内線規程の解説 PR

内線規程の解釈と解説【036】|金属製可とう電線管配線

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出典(内線規程(JEAC8001-2022))より

金属製可とう電線管配線とは?

金属製可とう電線管配線とは、金属製の可とう電線管(フレキシブルチューブ)の中に電線を通して配線する方法です。振動や屈曲に強く、機械的強度に優れています。

電線

  1. 絶縁電線

    • 金属製可とう電線管配線には、絶縁電線を使用する必要があります。
    • 絶縁電線の定義については、1100-1(用語)⑪(絶縁電線)を参照してください。
  2. より線

    • 直径3.2mm(アルミ電線は4.0mm)を超える電線は、より線を使用する必要があります。
  3. 接続点

    • 金属製可とう電線管内には、電線の接続点を設けてはいけません。

施設場所の制限

  1. 外傷を受けるおそれ

    • 金属製可とう電線管配線は、外傷を受けるおそれがある場所に施設してはいけません。
    • ただし、適切な防護措置を施す場合は、この限りではありません。
  2. 一種金属製可とう電線管

    • 一種金属製可とう電線管は、露出場所又は点検できる隠ぺい場所であって、乾燥した場所において使用するもの(屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合は、電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分に使用するものに限る。)に限り、使用することができます。

管及び附属品の選定

  1. 電気用品安全法

    • 金属製可とう電線管及びボックスその他の附属品(管相互及び管の端に接続するものに限る。)は、電気用品安全法の適用を受けるものである必要があります。
  2. 一種金属製可とう電線管の厚さ

    • 一種金属製可とう電線管にあっては、厚さ0.8mm以上のものである必要があります。

二種金属製可とう電線管の太さの選定

  1. 絶縁電線10本以下

    • 管内に収める絶縁電線の本数が10本以下の場合は、3120-1表を参照します。
  2. 絶縁電線10本超

    • 管内に収める絶縁電線の本数が10本を超える場合は、3120-2表を参照します。
電線太さ (mm) より線 (mm²) 1本 2本 3本 4本 5本 6本 7本 8本 9本 10本
1.6 10 15 15 17 24 24 24 24 30 30
2.0 10 17 17 24 24 24 24 30 30 30
2.6 5.5 10 17 24 24 24 30 30 30 38 38
3.2 8 12 24 24 24 30 30 38 38 38 38
14 15 24 24 30 38 38 38 50 50 50
22 17 30 30 38 38 50 50 50 50 63
38 24 38 38 50 50 63 63 63 63 76
60 24 50 50 63 63 63 76 76 76 83
100 30 50 63 63 76 76 83 101 101 101
150 38 63 76 76 101 101 101
200 38 76 76 101 101 101
250 50 76 83 101
325 50 101 101

最大電線本数選定表

この表は、電線の太さと二種金属製可とう電線管の太さによって、10本を超える電線を収容する場合の最大電線本数を示しています。

電線太さ (mm) より線 (mm²) 二種金属製可とう電線管 30 二種金属製可とう電線管 38 二種金属製可とう電線管 50 二種金属製可とう電線管 63
1.6 13 21 37 61
2.0 17 30 49
2.6 5.5 14 25 41
3.2 8 18 29

電線引き入れ・引き替え容易な場合の最大電線本数選定表

この表は、管の屈曲が少なく、電線を引き入れ・引き替えやすい場合に、電線の太さと二種金属製可とう電線管の太さによって収容可能な最大電線本数を示しています。

電線太さ (mm) より線 (mm²) 二種金属製可とう電線管 15 二種金属製可とう電線管 17 二種金属製可とう電線管 24
1.6 4 6 13
2.0 3 5 10
2.6 5.5 3 4 8
3.2 8 2 3 6
  • 条件

    • 管の屈曲が少なく、容易に電線を引き入れ及び引き替えることができる場合に適用されます。
  • 緩和内容

    • 電線が同一太さで断面積8mm²以下の場合:3120-3表を参照し、電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和が管の内断面積の48%以下とすることができます。
    • その他の場合:3110-7表、3110-8表及び3120-4表を参照し、電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和が管の内断面積の48%以下とすることができます。

異なる太さの電線を収容する場合

  1. 管の太さ選定

    • 3110-7表、3110-8表及び3120-4表を参照し、電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和が管の内断面積の32%以下となるように二種金属製可とう電線管の太さを選定します。

二種金属製可とう電線管の内断面積と電線占有率選定表

この表は、二種金属製可とう電線管の太さ(管の呼び方)に応じて、内断面積の32%と48%を示しています。これらの値は、電線の被覆絶縁物を含む断面積の総和が管の内断面積に対して占める割合を計算する際に使用します。

電線管の太さ (管の呼び方) 内断面積の32% (mm²) 内断面積の48% (mm²) 電線管の太さ (管の呼び方) 内断面積の32% (mm²) 内断面積の48% (mm²)
10 21 31 38 345 518
12 32 48 50 605 908
15 49 74 63 984 1,476
17 69 103 76 1,450 2,176
24 142 213 83 1,648 2,472
30 215 323 101 2,522 3,783

一種金属製可とう電線管の太さ選定

  1. 3110-5の規定に準拠

    • 金属製可とう電線管のうち一種金属製可とう電線管の太さは、3110-5(管の太さの選定)の規定に準じて選定します。
  2. 表の参照

    • 表については、厚鋼電線管の値を参照します。

配管ルール

  1. 端口のなめらかさ

    • 金属製可とう電線管及びその附属品の端口は、電線の被覆を損傷するおそれがないようになめらかなものである必要があります。
  2. 二種金属製可とう電線管の曲げ

    • 二種金属製可とう電線管を曲げる場合の施設は、以下の各号による必要があります。
      • ① 露出場所又は点検できる隠ぺい場所であって管の取り外しができる場所では、内側の半径は、二種金属製可とう電線管内径の3倍以上とする必要があります。
      • ② 露出場所又は点検できる隠ぺい場所であって管の取り外しができない場所及び点検できない隠ぺい場所では、内側の半径は、二種金属製可とう電線管内径の6倍以上とする必要があります。
  3. 一種金属製可とう電線管の曲げ

    • 一種金属製可とう電線管を曲げる場合の内側の半径は、一種金属製可とう電線管内径の6倍以上とする必要があります。
  4. シャープベンドの禁止

    • シャープベンドは、使用してはいけません。

管及び附属品の連結・支持ルール

  1. 機械的・電気的連結と支持

    • 金属製可とう電線管及びその附属品は、機械的、電気的に完全に連結し、かつ、適当な方法により造営材その他に確実に支持する必要があります。
  2. 管相互の接続

    • 金属製可とう電線管相互の接続は、カップリングにより行う必要があります。
  3. 管とボックス・キャビネットの接続

    • 金属製可とう電線管とボックス又はキャビネットとの接続は、コネクタにより行う必要があります。

サドル支持のルール

  1. 支持点間の距離

    • 金属製可とう電線管をサドルなどで支持する場合の支持点間の距離は、3120-5表によります。
  2. ころがし

    • ただし、技術上やむを得ないときは、金属製可とう電線管をころがしとすることができます。

支持点間の距離

  1. 造営材の側面又は下面に水平施設

    • 造営材の側面又は下面において水平方向に施設するもの:1m以下
  2. 接触防護措置なし

    • 接触防護措置を施していないもの:1m以下
  3. 管相互・管とボックス等の接続箇所

    • 金属製可とう電線管相互及び金属製可とう電線管とボックス、器具との接続箇所:接続箇所から0.3m以下
  4. その他のもの

    • その他のもの:2m以下

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接地ルール

  1. 使用電圧300V以下の場合

    • 金属製可とう電線管及び附属品は、D種接地工事を施す必要があります。
    • ただし、管の長さが4m以下の場合は、この限りではありません。
  2. 使用電圧300Vを超える場合

    • 金属製可とう電線管及び附属品は、C種接地工事を施す必要があります。
    • ただし、接触防護措置を施す場合は、D種接地工事によることができます。
  3. 一種金属製可とう電線管

    • 一種金属製可とう電線管には、直径1.6mm以上の裸軟銅線を接地線として配管の全長にわたって挿入又は添加し、両端において電気的に完全に接続する必要があります。
    • ただし、管の長さが4m以下の場合は、この限りではありません。
  4. 異種回路との離隔

    • 強電流回路の電線と弱電流回路の弱電流電線を同一のボックス内に収める場合は、隔壁を施設し、C種接地工事を施すか、又は金属製の電気的遮へい層を有する通信ケーブルを使用し、当該遮へい層にC種接地工事を施す必要があります

まとめ

  • 金属製可とう電線管配線には、絶縁電線を使用し、太い電線はより線を使用します。
  • 金属製可とう電線管内には、電線の接続点を設けてはいけません。
  • 外傷を受けるおそれがある場所への施設は制限されています。
  • 一種金属製可とう電線管は、使用場所が制限されています。

(注)

  • この記事は、電気技術規程・解釈に基づいた一般的な情報提供を目的としています。
  • 実際の設置にあたっては、必ず専門家にご相談ください。
  • 最新の情報については、関連法令をご確認ください。

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