2項第二号)。
ここに注意!
「300V超の1種は、電動機まわりなら何でも」ではありません。
解釈の条件は「電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分であること」です(第160条第2項第二号ロ)。電動機のまわりの配線全体に広げてよい、とは書かれていません。
ペン太ペン太
一種と二種で使える場所が違うんですね。
ハリタハリタ
そう。二種が原則で、一種は条件をすべて満たすときだけ。迷ったら二種だよ。
管の種類 使える範囲
2種 原則として使う管。湿気・水気のある場所は防湿装置
1種 展開した場所又は点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所。厚さ0.8mm以上
1種(300V超) さらに、電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分に限る
ここまでのポイント
  • 電線管は2種が原則。
  • 1種は、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所。厚さ0.8mm以上。
  • 300V超の1種は、電動機に接続する可とう性が必要な部分に限る。


3. 管・附属品と接地

電気用品安全法の管と附属品 内面は被覆を傷めない滑らかさ。
圧力・衝撃を受けないように 重量物の圧力や、著しい機械的衝撃。
堅ろうに、電気的に完全に 管相互や、管とボックス。
2種の湿気・水気は、防湿装置 第160条第3項第四号です。
  • 電気用品安全法の適用を受ける金属製可とう電線管・ボックス・附属品(管相互・管端に接続するもの)を使う(第160条第2項第一号)
  • 内面と端口は、電線の被覆を損傷しないような滑らかなもの・構造(第2項第三号、第3項第三号)
  • 管相互、管とボックスその他の附属品とは、堅ろうに、かつ、電気的に完全に接続する(第3項第二号)
1種は、裸軟銅線1.6mm 全長に入れ、両端で管と接続。
300V以下は、D種接地工事 管の長さ4m以下は省けます。
300V超は、C種接地工事 接触防護措置ならD種でよい。
C種には、4mの例外はない 第160条第3項第七号です。
  • 1種には、直径1.6mm以上の裸軟銅線を全長にわたって挿入又は添加し、両端で管と電気的に完全に接続する。管の長さ(つないだ全長)4m以下は不要(第五号)
  • 300V以下は電線管にD種接地工事。管の長さ4m以下は不要(第六号)
  • 300V超はC種接地工事。接触防護措置を施すときはD種でよい(第七号)
思いこみ 正しくは
管内で接続してよい 電線管内では接続点を設けない
1種・2種は自由 2種が原則。1種は条件をすべて満たすとき
300V超の1種は自由 電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分
防護措置で衝撃も可 重量物の圧力・機械的衝撃を受けないように施設
1種に銅線は不要 1.6mm以上の裸軟銅線を全長に(4m以下は不要)
4m以下は接地不要 4mの例外は300V以下のD種だけ
たとえるなら
1種の裸軟銅線は、管に添える電気の通り道
1種の管には、直径1.6mm以上の裸軟銅線を全長にわたって入れるか沿わせて、両端で管と電気的に完全に接続します。管と並んで走る一本の通り道を足すイメージです。管の長さが4m以下なら不要です。
ここに注意!
「防護措置があれば、衝撃のある場所でもよい」ではありません。
解釈は、電線管と附属品を「重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設すること」としています(第160条第3項第一号)。防護措置で施設できる、とは書かれていません。
ここに注意!
「4m以下なら、どんな電圧でも接地不要」ではありません。
管の長さ4m以下で接地を省けるのは、300V以下のD種接地工事です(第六号)。300Vを超える場合はC種接地工事で、4mの例外はなく、接触防護措置を施すときにD種にできるだけです(第七号)。
ここまでのポイント
  • 管・ボックス・附属品は電気用品安全法の適用を受けるもの。堅ろう・電気的に完全に接続。
  • 1種には1.6mm以上の裸軟銅線を全長に(4m以下は不要)。
  • 接地は300V以下D種(4m以下は不要)、300V超C種(接触防護措置ならD種)。


よくある質問(FAQ)

Q1. 使える電線は? 絶縁電線(OW除く)。3.2mm超はより線。
Q2. 施設できない場所は? 重量物の圧力・機械的衝撃のおそれ。
Q3. 1種はどこで使える? 乾燥した、展開又は点検できる隠ぺい場所。
Q4. 管内で接続できる? できない。ボックスで行う。
Q. 金属製可とう電線管配線に使える電線は?
A. 屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く絶縁電線です。より線か、直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単心のものとします(解釈第160条第1項)。
Q. どんな場所には施設できない?
A. 解釈では、電線管と附属品を、重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設すること、としています(第160条第3項第一号)。そのおそれがある場所は避けます。2種を湿気の多い場所・水気のある場所に施設するときは防湿装置を施します。
Q. 一種金属製可とう電線管はどこで使える?
A. 電線管は2種が原則です。1種は、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所であって乾燥した場所に限り、300Vを超える場合は電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分に限ります。管の厚さは0.8mm以上です(解釈第160条第2項第二号)。
Q. 管内で電線を接続してもいい?
A. いいえ。電線管内では、電線に接続点を設けません(解釈第160条第1項第三号)。接続はボックスなどの中で行い、管とボックスは堅ろうに、かつ電気的に完全に接続します。

まとめ|一種は使える場所が限られる

金属製可とう電線管配線は、管内に接続点を設けず、2種を原則に1種は条件つきで使い、電線管には接地工事を施す点を押さえておけば判断しやすくなります。

確認する項目 決まり(解釈第160条)
使用する電線 絶縁電線(OWを除く)
電線の太さ より線か、直径3.2mm(アルミ4mm)以下の単心
管内の接続点 設けない
電線管の種類 2種が原則
1種を使える場所 展開した場所又は点検できる隠ぺい場所で、乾燥した場所
1種(300V超) 電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分
1種の厚さ 0.8mm以上
管・ボックス・附属品 電気用品安全法の適用を受けるもの。内面・端口は滑らか
施設のしかた 重量物の圧力・著しい機械的衝撃を受けないように。堅ろう・電気的に完全に接続
2種の湿気・水気 防湿装置を施す
1種の裸軟銅線 1.6mm以上を全長に(4m以下は不要)
接地工事 300V以下D種(4m以下は不要)、300V超C種(接触防護措置ならD種)

電線で押さえること

  • 絶縁電線(OWを除く)であること。
  • より線とする太さの境目。
  • 管内で接続していないか。

場所と管種で押さえること

  • 重量物の圧力・機械的衝撃を受けないか。
  • 2種が原則で、1種を使える場所の条件。
  • 300V超での一種管の使用範囲。

管と接地で押さえること

  • 管・ボックス・附属品の安全法適合。
  • 一種管の厚さ0.8mm以上。
  • 1種の裸軟銅線と、電線管の接地工事。

可とう電線管は、機器の振動を逃がしたり、狭い場所を回り込んだりする場面で欠かせません。ただ、手元にあるからと一種を選ぶと、使える条件を外れてしまうことがあります。上の表で場所と管種の対応を先に押さえておくと、材料手配の段階で迷いません。

ペン太ペン太
可とう管を採用するとき、次に確認すべきことは何ですか?
ハリタハリタ
施設場所です。重量物の圧力や機械的衝撃を受けないかを見て、二種を基本に、一種を使える条件かを確かめましょう。

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HARITA
電気設備の設計に携わる技術者です。内線規程や電気設備技術基準の解釈などの一次資料をもとに、設計・施工者向けの技術解説と、専門知識のない方に向けた「住まいの電気」の解説を書いています。