出典(内線規程(JEAC8001-2022))より
水中照明灯の施設基準と安全対策をやさしく解説【電気工事向け】
水泳プールや噴水など、水中に設置される「水中照明灯」には、一般の照明器具とは異なる安全対策や設置基準が定められています。この記事では、水中照明灯の施設基準、安全対策、接地方法、絶縁要件などについて分かりやすく整理しました。
水中照明灯とは?
水中照明灯とは、プールや噴水など、水中または水没する可能性のある場所に設置される照明器具です。水に直接触れる環境で使用されるため、電気安全上の規定が特に厳しく定められています。
使用電圧と絶縁変圧器の条件
使用電圧の上限
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一次側電路:300V以下
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二次側電路:150V以下
二次側の接地禁止
絶縁変圧器の二次側電路は非接地である必要があります。
配線・移動電線に関する規定
二次側配線
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金属管で配線し、感電や漏電の防止を図ります。
移動電線の条件
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2mm²以上の多心キャブタイヤケーブルを使用
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接続点なしで構成し、触れたり損傷したりする恐れのある箇所は金属管等で保護
接続部の防水構造
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差込接続器と水が侵入しない金属ボックスを使用
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接続部は水中を避けて設置
水中照明灯本体の設置基準
設置時の注意点
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指定された最大水深を守る
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電球は定格容量内のものを使用
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グランドパッキンは確実に締める
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送り接続には専用器具を使用
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常時水没する器具は水面上に出ないように設置
開閉器・過電流遮断器の要件
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絶縁変圧器の二次側電路の各極に、開閉器および過電流遮断器を設置
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開閉機能付きの過電流遮断器であれば、単独使用も可
接地工事の基準
絶縁変圧器関連
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30V以下の場合:混触防止板にA種接地
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接地線:**絶縁電線(IVやビニルキャブタイヤ)**を使用し防護措置を実施
開閉器・遮断器の外箱
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金属製外箱にC種接地
接地線径
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原則:2.6mm以上
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分岐回路接続部では2.0mm以上でも可
容器・防護装置の金属部分
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C種接地を実施
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移動電線の線心を接地線として活用
漏電遮断器の設置要件
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二次側電路の使用電圧が30Vを超える場合、漏電遮断器を設置
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非接地回路用の特殊構造タイプを使用
まとめ:安全と確実性がカギ
水中照明灯は、一般照明とは異なる厳格な規定に従って設置する必要があります。絶縁、接地、耐水性の確保など、各項目を適切に守ることで、安全な使用が可能になります。